【感想・ネタバレ】国家と秘密 隠される公文書のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本書は二名の歴史学者によって書かれたものである。「特定秘密保護法」の制定過程をきっかけとして啓蒙をその目的として書かれたものと想定するが、それ以前の日本における公文書管理の不備の方に目が行くものになっている。特定秘密保護法がどうのという前に、情報公開と公文書保護は、両輪として働かないといけないものだが、そこを整備していかないといけないのだなと理解。今後は、コスト面も含めて電子化がキーになるはずだ。公文書館の各国のスペースが比較されている表があったが、これまでの文書管理では意味があったが、今後は過去の文書保存の意味を除いて公文書館の広さは意味がないものになるだろう。

本書では、第一章で戦争直後に公文書を廃棄する日本の組織の傾向性が問題にされ、続く第二章で情報公開法と公文書管理法に触れられる。第三章では、その問題点を指摘し、第四章でそれを踏まえた上での公文書管理の国際比較が行われ、日本の後進性が示される。その上で、最後の第五章で特定秘密保護法について言及される、という構成になっている。

例えば30年後、自分が生きているうちにその内容が公開されるかもしれない、という前提で仕事をするというのはきっとその人にとってもよいことなんだろう。もちろん、そのために文書作成に手心を加えるというようなことがあってはならないのだけれども。

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2015年08月29日

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