【感想・ネタバレ】ルポ 介護独身のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ルポ 介護独身 (新潮新書) 単行本 – 2014/6/16

孤立しない介護を模索し試していくこと
2016年8月20日記述

山村基毅氏(やまむらもとき)による著作。
1960年(昭和35年)生まれ。北海道苫小牧市出身。
獨協大学外国語学部卒業。ルポライター。

内容はよくまとまっており良い。
ただ写真が全く無い。
その点が残念。ルポには写真があって欲しい。
より良い内容になっただろうに勿体無く感じる。

介護そのものは誰にでもどの家族にも起こることではある。
しかし少子高齢化に伴い独身者による介護も増加している。
きょうだいの間でもバランス良く負担しあうというのは現実問題として難しいようだ。
それに独身ということもあって介護が独身者に集中しがちなのだという。

本書を読んで印象に残った文章を抜粋してみたい。

シングル介護は独身者の結婚を阻む要因になる
介護は乳幼児の世話と違い、未来があるないが大きい。
介護の先は死がぶらさがっている。
乳幼児を育て上げることは社会に望まれた行為であるという暗黙の了解がある。
高齢者の介護を担う者が祝福されることはほとんどない。
周囲に認められることもない。
両親の症状は日々、変化する。
介護の方法も正解はない。
本などで学んだ知識が当てはまらないことも多かった。
一度、仕事を離れてしまうと、なかなか職場に戻れないという現実がある。
親の介護経験を活かして福祉関係の資格を取り、福祉施設で働きたいと希望する男性も多いそうだ。
ところが、現状としては給料は安くとても家族を養える額ではない。
「行政や医療がもう少しだけ介護者への配慮をして欲しい」
⇒入院に関する同意書の提出の期限、方法を柔軟にする。
いくら尽くしても尽くしても、結局後悔や疑問は残るものなのだ。
認知症にも種類があり、小人が見えたり等の幻影が見えるレビー小体型認知症がある。
自身の身内に介護者がいる場合には、きちんと介護を評価することが大切だ。
他人の評価ではなく、近親者の評価である。
歯が浮くような褒め言葉ではなく
心底から労い、ときには経済的な支援も行った方がいい。
孤立させない介護ではなく孤立しない介護を模索し試していくこと。

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2021年12月19日

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