あらすじ
弁護士、公認会計士、税理士、社労士……。「一流の資格さえ持っていれば食いっぱぐれない」なんて考えたら大間違い! 近年、規制緩和によって資格取得者の数が激増。その割に仕事は増えず、過当競争とダンピングが常態化し、「資格貧乏」があふれかえっているからだ。資格ビジネスの知られざる裏事情を解説すると共に、「資格を上手に生かすための戦略」も伝授する。
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Posted by ブクログ
手に職を付けるという言葉は昔からあるが、その意味をよく考え直させられた書だった。難関で、かつ高給を取れる資格と思っていた弁護士、公認会計士が今や、生活保護を受けねばならないほどの低収入の人が20%は存在することに衝撃を受けた。イソ弁、軒弁、野良弁までは知っていたが、即独宅弁(修行できなくて、家で即独立)となっているとか、司法修習が期間短縮され、さらに給費もなくなっているとのことで、日本の法曹会の将来は大丈夫なのかと不安になってしまった。社労士ベテランによる新人社労士への開業セミナー(通称、ヒヨコ食い)にも、やるせなさを感じた。結局、こうした政府に既得権として守られている資格はその守り主から裏切られるとこうなるという典型と思った。何事も、人に頼る前に、自分を信じ、自分で覚悟して生きていくことが必要なのだなと改めて思う。最後の章の資格を取る人へのアドバイスは非常に参考になるが、一歩引いて考えると、単なるフリーランスの人へのアドバイスと同じだなと思った。
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弁護士や会計士などの、いわゆる稼げると言われる資格について切った一冊。
いわゆる士業と言われる資格でも安泰ではないということを知ることができた。
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士業の悲惨な現実を取材した本。他人事だから、そこそこ楽しく読めたけど、資格取っても仕事ないとか、本当に悲惨。
そこで生き残るためには、プライドを捨てて何でもやる姿勢が必要とか。真面目なだけじゃダメなんですねえ。
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目からうろこでした。www
やっぱり「お金儲けをしたい」で資格を取っても楽な道はないんだなあ。。
そんな基本的なことも、目が曇るとみえなくなるよねー
怖いよねー って思った一冊。
人生に楽な道なし。
Posted by ブクログ
法科大学院に通えば、7割以上は弁護士になれる。そんな政府目標でどこの大学でも法科大学院を作りまくった。しかし、合格率は2割ほど。国家的詐欺だ。とはいえ、司法試験の合格率が下がり、弁護士の数が増えたのは事実。ようやく日本も欧米並みの弁護士数を確保できる見通しがついた。
が、弁護士が増えたってことは逆に、弁護士価値が失われたことでもあった。それに弁護士が増えても、仕事が増えるわけではない。その結果、手数料はディスカウントされ、弁護士格差は広がり、生活保護並みの収入しか得られない弁護士たちを作り出した。
最難関の司法試験ですらこの惨状。他の国家資格も同様だ。
もはや一流の資格を取れば食えるという安易な考えは捨てるべきだ。資格が人を食わせるのではなく、人が資格を使って食うのだ。
Posted by ブクログ
社会派のライターによる国家資格についての本。弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士の資格保有者の実態について書いている。定量的なデータはほとんど示されておらず、ライターらしく聞き取り情報を基に結論づけているため、学術的ではないし論理的でもない。したがって説得力がないのだが、実態としての一面は理解できる。内容は薄い。
「ロールクールは本場アメリカでさえ、とうのとっくに破綻危機に直面しているのだ」p31
「旧司法試験では、上位者と下位者の点数の開きはさほどありませんでしたが、新司法試験の点数のばらつきは凄まじく、司法試験成績上位者は、上位校の成績上位者が独占している。だから、大手の採用は、トップスクール出身の成績上位者を採るだけ」p48
「以前、東大の学生と話す機会があったのですが、その中に、司法試験に受かれば年収数千万円の未来が約束されていると思い込んでいる学生たちがいました。だが、現実には年収数千万円の弁護士など、いわゆる四大事務所のピラミッドの頂点、パートナーくらいなものでしょう。四大法律事務所に所属する弁護士がざっくり1500人、その中でパートナーにあたる弁護士が1/3くらいとすると、500人。日本には弁護士が約3.3万人いますから、四大事務所のパートナーになれるのは、その中の1.5%程度です」p49
「合格後、監査法人で2年間の実務を行い、修了考査に合格して初めて資格が取得できる。ところが、監査法人に就職できず、実務経験を積めないために、資格取得ができない人が急増している。2010年の合格者で就職できなかった人は53.2%、11年は46.1%もいて、11年末時点の待機合格者数は1300人にのぼる」p82
「国税庁に23年以上勤務し一定の要件を満たした人、公認会計士、弁護士は「試験免除者」となり無試験で税理士になれる」p107
「一般的に、公認会計士試験にパスするには平均3600時間、税理士は2500時間の勉強が必要だという」p179
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日本では本人訴訟が7割を超えている。
法学部の不人気で、文科二類のほうが人気が高い。
法科大学院では、問題漏洩事件以来、答練をやらない。その分予備校に通うのはあたりまえ。
あなたのせいだ、と指をさすと3本の指は自分を指している。
クラウドサービスFreee。グーグル出身者が開発した。
etaxs。税務申告を代行。
箔付けのために集団で本を出す。
地方の空白地帯を目指す。
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弁護士の8割は個人事業主として活動しているが、その2割は「所得100万円以下」だという。弁護士法の改正により報酬規定が変わり、買い叩きやダンピングが横行するようになった。さらに弁護士の数がわずか10年で2倍となった。当然、仕事は細る。登録をキープするため協会に収める会費が月数万円。加えて奨学金の返済まであってはたまらない。弁護士でこのありさまでは、つぶしの効かない会計士、マイナンバー制度でお先真っ暗の税理士、もともと食えない社労士なんてさらに悲惨。ましてやちょっとTOEICの点数が上がったくらいで職にありつけるわけもない。お金や時間を費やして資格をとっても報われない。「資格にこだわり過ぎず、まずは就職を」と著者はアドバイスするが、そもそも就職が大変だから資格をと……あれ? オレ、どこで間違ったんだろう。
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「資格を取ると貧乏になります」という、まさにその内容が滔滔と書かれている。法科大学院の失敗や余った弁護士が借金やらB型肝炎やらに群がっていたりするのは知っていたが、公認会計士も税理士も、こんなことになっていたとは。
冒頭に民間のバカ資格をあげて、そういうバカは放って置いて、問題は国家資格までそんなことになっていることだ、とあげている。まあ、バカはどこにでもいるし、母集団のアタマがよくたってどうしてもバカは湧くのが世の中の仕組みである。
本書のほとんどは、資格貧乏の悲惨さと食うためのあまり気分の良くない手口がほとんどで、解決策というか、光明は最後に少し述べられている。それは有資格者とか関係なしに、普通の仕事のやりかたなのだけど、資格を取ったら尊敬されてウハウハ、みたいな感覚の人がいたとすると、その人たちにとっては耳が痛いことだろう。
たいした資格もない僕がいうのも申し訳ないが、仕事というのはもうちょっと成り行きでジタバタやればいいのに。資格の先にまだ見ぬ希望がある気がしている人は、たぶんつまんないのだ。それは資格の問題では無いのだが、お上が資格を緩めたばっかりに、資格が蔑まれてしまう。
寒い時代だと思わんか。
そういうことを書いた本。あとがきは明るいけど。
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資格取得はあくまで手段であって目的化してはいけないと思う。難関資格取得を目指している人達は、仕事が保障されてるわけでもないのに取得できれば報われると考え、自己満足か現実逃避に近い状況に陥ってるような気がする。難関で費用、勉強時間がかかるなら、残業のない派遣で働きながら長期的な計画を立てないと職歴なしの30代も現実的にありそう。
Posted by ブクログ
弁護士等士業が悲惨な現状にあることをこれでもかと記載した本です。
この本で取り上げられている資格を目指そうと考えている人は是非一読してほしいと思います。
合格するだけでも大変なのに、首尾よく合格しても、待っているのはバラ色の道どころか、茨の道。
それでも自分はこの職業を選択したいのか、本気の覚悟を試されます。
自分が幸せにした人の数だけ収入もついてくる、これは理想論に過ぎないのかもしれません。
それでも、好きな仕事をしているときは稼ぎが気にならない程の充足感を得られることは確かです。
夢中になって仕事をし、ふと気がついたら、経済的にも充足していた…というのが何よりも幸せな働き方なんだろうな、などとこの本を読んでつらつら思いました。
本の最後の資格職で生き抜くためのアドバイスは、それほど目新しいものではなく、やはり大事なのは、与えらた機会や縁を積極的に活かしていくことなんだろうと、自分なりに解釈しました。