あらすじ
〈永遠の戦士 エルリック5〉 流浪の皇子エルリックとフォン・ベック伯爵ウルリック、そして〈夢盗人〉の娘ウーナが活躍する、新3部作ついに開幕!
第二次大戦前夜、白き肌とルビー色の瞳をもつフォン・ベック伯爵ウルリックの居城に、SS将校となった従兄のゲイナー公爵が訪ねてきた。ベック家に古えより伝わる〈黒の剣〉レーヴンブランドをヒトラーに渡せというのだ。拒絶したウルリックはただちに収容所に連行され、拷問を受ける。やがて反ナチ組織に属するウーナという娘の助けで脱走したウルリックは、敵の追撃をかわし、地下世界ムー・ウーリアへと逃れるが…… /掲出の書影は底本のものです
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Posted by ブクログ
面白かった。空想世界と現実世界が交差するだけでなく主人公二人も交差するとは!玉、剣につぐ新たな鏡の千年はこういうことかと勉強になりました。ナチスがらみで重くて一気に読めなかったけど、読み終えたらまだまだ読みたいとおもってしまいました。エルリック様、あんたやっぱりかっこいいよ、どこまでかっこいいんだ!
Posted by ブクログ
衝撃のラストから、どうやって話が続くのだろうと思ってしばし間が空いてしまった永遠の戦士エルリックシリーズ。なんと第二次大戦のドイツから始まります。その子孫の物語として現実世界と繋がってくるのかと思いつつ読み進めると、なにやら多元宇宙とか時空を超えて転生するとかファンタジー世界の理屈が展開されてきて腰がひけてくる。この死をも超越したなんでもありあり感が苦手なんだよな。緊迫感がうすれるよね。でもムアコックはそこで脅威の粘りを発揮し、見事にエルリックの血を引く末裔の物語につなげていく。これはこれで面白いか。でもエルリックの矛盾した内面の葛藤を描いて迫力があったこれまでの作品と違ってエンタメ色が強い。深みが薄れた。
しかし翻訳の素晴らしさは相変わらずで、もともと日本語で書かれた作品かと思ってしまいます。これだけでも読む価値あり。