あらすじ
皇帝ハプスブルク家の都、楽聖の都ウィーン。今もなお優雅で華やかな香気を放っている。だが、この都市の神話はいったいどのようにつくられたのだろうか。激動の都市形成の歴史をたどりつつ、「よそもの」を魅きつける魔力とオペレッタ的いかがわしさにみちた、ウィーン神話のもうひとつの顔に光をあてる都市の社会史。
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Posted by ブクログ
ウィーンにゆかりの深い人物、モーツァルト、ヨハン・シュトラウス、モーツァルトなどなどの音楽家を中心にした後半も面白いが、ローマ帝国、ハプスブルク家中心の中盤までの展開もおもしろい。
本当のことを言うと、自分の持つウィーンのイメージって、フロイトとかヒトラー辺りのどんよりとしたイメージなんだけど、読んでて「普通そうだよな」と言う感じ。
ニューイヤーコンサートのあのウソっぽい華やかな雰囲気、挿入される乗馬の風景や踊り、あのメッキされた感じっていいよな、って思う。本を読んで知ったのだけど、コンサートで映し出される唯一の心が安らぐドナウの流れの風景も、実は人工的なものだと知って、ある意味ではこの作り物感のウィーンの良さってのもあるのだろと素直に感じる。
「Vienna」ではなく「ウィーン」という言葉の響の「ウソっぽい華やかさ」というものはまた別なんだろけど、どっちにしろ「借り物の街」ということか。良書。
Posted by ブクログ
「よそもの」が来る場所ってのは、文化が発展する場所。一概によそ者を悪者扱いできない。寛容な街:ウィーン。だからこそ事件もたくさん起きている。
オーストリア旅行の前に読んでよかった。歴史の本として面白い。実際に行ってみて、よそ者が作ったというところがなんとなくわかる気がする。