【感想・ネタバレ】アドラー 人生を生き抜く心理学のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2016年02月07日

人からどれほど幸福だと思われたとしても、他ならぬこの私が実際に幸福でなければ意味がない。
状況を離れた絶対の善はない。
私は他者から影響を受けるが、同時に私も他者に影響を与えることができる。人はこのような意味で「全体の一部」であるから、自分だけが幸福になることはできない。
たとえ誰からも愛されなくと...続きを読むも、私は隣人を愛そう。成熟したライフスタイルを持ったアドラーは、フロイトの問いを一蹴する。
重要なことは、これまでどうだったかということではなく、これからどうするか
目的は未来にある。未来は変えることができる。未来だけは変えることができる。
自分に価値があると思えることがなぜ必要かといえば、自分はこれから先もこの自分でしかないからである。これから先も死ぬまでこの自分とつきあっていかなければならない。この事実が動かせない限り、幸福になれないことになる。
課題が与えられれば、できることから少しずつでも始めていくしかない。これは勇気そのものであり、アドラーはこれを「不完全である勇気」「失敗する勇気」と呼んでいる。失敗を恐れて初めから課題に取り組まないより、はるかに望ましい。
人が一人では生きられないという時、そのことの意味は人が弱いからということよりも、人はその本質において初めから他者の存在を前提としており、他者と共にあることで、人は「人間」になれるということである。他者と共生することが必要であるというのではなく、人は最初から社会的存在なのである。社会や共同体から離れて生きる個人はありえないのである。
自分の価値は他者からの評価に依存しない。

212ページから

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Posted by ブクログ 2014年07月28日

アドラーの思想は好きですね。信じるに値できると思えるという事。以降は本からの引用です//見かけの因果律。治療も育児も教育も、今とは違うあり方へと人を導くことを意味する。ライフスタイル(性格)。自己概念、世界像、自己理想。問題行動…原因ではなく目的をみる。他者への関心。共同体感覚。共感。他の人の目で見...続きを読むて…。チェリスト デュプレ。自分の課題を自力で解決できるという自信を持てるように援助する…勇気づけ。自分に価値があると思える援助。人からの評価に左右されないように援助する。短所を長所と見る。意味づけを変える。貢献感。ありがとう。実際にどうかよりもどう思われるかを気にすれば、容易に現実との接触を失う。理想を見て、現実の自分や他者を見ない。

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Posted by ブクログ 2013年07月21日

フロイト、ユングに並ぶ心理学者・アドラーの生涯、思想を、他の心理学者や哲学者との比較を一部交えながら書かれた本。
アドラーの解説書ですが、著者のアドラーへの敬意が伝わる文章で、良い大学の講義を受けている気持ちになりました。

アドラーの考え方は、人の考え方や行動、神経症の症状、ひいては生き方について...続きを読む、「◯◯だから××してしまう」という原因論ではなく、「××をするために◯◯という原因を探して実行する」という目的論に立脚しています。
その目的を持つにあたり、自分の「ライフスタイル」(自己観、他人観、世界観)が影響を与えます。ライフスタイルは、どのように育てられたか、どのように生きてきたか、によって形成されますが、もし自分が生き辛くなるようなライフスタイルを持っていることに気付いたなら、そこから未来にむけて変えていかなければなりません。

このように、アドラーが当時の人々に語りかけていた考え方が、説明されています。

心理学を学ぶ学生や、よくあるビジネス書に書かれているような「自己責任論」より更に一歩踏み込んだ内容の本を読みたい社会人にオススメです。

ただ、難点をあげるとすれば、読者に語りかけるような文章で書かれているので、教科書のように図解や体系化がされているわけではありません。
その点でややわかりやすさは落ちますが、その代わり著者の講義を受けているような面白さがあると思います。

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Posted by ブクログ 2010年06月01日

『アドラー心理学 シンプルな幸福論 』を入門としたら,次はこの本.
アドラー心理学の理論を整理しながら,アドラー自身の言葉と時代を引用しながら丁寧に説明している.

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Posted by ブクログ 2022年02月06日

アドラーの名前だけは聞いたことがありましたが、彼の提唱する「個人心理学」のことも知らないまま、初めて読んでみました。
自分に不都合なことを、生い立ちやトラウマのせいにしがちですが、過去にとらわれずに力強く未来を作っていくことを説いています。著者が「心理学は一朝一夕に学ぶことができる科学ではなく、学び...続きを読む、かつ、実践しなければならない」と言っている通り、一読して理解できるものではないですが、心にとめておきたいと思いました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年02月24日

岸見先生のアドラーへの敬意の気持ちが伝わってきます。アドラーの生涯、思想を、ほかの心理学者や哲学者と比較しながら書かれています。
アドラーの解説のテキストとして、わかりやすい内容であると思います
目的を持って生きていくにあたり、自らの「ライフスタイル」(自己観、他人観、世界観)が大きく影響を与えます...続きを読む。ライフスタイルは、育てられた環境、生きてきた環境などによって形成されますが、もし自分が人生で生きづらく感じることがあるなら、ライフスタイルを変える必要があるということです。
著者の口調で語られているため、講義を受けているような感覚で読める一冊であると思います。

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Posted by ブクログ 2021年02月18日

アドラーの生い立ちを辿りながら、アドラー心理学がどのように成り立ってきたか、そこから始まっている。そして、アドラーの生涯を交えて紹介してくれています。フロイトとの違いを対比しながら書き、未来の幸福に向けた、社会への関心・貢献への勇気の心理学である。過去は変えられなくても、「現在」、「未来」は変えられ...続きを読むる。トラウマを振り切り、強い意志と勇気と希望をもって人生を力強く生き抜いていこう!というメッセージ。

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Posted by ブクログ 2021年01月23日

書かれていることを噛み砕きながら読み進めないと内容理解ができなかったので読むのに時間がかかってしまいましたが、読み切ることができ大変満足しています。

アドラーの生涯、アドラー心理学の考え方とその著書、事例、そして最終章では死生観にまで触れられていたので、アドラーの思想の根源から知ることができました...続きを読む

フロイトとの出会いから、思想の相違点もわかりやすく書かれていたので師弟関係にあったのではなく対等の研究者であったということが納得できました。

また育児、教育におけるアドラーの考えを知り、いかに日々の大人の子どもへの関わり方、心の持ちようが子どもにとって影響力が大きいものかを考えさせられました。


改めてアドラー心理学は実践していくことが難しく、しかし今ここから、自ら他者への貢献、信頼を始めていくことが大切だと気付きました。


以下読書メモ

感情は人を支配しない。人を支配したいという目的があって怒りという感情を持ち出しているのだ。
怒りは人と人を引き離す感情。
怒ること以外の有用な役立つ方法があることを知っていれば、怒りの感情をだっきゃくするこあは可能。


人は「他の誰とも異なった人間としての可能性、発達の可能性」を持っている。

ライフスタイルは自ら選択したものである。人との関わりを回避したいから自分の欠点を理由にしている。人と関わることを恐れない人は自信があり、自分の長所を容易に見つけることができる。

「自己への執着」自分にしか関心を持たず、世界の中心であると考える。他者が自分の期待を満たさなければ憤慨する。

「他者への関心」共同体感覚は、他者の存在を認め、他者にどれだけ関心を持っているかの尺度である。
他者のことはわからない、と思って、そのことを前提に人を理解することに努める方が、他者の理解に近づく。
「真の共同体感覚と誤った共同体感覚」のいずれであるか、吟味しなければならない。他者貢献は自分がどうするかが重要。

何をするにも必ず成功しなければならないと考え、必ず成功するという保証がある時にだけ挑戦する。しかし、失敗が少しでも予想され、成功することが確信できなければ、最初から挑戦しようとしない。
このために神経症の症状はつくられる。

神経症者のライフスタイル
1.私には能力がない、と思う
2.人々は私の敵である、と思う
器官劣等性のある子ども
甘やかされた子ども
憎まれた子ども

健全なライフスタイル
1.私には能力がある、と思う
2.人々は私の仲間である、と思う

誤った優越性の追求
1.他者を支配すること
2.他者に依存すること
3.人生の課題を解決しようとしないこと
子どもを甘やかすと親から自立することができず、
搾取することは知っていても与えること、協力すること、その必要性をも知らないで育つ。

共同体感覚を伴った優越性の追求
1.他者を支配しない
2.他者に依存しない(自立する)
3.人生の課題を解決する

人間は対等である。対等の人格として扱う。子どもたちを対等の関係において見て、尊敬し全幅の信頼で接するのであれば、力で抑える必要はない。

勇気づけは、子どもが人生の課題を解決しうるという自信を持てるように援助すること。子どもの課題を親が肩代わりできないことは知っておきたい。

叱ることでは、子どもは自分に価値があるとは思えず、子どもが課題に取り組む援助をすることもできない。子どもは親の言うことが正論であることを知っている。自発的に決心したのでなければ、いつでも簡単に元に戻る。
対等だと見ていれば、そもそも叱ることなどできるはずがない。下だと思っているからこそであって、その際対人関係で下に置かれた人はそのことを嬉しくは思わないだろう。


ほめられるために何かに取り組む子どもも、ほめられないと、認められないと何もしない。自分の判断で行動できる子どもになってほしい。褒めるよりも、「ありがとう」。

大人の子どもへの働きかけは操作や支配ではあってはならない。大人の側に忍耐が要求される。勇気づけは手間隙がかかるのである。試行錯誤的に子どもに声をかける。私が子どもを勇気づけているのではない、むしろ、日々の生活においてどれほど子どもに勇気づけられているか。

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Posted by ブクログ 2020年08月23日

人生は苦である、試練をどうのりこえるか、と言う発想を久しぶりに思い出した。アドラー心理学入門にもおすすめの本。

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Posted by ブクログ 2018年11月04日

・「自分だったらどうするか」ではなく、「他社のことはわからない」と思って、そのことを前提に人を理解することに努める
・未来だけが変えることができる
・自分に価値があると思えるときだけ勇気が持てる
・自分は自分。他の人からの期待を満たすために生きている訳ではない
・できれば、人生どんな出来事にあっても...続きを読む、動じないでいられるだけの準備を怠らないようにしたい
・人生を楽しむ。今ここにおいてしか楽しめない

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Posted by ブクログ 2016年12月18日

アドラーの入門~初級者向けの本。○○する勇気シリーズを読んでからの方が理解しやすいかもしれない。まだわかっていない、共同体感覚

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年08月20日

アドラーの生い立ちを辿りながら、アドラー心理学がどのように成り立ってきたのからはいり、実際に自分の人生をよりよく生きるヒントを与えてくれました。

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Posted by ブクログ 2014年12月26日

人間関係に悩む自分が手に取った一冊。

アドラーの言う人生の苦しみは3つしかない。

・衰える(死)苦しみ
・自然災害の苦しみ
・他者との関係

特に他者との関係は上2つの苦しみよりはるかに大きいとされる。

自分は他人を一部を除き敵とみなしてきた。
自分を攻撃してくる敵だと。

アドラーの考えでは...続きを読む、他人=仲間、この意識があって初めて、他人への関心、貢献したいという気持ちが湧いてくる。

他人を支配せず、他人に依存せず、人生の課題を解決する姿勢で臨めば、人生はより良いものになります。

自分には能力があると信じ、これからより良い人生を歩いていきたいと思えた一冊です。

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Posted by ブクログ 2014年11月03日

「嫌われる勇気」ではアドラーの体系がわからないと思った人なら必読ですが、そうでない人には少々難解な内容。
それでも、フロイトとの関係や考え方の違い、第一次世界大戦から「共同体感覚」という理想を描いた生涯を知るのは、戦前回帰している日本にとっても大事なことだと思います。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年08月22日

アドラーの個人心理学の成り立ちから展開まで、アドラーの生涯を交えて紹介してくれる。フロイトとの違いを対比的に著し、未来の幸福に向けた、社会への関心・貢献の、決意の心理学であることが印象的だった。
原因論を排する目的論も、過去の出来事は誘因として包摂しているとの説明には、理解できるものの、何となく理論...続きを読むが一貫しない割り切れなさを感じた。
比較的分かりやすく書いてあったとはいえ、やはり読み切れていない感は相当あった。
14-119

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Posted by ブクログ 2011年04月17日

アドラー心理学の基本概念について、彼がそれを着想した背景に沿って解説しています。

途中で岸見氏の意見・経験談がはさまれており、アドラーの意見と混同してしまいそうになるので注意が必要です。文脈をしっかりつかめば問題ない程度です。

今すぐアドラー心理学を実践したいというような人の要望に応えるものでは...続きを読むありませんが、
・そもそもアドラー心理学って何?
・なんでこんな仮定を置いているの?
・アドラーってどんな人?

という疑問を抱いている人には最適の本だと思います。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年03月12日

「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」でアドラー心理学に慣れ親しんでからこの本を読むとぐっと納得感が増す。

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Posted by ブクログ 2016年07月27日

アドラーとフロイト、心理学にも系統があるようで。アドラーの考え方は嫌いじゃないと感じた。ただこの著者の書き方がわかりづらい。

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Posted by ブクログ 2014年10月19日

☆3.5
読んだら勇気がでてくるよ。
アドラー心理学の考え方は、しっくりくるから大好きです。時代、宗教、民族や時空を超えて、世界をより良くしていくためにどう行動していくか。それが生きていくためのエネルギー源になっているのは同意です。
対話による和解を、人間がすぐには思いつかないことをよく表した例は、...続きを読むとても印象的でした。
八木誠一さんのフロント構造理論が引用されていましたが、私はもっと複雑な構造を想像します。ネットワークとか、入れ子とか、そういった一対一の面的接触では終わらない複雑さが隠されているのではないかと直感しています。

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Posted by ブクログ 2012年10月06日

「意味は状況によって決定されるのではない。われわれが、状況に与える意味によって自らを決定するのである」
いまや認知行動療法に席をとられた感があるがその源流のひとつだろう。対等な関係を前提とした、共同体を志向する責任ある選択、といわれれば、それは厳しいものであり、生き方指南的な面は敬遠されがちであるの...続きを読むかもしれないが、人間性心理学と共通する多くの部分はこころに留めておきたい。

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Posted by ブクログ 2020年06月15日

岸見先生は最近鬼のように本出してるけどどういう理由があるんだろうか。アドラーにそれほど魅力は感じない。なんでいまごろアドラーなのだろうか。でもエリスあたりにはけっこうな影響を与えているような気がする。

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