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Posted by ブクログ
障害児学級を受け持つ教師の告白。
過去の教え子(直接ではない)が暴漢に襲われ意識不明となるが、その容疑で逮捕される。告白を読む限り、彼は犯人ではないのだが、彼は事件当日のことを語らない。
物凄く想像力をかき立てられる作品である。容疑は事実なのか、誰かを庇っているのか。そして、その真相を想像するのが作者の意図する事なのか。安易に決め付けられない。
Posted by ブクログ
大学時代の恩師から、お勧めされた作家の初読書。読みやすい文章で、ボリュームとしても薄い方なのでサクサク読んでしまった。
「わたし」は障害児学級を担任する教師。この小説全体は、「わたし」の元に現れたかつての教え子・牧野(障害児ではなかったが、問題児として有名だった)が何者かに襲われ、意識不明の昏睡状態になった、その数ヶ月のことを「わたし」が記した手記となっている。
結末にわかりやすい何かを期待してはいけない話である。面白くないと感じる人も多そうな小説だ。
しかし、私はこの手の一人称小説が謎めいていて結構好きだ。手記という体裁は解説文の言葉を借りるなら「信用できない語り手」なのだ。
妻との関係や、牧野の事件、また「わたし」本人の行動や思い等を、「信用できない語り手」の書いた手記、という視点で読むと更に面白味が増すと思う。