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スポーツニュースや報道に関する不思議を元NHK記者が語ります。長年の経験から得た多くの疑問である事から説得力はあります。みなさんもぜひこの本を手に取り、違った視点でスポーツニュースを見てみてください。
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スポーツニュースの根っこにある「おじさん視点」がわかりやすく理解できる。「なでしこジャパン」「アフリカ勢特有」など知らず知らずに常套句に陥りがちですが、そこに本質はないですね、確かに。
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盛り上がっている方々には大変申し訳なく思うのだが、大きなスポーツイベントの時期における暑苦しさは何度経験しても慣れない。あらゆる媒体でお祭り騒ぎ。各々のトピックスでは他の政治経済社会などでよっぽどの出来事が起こらないかぎりトップ。
もちろんスポーツ自体は見てもおもしろいしやってもおもしろい。選手は偉大だし応援したいし責任があるわけでもない。しかし「見ても見なくてもいいし応援してもしなくてもいい」という態度は表面的には許容されるが推奨はされないのはもちろん、場合によっては非難の対象となる。さらにこんな不満を大きな声で口にしようものなら人間性を疑われるか呆れられる。
強制する空気の構造を著者のスポーツ取材経験を踏まえて論じているのが本書。少々被害妄想的な記述もあるが、大した見識を持ち合わせていない「なんちゃってファン」とは違ったスポーツに対する強い愛情が感じられる。スポーツは一例に過ぎない。多彩な形で現れる人間の欲求は、油断すればいつの間にか利用されるということ。これは間違いないのではないかと思う。
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スポーツジャーナリストの玉木正之氏がNHKの「週刊ブックレビュー」で勧めていたので、森田浩之著『スポーツニュースは恐い——刷り込まれる〈日本人〉』(NHK生活人新書)を手に取りました。
スポーツニュースの何が「恐い」のでしょう? スポーツニュースに接するとき、私たちはたいてい現実の憂さを忘れようとしており、意識は弛緩しています。スポーツニュースは、そんな私たちの無意識に、競技の結果やアスリートの人間ドラマに事寄せて、たとえば男女のあり方についての固定観念や、ステレオタイプな日本人らしさを刷り込んでくる、と著者は言います。たとえば次のような刷り込みです。
・男勝りの女性アスリートもやはり女。女らしい一面がある(なくてはならない)。彼女たちはアスリートである前に女であり、妻であり、母である。彼女たちが活躍できるのは夫の理解と支えがあるからこそ。
・日本チームの強みは努力、粘り、チームワーク、組織力にある(根拠も証明もなく当然視される断定)。
・「やっぱり日本人は日本がいちばん」という結論で落ち着く海外進出選手のニュース。
・ヒーローに必要なのは謙虚さ(謙虚さを確認するだけの、お約束のやりとりで終わる、無内容なヒーローインタビュー)。
「あとがき」でタネあかしされていますが、この本は、デイスコース・アナリシス(言説分析)の手法でメディア・リテラシー(メディアの発する情報をうのみにせず、批判的にみていく姿勢のこと)の必要性を説いた本です。そう言うと小難しそうですが、分析されている言説(談話)が、毎日読むスポーツ欄の記事であり、スポーツ中継の実況アナウンスや選手のインタビューなので、スラスラ読めます。
正直なことを言うと、たかがスポーツニュースに目くじらを立てなくてもいいじゃないかと、いささか斜に構えた姿勢で読み始めました。しかし読み進むうちに、スポーツニュースに批判的に接することの必要性がわかってきました。つねに疑心暗鬼で裏を読むということまではしなくとも(やりたくてもできません)、「危険」が潜んでいることを頭の片隅に置いておくぐらいのことは必要かもしれません。
この本とは別の視点からですが、私がスポーツニュースに感じる問題は「手のひら返し」です。昨日の人気者が今日は鼻つまみ者になります。持ち上げておいて落とします。また、現実の複雑さから私たちの目を逸らしてしまいます。このあたり、送り手にその意図はなくても、スポーツニュースには私たちを、物事を深く考えることをめんどうくさがる、気分に流されやすい存在にしてしまう危険性が潜んでいるかもしれません。そういえば最近、政治や社会のニュースがスポーツニュース化しているような気がするのですが……。
「こんなスポーツ中継は、いらない!」もぜひ、あわせてお読みください。
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言いたいことはわかるし、今までいろいろな形で言われてきたことでもある。ただその論証の仕方は雑。著者が批判する、都合のよい部分だけを切り取って自説を展開するメディアの姿勢に、著者自身も陥っている。著者が世の中に訴えたい趣旨には賛同するので星3つとしたが、本当は星2つにしたい気分。イギリスのタブロイド紙がW杯ドイツ戦についてどのような書き方をしているか、という話はおもしろかったけれど。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
スポーツニュースは日々、特定のメッセージを発している。
そのメッセージとは“私たちは日本人である”というものだ。
しかし、その日本人とは、メディアのとらえた日本人であるだけでなく、サブリミナルなレベルで私たちの中に浸透する―。
本書ではスポーツニュースのメカニズムを丹念に解きほぐし、その新たな読み方を提示する。
[ 目次 ]
第1章 本当はこんなに恐いスポーツニュース
第2章 女子選手に向けるオヤジな目線
第3章 スポーツニュースは“人間関係”に細かい
第4章 スポーツニュースは“国”をつくる
第5章 日本人メジャーリーガーが背負わされる“物語”
第6章 世界中で刷り込まれる“国民”
第7章 ワールドカップでつくられた“日本人”
第8章 イビチャ・オシムはなぜ怒ったか―むすびにかえて
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
女性蔑視はスポーツに蔓延っていた!
スポーツニュースを注視するきっかけとなった。刷り込みを続けるスポーツ紙は、読み続けると知らぬ間に、相手の意図が組み込まれてしまう。
コントロールされるのって怖い。
Posted by ブクログ
女子スポーツ選手が妻・主婦・母とかの目線で語られたり・・・・。おもしろい切り口で語ってはいるが、いかんせん学問としての部分が薄いのを感じる。雑誌のコラムくらいならいいがね。