【感想・ネタバレ】カラスの常識のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

カラスはスカベンジャーとも言われる種類の鳥です。スカベンジャーとは、ゴミや死体などを食物として、自然界の掃除役を担う動物を表わす言葉なんだそうです。それが、たとえば東京に大集中して、ゴミをあらし、人生を謳歌して、どんどん増えていきもしました。著者は、それは、ルールを守らない人間によってカラスを招き入れたのだ、というように分析しています。ゴミの日を守らない、ゴミをきちんとした体裁で出さない、カラス対策にネットをかけるのも怠る、などによって、カラスはとても生きやすかったわけです。そんなことをしながらも、行政の方ではカラスを捕獲し、全国では年に40万羽ほど殺処分しているそうです。学校にカラスの巣ができて、親ガラスが児童を攻撃するから駆除しようとなると、その児童たちの意見として、「人間の邪魔をするのだから、殺されて当たり前」というものが飛び出したりもするのだとか。カラスが増えたのは人間の暮らしかたによるもので、そして、減らそうと捕獲し処分するのは人間の都合。そして、そんなあり様を見たり感じたりしながら、子どもたちのこころは荒んでいく、と著者は危惧します。そのあり様を作っている大人たちも、こころは荒んでいて、それを気にも留めていないのかもしれない。

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2019年02月18日

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