【感想・ネタバレ】自由をいかに守るか ハイエクを読み直すのレビュー

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ネタバレ

「福祉国家」という甘い罠

mac
2022年09月30日

一部ご紹介します。
・国家が「ゆりかごから墓場まで」というと、そんなに面倒を見てくれるなら自由などいらない、という人が出てくるものだ。しかし、これは悪魔の声に他ならない。国家が本当に魅力的なことを言い出した時は警戒せねばならない。
・全体主義者は、目的は手段を正当化すると考え、目的さえよければ嘘...続きを読むでも何でもかまわないと考える。だから、彼らは平気で約束や条約を破る。独ソのポーランド分割然り、ソ連の対日参戦然り。
・「社会」と「国家」の区別がはっきりしているかどうかというところに「社会政策」と「社会主義政策」の違いがある。
社会がやるというのは、ボランティア、福祉団体などが担い手になる。
一方、国家は強制的に税金で取り上げてばらまく。
その違いは、社会が「お互い様」という関係でやるのに比べ、国家は徴税権という伝家の宝刀を持ってやるということだ。だから、社会と国家の区別がなくなるというのは、とても恐ろしいことなのである。
・地獄への道は善意で舗装されている。「悲劇排除されるべし」「かわいそうな人がいない社会を」などと正義を盾にしたとたん、国家が全てを握る全体主義に踏み込む危険性があるのだ。「自分たちの正義」に賛成しない人には福祉を与えないということになるからだ。
・教育組織を「人文学」から「現実科学」へ移行させることは、その国家に致命的な悪影響を与えてしまう。何かを発明することで、産業に貢献し、貿易が増えるといったように自然科学の方は確実に役に立つ。一方、人文学の方は一見役立たずに見えるかもしれないが、実はそうではないのだ。人文学の伝統が軽視されることは深刻な堕落を招いてしまう。人文学は人間形成に不可欠だからだ。
・全体主義者が唱える「歴史は科学的法則に従うものだ」という主張は誤りである。「科学的」とは、ある理論を出して、それを実験し、検証することが誰でも同じにできるということだ。だから「社会科学」というのは本来ならばおかしいのである。社会を対象にしてそんなことはできないのだから。それなのに、全体主義者たちは、意見が違うと、自分たちは科学的に正しく、相手が間違っているという論法で弾圧したのである。
・理屈で分からないものを潰していく共産主義国家は凄絶な環境破壊を引き起こした。東欧然り。ソ連然り。そしてチャイナ(中華人民共和国)然りである。

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Posted by ブクログ 2012年05月07日

ハイエクの『隷従への道』の邦訳があまりにも酷かったため、副読本として購入。『隷従への道』と併せて読んだ。

渡部昇一氏による、『隷従への道』の解説本である。ところどころに、渡部節が登場するので、それも楽しめる。

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Posted by ブクログ 2009年10月13日

ハイエクといえば、自由経済の象徴!みたいなところもあり。
ただ、この人のバックグラウンドからすると、自由や経済の健全な発展を何よりも願ってやまなかったんだろうと推測。
経済だけでなく、世界の形のありたい姿・あるべき姿を考える上で一読の価値有!

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Posted by ブクログ 2018年10月09日

ハイエクの原著を読んだ方が良いのではないか、というのが一つの印象。まあ、忙しい人はそもそもそれが難しいのかもしれないが。

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Posted by ブクログ 2010年04月24日

「隷従への道」ハイエク著 1944年(昭和19年)初版をテーマにした
 読書会(隔週開催 2時間半/1回 合計32週)をまとめた本

ソ連や中国の転換が起こるずっと前に全てを予言していたということに驚く。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

確かに私は自由が好きだし、平等よりも自由のほうが大切だと
考えているけど、共産主義や全体主義にもいいところはあるし、
自由主義は完璧な体制でないことも知っている。
(もちろん、人類が今までに試したどのシステムよりも優れている
とは思っているが。)
そのことを勘案すると、筆者はあまりにハイエクを盲目的...続きを読む
崇拝しているのではないか、全体主義を本当に理解しているのか
というところに疑問が残る。そして、どこまでがハイエクの言ったことで
どこからが自分の解釈なのかがいまいちはっきりしない。
ということで、なんだかなぁ〜・・という気がする。

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