【感想・ネタバレ】物語 現代経済学 多様な経済思想の世界へのレビュー

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Posted by ブクログ

ケインズ革命(1930年代)から新自由主義(20世紀末)までの経済学史本であり、
主流派から異端派に至るまで、多様な思想が栄えては廃れた歴史の流れを解説している
初学者が手に取る一冊としてはとても良い

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2023年10月07日

Posted by ブクログ

同じ著者の、「入門 経済学の歴史」を読み、わかりやすかったので、出版年が古い本書を読んでみた。他のレビューでは、物語とはいえ難解だったという声も多いが、確かに本書でいきなり経済学の基礎を学ぶとなると厳しいと思う。それなりの基礎知識を整理し、関連付けするためには良い物語形式の本だと思う。


個人的に、目次別にそれぞれ気になった言葉を書くと

・現代経済学の黎明(アメリカ経済学、数量経済学)
・マーシャル経済学の魅力と限界(マーシャルやシュンペーター)
・ケインズ革命(乗数理論を中心に)
・サムエルソンの時代(古典派総合としての立場と限界)
・異端派ガルブレイスの挑戦(制度の中での問題解決をするのではなく、問題提起をする人としての立場)
・リベラリズムの後退(ハイエクの復活から、レーガノミックスの流れ)
・ノーベル経済学賞の憂鬱(自然科学とは異なる、経済学の特殊性)

著者の本書の活用の願いは、はじめに と エピローグに書いてあるが、経済学が制度化されていることの弊害として、現在の経済学が相対化されていないことの危機感から本書を書いている。

どの分野でもそうだが、専門バカになると周りが見えなくなるので、教養が必要なように歴史に学び、自分の分野を相対化したうえで、未来に生かしていくことは大切であると思った良書だった。

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2014年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
アメリカ型の経済学教育の導入により、経済学の一元化が進み、自由な思考にとって最も貴重な多様性が失われている。
本書は、主流派が真剣に読まなくなった、マーシャル、ケインズ、サムエルソン、ガルブレイスらの経済学を再検討し、今日的視点から彼らの問題意識や問いかけのもつ意味を考察するものである
異端派を排除してきた「ノーベル経済学賞」の問題点をも指摘しつつ、相対化を忘却した現代の経済学に警鐘を鳴らす。

[ 目次 ]
第1章 現代経済学の黎明
第2章 マーシャル経済学の魅力と限界
第3章 ケインズ革命
第4章 サムエルソンの時代
第5章 異端派ガルブレイスの挑戦
第6章 リベラリズムの後退
第7章 ノーベル経済学賞の憂鬱

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月06日

Posted by ブクログ

 いわゆる”異端派”から見た現代経済学の多様性。本書は、今日の「主流派経済学」とは一線を画した、いわゆる”異端派”経済学者たちの思想を改めて振り返ることで、現代経済学の意義と限界を考察した一冊である。
 本書で取り上げられている”異端派”経済学者の思想を見ると、その根底にあるのは、現代経済学が「科学」であろうとするが故に見逃してきた「非経済的価値」や「人間の非合理性」に対する注目である。例えば「第5章◎異端派ガルブレイスの挑戦」では、現代経済学の「通念」でもある「消費者主権」や「市場に従属する企業」といった概念への根本的な批判が紹介されている。このように、自らのキャリアを賭けて経済学の新知見を切り開こうとする、経済学者の「生き様」が描かれているのも本書の魅力と言える。
 一方で、”異端”を知る上での前提となる「主流派経済学」に関する解説はほとんどないため、経済学に不慣れな者にとっては難しく感じる記述も少なくない。やはり、本書の内容を理解するには、経済学の基礎知識をあらかじめ勉強しておくことが必要だろう。

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2019年07月24日

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