あらすじ
庭に咲く艶々とした椿の花とは対照に、暗い座敷に座る小山内君は痩せ細り、土気色の顔をしている。僕は小山内君に頼まれて留守居をすることになった。襖を隔てた隣室に横たわっている、妹の佐弥子さんの死体とともに。しかしいま、僕の目の前に立つ佐弥子さんは、儚いほどに白く、昔と同じ声で語りかけてくる。彼女は本当に死んでいるのだろうか。「庭のある家」をはじめ、計8篇を収録。生と死のあわいをゆく、ほの瞑(ぐら)い旅路。
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Posted by ブクログ
ふつうに、怖いはなしと思って読んでいたのに、
「記憶」は「今」の幽霊
「お話」になったら、それは「ほんとうのこと」の幽霊
もしかしたら想いは見えるのかもしれない、
気持ちなんて通じないけど、通じてほしいと願う、
人の想いは現世を変えることはできないけど、
ちゃんと届けば、彼方側は変えることができるんじゃないか。
なんで最後にこんなのいきなりぶっこんでくるんですか…
泣くところだった…
解説で、あがたさんが、ふたりの故郷、小樽が舞台なのでは?と書いている。
「過ぎた時は死んだ今」を彷彿させる町だ、と。
そういえば、
「庭のある家」とか「冬」とかは小樽の祖父母の家を想いながら読んだ。まあ、それは街のはなしじゃないけど…
再読するときは、小樽のまちを想像しながら読もう。
Posted by ブクログ
すっきりしない。この本の要の部分なのだろうが、薄霧の中でもがいているような、後読感ですっきりしない。私より、頭のよい人用の本かもしれない。