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Posted by ブクログ
公務員の両親がお見合いの晩婚の末に産まれた藤代さん。小さい頃から真面目に生きなさいと言われて育った藤代さんは、その両親の言う通り真面目に学校生活を送っていた。
無遅刻、無欠席。先生のお手伝いは率先して行い、休み時間も予習しようとする。だけどその頑張りはあまり報われない。
勉強をしても平均以下の点数。誰もが真面目に取り組まないポスター描きだって何回も書き直して試行錯誤しても見向きもされない。
それでも藤代さんは人は人。自分は自分。真面目であるのはお父さんから言われたからだけど、自分も納得して全てやっている。両親の期待に応えたいし、何より、それが自分だって落ち着くから。
でも、それでも、たまになぜだか悲しくなる。
そうやって静かに泣く藤代さんにすごく共感出来た。
そんな藤代さんが気になるという久世くんは、
「いつもあんなに頑張ってるのになんで?」
と最初は言いつつ、きっと、誰よりもそんな藤代さんの頑張りが報われて欲しいって思ってる子なんだと思います。
個人的に、3話目に登場するかよこちゃんのお話が好き。
藤代かよ、古瀬かよこ。藤代さんは「藤代さん」で、古瀬さんは「かよ」と呼ばれる。古瀬さんは元気で明るくて友達も多くてきっと藤代さんとは正反対にいる人。名前が似てるからなんだっていうんだ。比べることじゃない。そう頭ではわかってるのに、昔から自分の周りにいる「かよさん」は皆良い人たちばかりで、だからそんな皆と比べた時それが良いことだと思えない自分が嫌になるのだと。
名前が似てるという話題は女の子の中では結構重要で、わかっているのに、比べるものじゃないのに、ふとした時に"もう一人の○○が良かったんじゃないか"と考えてしまう時があるのです。その辺のうまく言えない感情がとても上手に描かれていて正直涙ボロボロでした。
藤代さん前の作品も同時収録されていて、この頃からこのような心情描かれるのが上手い方なのだなという印象を受けました。「えりさんの脚が好きです」の理由にはちょっとときめいちゃいました(笑)
Posted by ブクログ
真面目で頑張り屋の女の子、藤代さん。
何にでも一生懸命なのに、なぜか報われない。空回ってる感じもあり。
でも本人、『それでいいもん』と諦めている節もあり・・
そんな女の子が主人公のお話。
まず・・地味な女の子のお話、好きだ・・!
そしてそんな彼女につっかかってくる久世君。
頑張っているのにそれがクラスメートの評価に繋がらなくて、地味に悲しくて、涙する藤代さん。
彼女の涙にきゅーんとさせられる。
藤代さんと下の名前が一緒の女の子が、明るくて人懐っこくて。
だからこそ彼女を妬ましいと思ってしまう、そんな自分が嫌だと泣いてしまう藤代さん。
そんな彼女に『かわいい考え方するね』とつぶやく久世君。
この二人のふっつきそうでふっつかない、微妙な距離感がこれからも楽しみ。(どうやら続編がありそうなので)
Posted by ブクログ
これは愛じゃないので、よろしくって作品が面白かったので読んでみた。ほんわかした雰囲気で可愛いんだけど私の好みではなかった。藤代さんみたいな一生懸命頑張ってるのにイマイチ報われない系の子っているよなぁとは思った。そんな藤代さんに注目してちょいちょい絡んでくる久世くん。なんでもさらっとそつなくこなす系?イケメンではないんだよね。死んだ魚の目。美女やイケメンが出てくるわけでもないところは面白かった。同じ名前のかよちゃんの話はわりと面白かった。最後ふわっとした終わり方だったから続編求められるのはわかる気がする。後半は読みきりが3つ。かわいいけど性格悪い子の話と、彼氏の妹といつも3人でいる話と、超能力でスカートめくりの話。