【感想・ネタバレ】中東和平構想の現実のレビュー

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Posted by ブクログ

[その長き、深き苦悩]数々のイニシアティブや交渉が重ねられながらも、未だに解決に至っていないパレスチナ・イスラエル間のいわゆる中東和平問題。故アラファト議長を記者として間近で観察した著者が、その問題の根を探るとともに、今現在、何がパレスチナの地で起きているのかをつぶさに追った作品です。著者は、時事通信社ベイルート支局などで勤務された経験を持つ森戸幸次。


特にパレスチナ側からの視点で近年の情勢がコンパクトにまとめられており、非常に勉強になる一冊です。イスラエル・パレスチナ間の問題だけではなく、パレスチナ側の内部事情まで踏み込みながら、動向の移り変わりをまとめている点が特に有意義に感じられました。著者としてもこの問題について言及したいことはあると思うのですが、客観的な事実と主張の間に明確な一線を引いて筆が運ばれている点にも好感が持てます。


知れば知るほど解決が難しくなってしまう気がするというのが中東和平問題の特徴だと思うのですが、本書で紹介される内容を見るにつけ、改めてその印象を残念ながら強く持ってしまいました。なお、執筆時点から若干の情勢の変化がありますので、その点を考慮しながら読み進めていくのが良いのではないかと思います。

〜アラファトがどうしても一線を越えることができなかったのは、彼自身の指導者としての資質や思惑などに帰すべきものではなく、これらをはるかに越えた中東紛争の歴史的、宗教的、文化的な核心に触れる、「パレスチナのタブー」に呪縛されたためではないのだろうか。〜

中東全般についての情報もあわせてまとめられていて☆5つ

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2016年02月26日

Posted by ブクログ

10年以上前なので最近の動向はもちろんフォローされていませんが、今のガザの戦争の背景を知る上で参考になりました。

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2023年12月01日

Posted by ブクログ

結構前に読んだ本。読書メモがでてきたので思い出しながら&読み返しながら書いてみる。
この本で一番印象に残っているのはイサム・サルタウィの箇所である。
共存思想を生み出した人物が、いかに周りを巻き込もうとし、つぶれていったかが描かれている。
共存思想のようなものをもって、対立集団と近づこうとする人や、政治改革に大きく舵を取るってどこの国にでも結構いるけど、なかなか日の目を見ないね。

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2014年01月07日

Posted by ブクログ

長年中東に関わってきた著者が中東の和平構想だとかプロセスの変遷について述べる。
アラファトやサルタウィといった活動家、冷戦後の中東紛争、ハマスやファタハやヒズボラなんかのパレスチナの政治力学、パレスチナ自治の現実、アラブ民主革命についてなどなど。
ちょうど執筆された時期がおれがアラブ諸国を巡ったタイミングとかで、当時読んだら多分相当面白かったと思う。今となってはわずか二年間でいろいろ変化があったので現在形で書いてる情報は古くなってしまっているが、だいぶ面白かった。

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2013年12月06日

Posted by ブクログ

よくまとまっている。

巻末付録に、オバマ大統領カイロ演説(2009,アズハル大?)があったが、(国内を意識したと思われるアメリカNo.1発言以外)、これこそ、平和を導く姿勢だと感動した。

演説原稿作成者がオバマなのかブレーンなのかわからないが、これが少しでも、アメリカの指針となることを望む。
ずアメリカから、この演説を国民にいきわたらせて欲しい。ユダヤ系もパレスティナおよびアラブ系も、その他難民を沢山抱え、そして、多くの分野で主要国である事実に変わりないのだから。

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2012年01月19日

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