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Posted by ブクログ
"今では当たり前のように認知されている商品が、どのように作られ、どのようなブレークスルーを経て現在に至るのかが判りやすく纏められている一冊。
当時は”マーケティング”という言葉は確立されていなかったにしろ、現状のフレームに当てはめると成程結果が出る訳だ、と合致する事が多い。
全部で6つのエピソードが収録されているが、一つ一つは長くないので読みやすい。
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【木村屋の桜あんぱん】
⇒文化創造のマーケティング戦略
◆桜あんぱんの商品コンセプト
1.日本独自のイメージにしたいと言う”オリジナリティー”を
商品作りのトッププライオリティー(最優先課題)においた事
2.あんぱんに桜=日本の季節感・日本文化の香りを漂わせたこと
⇒明治天皇献上によって市場創造のブレークスルーを得た
◆高級イメージ戦略(プレスティジア戦略)と大衆イメージ戦略(プロモーショナル戦略)
=木村屋は前者を取っており、販売チャネルは三越や伊勢丹などの高級百貨店のみ
また、店舗ロケーションも銀座の一等地
プレスティジア戦略で”一流店”というイメージを持たせた
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【金鳥の蚊取り線香】
◆「使いやすさ」と「覚えやすさ」が驚異のリピート力を発揮
当初は棒状で、40分程度しか持たない・折れやすい・煙が少ないなど、課題が多かった
⇒妻の「渦巻き型にしたら?」「金網の上で乾かせたら?」の一言でブレークスルー
形状と乾燥方法が確立され、1902年の発売以来ずっと渦巻き状
⇒この形状が”金鳥の蚊取り線香”のオンリーワン
※1955年ごろ機械生産で他社が追随した為、唯一の”左巻き”にした
◆金鳥の宣伝戦略
大正~昭和:美術品のような石版印刷のカラーポスター
昭和中期 :美空ひばり「金鳥の夏、日本の夏」
一流の商品には一流の広告・キャラクターを、というナンバーワン戦略に基づいた宣伝マーケティング
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【キューピーのマヨネーズ】
◆「最高品質のマヨネーズをつくる」という創業者の理念
原料に徹底的にこだわる製品開発戦略を行なった(卵の鮮度、独自の酢…etc)
”マヨネーズ”を誰も知らない時代
試食販売による「販売促進戦略」:カニやホタテなどの高級食材を合わせた
新聞広告による「広告宣伝戦略」:一回の大枠でなく、小さな枠に定期的に出稿し続けた
◆「Food, for ages 0-100」
食分野開拓のマーケティング戦略
赤ちゃんからお年寄りまで、それぞれの世代に「おいしさ」「健康」「安心」を、という多角的な戦略
1.マヨネーズ・ドレッシング事業
2.フルーツ加工・調理食品事業(マーマレードを起点とした)
3.タマゴ事業(マヨネーズを作るうえで残る卵白の再活用=製菓材料から化粧品・医薬品まで)
4.ヘルスケア事業(業務用の医療食、など)
5.野菜とサラダ事業
6.物流システム事業(品質保持の為には自分たちの手で運ぶべき、という精神のもと)
【田崎真珠】
◆「夢を追い、夢を実現していくマーケティング戦略」を実現してきた
創業時から”日本一の商店街、銀座に一流店を出店したい”という夢・ビジョンを描いていた
ストアマーケティングの理想の姿を示している
・ジュエリーミュージアムで基礎知識を付け、そのまま下層フロアの店舗スペースに降りていく一連の流れ
=要職から販売までの一貫メーカーという基本経営方針を貫いてきたから
◆インレンジ・アウトレンジ戦略(マーケット・カバレッジ戦略)
創業後はインレンジ戦略で、射程圏内のカバー率を高めた
その後、東京進出(アウトレンジ)をブレークスルーとし、全国展開へ
(まず身近な所でポジションを確立した後に、東京のしかも銀座四丁目に出店、という話題性)
【カゴメが推進する”ブランド価値経営”】
「自然を、おいしく、楽しく」というブランドステートメント
=価値や提供するものを”約束”し、立派に果たしていく=「ブランド価値の約束」
スカイ戦略・カゴメ101運動など定期的に戦略方針や創業精神、あり方を表明して、
本来持っているブランドイメージを再び問い直している=ユーザーの再認識も
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