あらすじ
プロはどこを見ているのか? 嘘をどう崩すのか? 元東京地検特捜部検事がそのテクニックを徹底解説。「相手の目を見ず質問する」「嘘を言わずにカマをかける」「イエス・ノーで答えさせない」などその手法は通説を覆すものばかり。嘘がバレるフレーズ、暴けない嘘の条件、誘導尋問のからくりなど、悪用厳禁の経験則も惜しみなく披露。伝説の詐欺師から大物政治家までを取り調べた、検事生活26年の集大成がここに!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
元検察官による「嘘」につていの本。
一般人にとって嘘を見抜くことが難しい理由が専門家視点のコメントで目から鱗だった。
一般人にとって「嘘だったかどうかの答え合わせができない」「嘘つきだと分かる相手にそれほど出会う機会がない」に納得。
防御の嘘は「本能の嘘」。
防御の嘘は「心のまばたき」。
飛んできたものを避けるための本能的な防御。
<アンダーライン>
★★★★★
①自分を守ろうとする「防御の嘘」
②自分を大きく見せようとする「背伸びの嘘」
③他人を陥れるための「欺瞞の嘘」
④他人を守るための「擁護の嘘」
★★★立小便にも理由がある
★★★★殺人事件の被疑者には「彼をなぜ殺したのか」と聞くより、「彼がいなくなると、あなたの状況はどう変わるのか」と聞いてみる。
★★★★★
事実の積み重ねで嘘は浮き彫りになる。
大事なのは、自分の行動の理由や言い訳を話させるのではなく、あくまで事実を確認するということです。その場その時の状況を一つ一つ確認していくのです。これによって、「数十円しか持っていなかったが、注文をし、それを食べた。その店は、出る時に代金を支払う仕組みであると分かっていた」という事実が浮き彫りになりました。
本人はいくら「騙すつもりはなかった」と言ったとしても、事実のみを積み重ねていけば、それだけで「騙した」という判定が可能になっていくのです。
★★★★ストレートに核心を尋ねるのではなく、心理的負担の少なそうな質問を数多く尋ねてみるほうが、事実関係を正確に把握することができます。
★★★★★
いくら説明がうまくても、常識的におかしい、社会通念とずれている、辻褄が合わない、非合理だという話には、嘘が介在している可能性が高いのです。
★★★★自白は「心の天秤」が傾くこと
Posted by ブクログ
いろいろ参考になることが多かった。
〇嘘がうまい人に多いのが話のすり替え
核心的な質問をされたとき、直接答えずにはぐらかしたり、過度に一般化した話し方をしたり、逆に同じ質問を投げ返したりする。
〇プロの嘘つきは視線をそらさない。
誠実さを表すサインだと世間で認知されているからこそ
それを逆手にとり、意識的にやっている。
〇証明できる部分は真実を述べ、証明できない部分に虚偽をまぜれば煙にまくことができる。
等など・・
Posted by ブクログ
実務上、本当に確信となる見抜き方は伏せられているのかもしれないが、それにしてもすごい。検事の取り調べについて、ここまで書いていいのかと。
個人的には、橋下徹センセイの逃げ口上の分析に恐れ入った。
Posted by ブクログ
二十六年間、検事を務めてきた著者が、多くの被疑者やその関係者を取り調べてきた経験から得た嘘の見抜き方を説明した本。経験則であるため、どの程度、本当にそのように嘘を判断してもよいのか、疑問な部分もあるものの、実体験に基づいた判断のものさしは、とても実践に繋がり、参考になりつつ、面白かった。
この本では、まず最初に、人間の嘘をつく理由から、嘘を四つに分類している。「防御の嘘」「背伸びの嘘」「欺瞞の嘘」「擁護の嘘」。そして、嘘を解体していくためには、「①嘘に勘づく→②嘘を確かめる→③嘘を断定する」というステップを踏んでいく必要があり、それぞれのステップに必要な心得や相手を見る視点が紹介されていく。
面白かったのは、それぞれの「嘘つき」が、本当のことを話を話しだす弱点は違う、という話だった。
言われてみれば、当たり前のことだが、嘘をついている理由が違えば、自白に転じる理由も違う。「あくまで事実を積み上げていく」「相手の答えを固定化していく」「『筋が悪い』ところに嘘がある」など、どんな嘘つきが相手であっても守るべきポイントはあるものの、一人ひとりが持っている、嘘の背景を理解する必要がある、という姿勢は、本を通して一貫していように感じた。
人の記憶の曖昧さや、人は気づかぬうちに嘘をつくものだということ、そして、同じ立場に立ってみると、自分や身近な人を守るためについつい言ってしまう嘘があることに繰り返し触れられている。第7章では、嘘そのものが悪とするよりも、その背後にある心理や人間関係の全体像を捉えることが、自ら真実を語らせることにつながるということを「心の天秤」という喩えで説明している。こうした心構えは、人を理解するうえでとても大切なように思う。
嘘を一度たりともついたことはない、つかれたこともない、という人はいないだろう。そうした嘘の向き合い方を考えたい人に読んでほしい本だった。
Posted by ブクログ
「嘘」について深く取り上げられている。
様々な種類の嘘がどのような状況で出てくるのかが非常にわかりやすく
まとめられている
非常に読みやすい一冊
Posted by ブクログ
26年間、検事として嘘と向かい合ってきた中で、経験的に学んだ嘘の見分け方について書かれている。
ハウツー本のような明確さはないが、「話の濃淡がはっきりしすぎているのは嘘」など、経験に裏打ちされた話が多く、興味深く読める。
Posted by ブクログ
元検事が書く、嘘の見抜き方。
意外だったのは、裁判の証人が偽証すれば罪になるが被告はいくら嘘をついても罪にならないこと。被告、という位置に立たされれば自ずと嘘ぐらいつくだろう、という前提だという。
嘘の分類とそれぞれの対処法付き。
嘘をつく時、人は左上を見る、などボディーラングエージから判断できるものはあるがプロの詐欺師は全くそれらを感じさせずにまっすぐ目を見ながら嘘をつく、という。
Posted by ブクログ
著者は検事として、多くの被疑者と向き合ってきた。意識的に、また無意識的に被疑者たちは大抵嘘をつき、無実の被疑者すらも、動揺や混乱から嘘をつくことがあるそうだ。嘘にもよい嘘、悪い嘘があり、方便などはむしろ使った方が人間関係が円滑にいく。嘘の種類や人の性格、立場により、見抜く方法も変わってくるという。自衛のためにも、相手がつい真実を話したくなるような人徳を身に付けたいものだ。
Posted by ブクログ
若狭勝の嘘の見抜き方を読みました。
検事として長く容疑者の嘘と対応してきた著者の嘘についての解説書でした。
人が嘘をつく理由の分類や、嘘をつく人の見分け方の解説は面白いと思いました。
ボードゲームの会などでは嘘をつくゲームも遊ばれますが、私は嘘をつくのが下手で真っ先に見破られてしまうので、この本をもう少しじっくり読んで参考にしようかな、と思ったのでした。
Posted by ブクログ
経験を積んだ元検察官が、取り調べ・捜査の心得・留意点を訓示しているような内容。語られていることは、どれも至極もっともなことで、さほど目新しいことはない。問題はそれを実際の事例にどう生かすかだが、それにはやはり専門的な訓練と経験が必要だと思う。つまり、この本を読んだからといって、嘘が見抜けるようになるわけではない。
ちなみに、「第3章嘘つきはこのセリフを使う」の中の橋下大阪市長の話と、「第9章社会は嘘をどう扱うか」の中の、被疑者自身には偽証罪が適用されない、被疑者家族には犯人隠匿罪が適用されない、国の重大な利益を害する場合国側は証拠物の押収や証言を拒絶できる(刑訴法103条)、等の話は興味深かった。