【感想・ネタバレ】黒い自画像のレビュー

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

短編集。全15話。

エスプリに富んだ話あり。人生の機微に触れる話あり。様々な趣向の話があるんだけど、どれもウィットに富んでて、私の好きな阿刀田節が炸裂でした。

リアルなんだけど、シュールでもある。フィクションなんだけど、実際にありそうな感じ。そういうのをすごくうまく描くんだよね、阿刀田さんって。...続きを読む

特に好きだったのは、『香水』、『彫像』、『目撃者』、『蟹』かな。

『香水』は、淡い恋の期待が、思わぬ形で敗れてしまうんだけど、それがちょっと笑ってしまうオチ。単純なハッピーエンドじゃなくて、シニカルに落とすところが阿刀田さんらしい。

『彫像』は、卑近な話で、リアル。これも思わず苦笑してしまう。

『目撃者』は、いまいちぱっとしない同僚が、自分はもてると吹聴している。他の人はそれを信じない。信じさせようとした同僚は、主人公を証人にするため、ガールフレンドたちをさりげなく紹介する。

オチがなんとも皮肉でいい。確かにモテている同僚。しかし、その相手はみんなイマイチ。そして主人公は最後にこう思う。「あんな女たちにならモテなくてもいいかなぁ」と。

前にもこういった主旨の記述を読んだ気がするから、阿刀田さん自身のモテ観なのかも。これって、僻みにも聞こえるけど、本音のようにも感じる。なんともおもしろいオチ。

『蟹』は、ちょっぴり怖いお話。はっきりと言わずに余韻を残すところが、なお恐怖心をあおる。

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Posted by ブクログ 2012年05月10日

新規購入ではなく、積読状態だったもの。
2012/5/9~5/10
阿刀田氏の短編集。奇妙な味と評された初期の短編集を髣髴させる作品が15編並ぶ。とても懐かしい感じ。個人的には、「青い靴」、「赤道奇談」、「蟹」が好み。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

初阿刀田高。あくまで個人的な意見としては、小説(『黒い自画像』はショートショート寄りの短編集)はちょっと物足りなく感じた。全く贅肉が付いていないと感じさせる様な文章とストーリー。味付けも淡白でした。エッセイやら解説シリーズやらが面白そうなので次回はそっちにしよう。

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