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Posted by ブクログ
"日本人の吃音者のために書かれた最良の本"
【選書理由】
作家 重松清さん 絶賛!という帯に惹かれて。
【感想】
私が吃音に関する本を挙げるとするなら、
フレデリック.P.マレーの「吃音の克服」と、重松清の「きよしこ」である。
前者は言語聴覚士の書いた、後者は作家が実体験を元に書いた、
数少ない吃音に関する本である。
しかし、どちらも"分かち合える"本ではなかった。
「吃音の克服」はまず国が違うし、ちょっと小難しい。
「きよしこ」のような小説はストーリーを重視するため、
どうしても吃音者の内面・描写に物足りなさがあった。
でも、この本は吃音者の気持ち・思いをまっすぐに書いてある。
誰もが経験したことのある感情を書いている。
故に、"分かち合える"。分かち合うことで、少しだけ、楽になる。
吃音者の方、吃音者の内面を知りたい方、オススメです。
Posted by ブクログ
私も吃音症なので、過去の記憶が何度もフラッシュバックした。
オペラント学習とは?
子どもが汚い言葉を言う→親が反応する
A→Bの動作でさらに行動Aが強化されてしまうこと。
対策として、Bをしないことつまり反応しない。
前半とあとがきは再読する。
Posted by ブクログ
吃音に悩んでいた筆者が医者になった経験と、吃音に対する真摯な想い、同じ仲間の悩みに対する想いがしっかりと書かれている。
吃音という症状に対して、吃音を持っている人たちがどのように向き合い苦労しているか、吃音がない身としてはあまり気にしたことがなかったが、この本を読むとその一端がうかがえる。
社会が、コミュニケーション力をより求めるようになっている現代社会において、言葉が出にくいという状況は不利な状況だ。私も少しまえにNHKのドキュメンタリーで吃音の方の就職活動を観て、本人たちにとって深い問題であることを初めて知った。
そんななか筆者は、「どもってもいいんだよ」というシンプルなメッセージが吃音者を救う、自分を否定しないこと、肯定すること、自分が話せないことを明確に表現することが重要であること、話す内容が大事であること、悩みを分け合って苦しみを分担んすることが大事だという。
よくこのような本は、筆者のことが超人や偉人のように感じてしまうものだが、そのような印象は感じない。
等身大の人間が、我々と同じ目線で、語る。だからこそ心に響く。
この本にはそのような力があると思う。
Posted by ブクログ
筆者の吃音にまつわる自伝と、吃音である人やその周囲の人に向けてのメッセージが書かれた本。
私も吃音なので、この本に書いてあることはとても当てはまり、共感できます。吃音について詳細に記載されており、知識を深めることができました。
吃音である人へのメッセージが、とても的を得ています。自分が心がける点をまさに突つかれた感じです。
悩みが解決するかしないかは読む人それぞれだと思いますが、吃音に対する視野が広がる良い本だと思います。もっと若い時に読んでおきたかった!
Posted by ブクログ
吃音のあるお医者さんが書いた吃音の本。
吃音を治したい一心で医学部を受験し、医者になり、
その後臨床から研究に身を移し、今も吃音治療の研究をしている
著者の、苦悩とその克服。吃音の悩みを抱える人々へのメッセージで
つづられた著書です。
「どもる」人がどれほどそのことゆえに悩むのか、
読んでいて気の毒になるほど、辛い思いをしていることが分かります。
「どもり」を隠す為に大変な努力をしたり、「どもり」ゆえに
強い疎外感を感じたり、周囲が知らないところで大変な苦労をしていることが分かります。
また、自助グループとして「言友会」があり、吃音で悩む人たちの
大きな心の支えとなっていることも知りました。
また、「言語聴覚士」という国家資格者が吃音の治療を行うこと。
診断は、耳鼻咽喉科の医者が行うことなどを知りました。
今振り返って思うと、彼、彼女は吃音だったのか・・・と理解できる
こともあります。
障がい者という範疇には入れられていなくても、職業的にも
不利になっていることもあると思います。
吃音者には、無理に訂正を強制すべきでないとか、からかったり
非難したりせず、どもりも許容していく周囲の理解の大切さも知りました。
どもることを気にするよりも、言うべきことをしっかりと伝える、
その中身が大事だというコミュニケーションの基本を大切にしていくべき
という著者の言葉には、頷かされるものがあります。