感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2014年09月21日
『永遠のゼロ』『大空のサムライ』、そしてこの『祖父たちの零戦』とミリオタに順番まで決められて読んでみた。
『永遠のゼロ』で悲哀を、『大空のサムライ』でカッコ良さを、そして『祖父たちの零戦』でその真実を学べました。
日本人なら知らなければならない、そんなことを感じさせる本。
Posted by ブクログ 2014年09月01日
しばらく第2次対戦系を読み続けているが、本書も史実に忠実に沿った戦闘機乗り立ちの記録。来年で戦後70年になり、多くの人が鬼籍に入り、生き証人が潰える寸前。
祖母の弟が飛行機乗りで、戦死しているとの話を幼少の頃きき覚えていたが、その仲間と思われる人の手記や体験談を読み、くるものがあった。例えば、自...続きを読む分の子供などにこの戦争の話をすることがあるのだろうか?などと思いながら読んだ。
Posted by ブクログ 2013年12月13日
長らくハードカバー版を積読状態にしていましたが、
先日文庫版が出たのを機に、ようやく手に取ってみました。
解説に『永遠の0』の百田さんと、なんとも豪華な感じです。
ちなみに百田さん、神立さんの別の著書である『零戦 最後の証言』、
こちらを一番の参考にして『永遠の0』を書いたとのこと。
そう仰っ...続きを読むているだけに、非常に読み応えがありました。
『永遠の0』に感じるものがあった方であれば、オススメです。
主人公は、進藤三郎さんと鈴木實さんのお二人。
この二人の零戦パイロットの戦前、戦中、戦後の物語を軸にして、
大東亜戦争に対する普通の日本人の感性が綴られていきます。
ノンフィクションではありますが、目の前の出来事のように映像が浮かぶ、
そんな生き生きとした筆致に、背筋が伸びる思いで拝読しました。
“天皇陛下はこのこと(特攻)を聞かれたならば、
戦争をやめろ、と必ず仰せられるであろう”
冷徹な現実と向かい合っている現場の指揮官、
そして、それに応えていく先人の方々。
“日本民族がまさに滅びんとするときに、
身をもってこれを防いだ若者たちがいたという事実と、
これをお聞きになって陛下自らのお心で
戦を止めさせられたという歴史の残る限り、
五百年後、千年後の世に、必ずや日本民族は再興するだろう”
こんな想いが込められた“戦後”を受け渡されている“私たち”は、
先人たちに応えるだけのことをできているのだろうか。
はてしない自問が、螺旋のように、、ただ繰り返しています。
私も“祖父”の足跡を追いかけてみようと、思いました。
Posted by ブクログ 2017年08月15日
かつて零戦の搭乗員になれることは栄誉であり誇りであった。エリートの証でもあった。
この本にはエースパイロットの活躍を通して、零戦の栄光の歴史が綴られている。
ある意味、彼らの戦い方は刀での一騎討ちに近い。戦闘機同士のドッグファイトは戦闘機の性能と、それを使いこなせるだけの高い操縦技術が必要...続きを読むとなる。そしてそれに優れている方が勝つ。
そこだけみればF1レースと変わらない。お国のためなどそっちのけで、腕っぷしの強さを試す喧嘩のようなところがある。武術と言い換えてもいい。撃ち落とすのは戦闘機であって搭乗員ではない。パラシュートで脱出した搭乗員は攻撃しないとの暗黙のルールもある。
ラバウル航空隊のエースパイロット3人が敵飛行場上空で3機編隊のアクロバット飛行を披露し、その卓越した技量にアメリカ軍パイロットからも賞讃が送られたことは有名な話。
地上戦で銃を構えて生身の体に向けて引き金を引かなければいけない兵士とは、どこか感覚が違う。しかもすでに戦局を左右する激しい攻防戦が展開されていた中での逸話だから、パイロットの職業意識というか、プロ意識は敵味方に関わりはなく働くようだ。
戦後、日米双方での交流が続くのも搭乗員たちの特色だ。
例えば戦艦乗組員などは、同じ海域で矛を交えた想い出を互いに懐かしむようなところがあっても、敵味方の垣根は越えていないようなところがある。
でも戦闘機の搭乗員たちは、あの空戦で俺の機を落としたのはお前だったのか、と落とされた本人が落としたかつての敵を尊敬の眼差しで見るようなところがある。敵味方という垣根がなく、戦闘機乗りという職業意識が働く。これは特殊だと思う。
また、零戦搭乗員のプライドの高さを伺わせる話もある。
著書『大空のサムライ』が米国で大人気となり有名になった坂井一郎氏だが、坂井より俺のほうが強かったとか、誰々のほうが強かったとか、の話になり戦友会ではしばしば喧嘩になったという。もともとエースパイロットという撃墜数を競う考え方は日本にはなかったらしく、それを戦後、誰々は何機落とした、いや奴の方がもっと落とした、とか曖昧な記憶と記録しかなかったのに、誰が一番かを議論しはじめたから話がややこしくなった。
また、元搭乗員たちが米国に招待されても、もてはやされるのは坂井ばかりで、おもしろく思わない人たちもいた。
どっちが強かったで戦後に喧嘩になるなんて、どう考えても零戦搭乗員たち以外はしないと思う。
(近代戦で個人の力でどうにかなるような戦いを、他の戦場ではするはずないから)当人たちは真剣だろうが、傍目には滑稽なところがある。
一部分を取りだしただけで、こんな長くなってしまったが、もちろんこの本は零戦とその搭乗員の栄光だけを書いたものではない。
戦中の零戦の活躍とその悲劇も綿密な取材をもとに再現している。そして他の本ではあまり取り上げられない搭乗員たち戦後の話がとくに充実している。
ちょっと前に『永遠の0』の映画を観た井筒監督が「特攻を美化している」と発言し、物議を醸したが、自分も映画を観たので何となくだが同意する。主人公がプロトタイプ化されている気がした。
この本には様々な方が登場する。元搭乗員124名に取材し、2000時間を超えるインタビューをもとに書き上げた力作だ。去年NHKスペシャル「零戦〜搭乗員たちが見つめた太平洋戦争」で放映された内容も、この本がネタ元になっている。
彼らにも多様な人生があったことを知って欲しいと思う。
Posted by ブクログ 2013年06月04日
これはスゴイ。一級資料だ。
神立さん渾身の力作とお見受けしました。
進藤三郎・鈴木實、両氏の証言を軸に、神立氏が零戦搭乗員に地道にインタビューを重ね蓄積した証言を加えて構成されています。
零戦デビュー前後から真珠湾攻撃、南方戦線、本堂防空戦、そして終戦から戦後までの内容となっています。
さらに、こ...続きを読むれまで神立さんの本に登場していない(たぶん)「大空のサムライ」坂井三郎氏のインタビューや記事もあります。
この本にも登場する元パイロットのみなさん、現在ではほとんどの方が亡くなられているとのこと。今となっては貴重な証言の数々です。
Posted by ブクログ 2017年03月02日
物語は、中国大陸上空で零戦の初空戦を指揮下進藤三郎少佐。
オーストラリア上空でイギリスの誇る戦闘機「スピットファイア」を相手に一方的勝利を収めつづけた鈴木實中佐のふたりを軸に書かれている。
実際に零戦に搭乗した者、特攻として出撃したもののさまざまな事情で戻ってきた者。
生き残った人たちが語る戦争は、...続きを読むやはり生々しい。
いまさら思い出したくないという人も多かったようだ。
ただひたすらにインタビューに答えてくれる人たちに真摯に向き合った結果が、この1冊には詰まっている。
第7章では坂井三郎を取り上げている。
彼には自著した「大空のサムライ」という作品がある。
何故ここで坂井三郎を神立さんが取り上げているのか。
※「大空のサムライ」は当初は高城肇との共同執筆だった。
戦時中、海軍では「零戦」よりも国民に広く親しまれた「隼」という戦闘機があった。
では、戦後これほどまでに「零戦」人気が高まったのか。
坂井三郎が大きくその理由にかかわっているからだ。
戦後まもなく刊行された「坂井三郎空戦記録」は予想外の反響を呼ぶ。
しかし出版社は突如倒産してしまい、坂井へわたるはずの印税の一部も不渡りとなる。
「坂井三郎空戦記録」は、AP通信社の記者だった日系二世によって翻訳され、アメリカの出版関係者の手にわたる。
1957年「SAMURAI!」のタイトルでアメリカにて出版され、大きな話題を呼んだ。
世界十数ヶ国語に翻訳され、世界中で売れたという。
ブームの中で「ゼロ戦」はどんどん搭乗員だった者たちの思いとはかけ離れたイメージだけが定着していく。
他の搭乗員たちとの軋轢もあり、ある時期を境に坂井との交流は途絶えてしまったようだ。
戦争はけっして良いことではないし、許されるものではないと思う。
けれど、実際にその時代中で懸命に生きていた人たちの姿がここにあった。
筆者である神立さんが、妙な先入観を持たずに取材相手の話に耳を傾けている姿勢がとてもいいと感じた。
丁寧な描写で語られていく搭乗員たちの思い。
読み手であるこちらも真摯に向き合わなければならない・・・そんな気がしてくる一冊だった。
Posted by ブクログ 2013年07月06日
実はあまり語られて来なかった零戦搭乗員たちの生の声を基に綴られてある。海軍歴戦のパイロット鈴木實と進藤三郎という親友同士を軸に真珠湾攻撃から終戦までの零戦の戦いが語られている。
Posted by ブクログ 2013年12月15日
産業後進国であった当時の日本が創り出した零戦に乗る男たちの真実を記載したノンフィクション小説。
派手なストーリー展開はないものの、等身大の零戦搭乗員の一生を描いた作品。特に戦後、彼らが「戦犯」「特攻崩れ」と罵られながら、葛藤と悔しさの中でどのように生きてきたのか、これまで全く知らなかった事実を知るこ...続きを読むとができた一冊。