【感想・ネタバレ】年をとったワニの話 ショヴォー氏とルノー君のお話集1のレビュー

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Posted by ブクログ

「ノコギリザメとトンカチザメの話」「メンドリとアヒルの話」「年をとったワニの話」「おとなしいカメの話」
が読めます。

確かに見た目からしてシュールな絵本なのですが、内容がビックリするほどシュール。
これぞというほどシュール。
大変ゾクゾクいたしました。
素晴らしい時間を過ごすことができます!

すすめです。
他のもよみたいな。

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2011年11月16日

Posted by ブクログ

 近日、アニメーションかもされた『年をとった鰐』の原作。
 そのワニはリューマチでした。ヒフはぶ厚く、固く、体は重く。アゴの力はおとろえて、そう、以前、若かったころとくらべて。しっぽも満足に動かせなくて。昔はピラミッドの建設をながめ、そして、崩壊も知っている、そのワニはとても年を取っていたのです。そして、もう自由に動かない体では、満足なエモノにも、ありつけないありさまになってしまったのです。
 どうやらこのワニ、年をとっているのは体だけではないようです。頭の中もたっぷり年をとっていたのです。ワニは嫌気がさしていました。親族が自分を尊敬していないこと、死肉しか食べられない食事、毎日、毎日…。ついに、ワニは家族とのもめごとをきっかけに、長年住んでいた土地を捨て、川を泳いでいくことにしたのです。するとどうでしょう、水が塩辛くなるにつれ、体が軽くなっていくのに気がついたのです。ワニは海に出ていたのです。
 ワニはタコに出逢います。生まれて始めて見るタコ。ワニのためにエサをとってくれるタコ。ワニと一緒に泳ぐタコ、食べるタコ、眠るタコ…。そんな生活のうちに、ふと、思ったのです、
『このタコ、食べてもいいかな。』
 食べる、眠る、歩く、泳ぐ。動物にとって、ごく当たり前のことではあるのですが、ショヴォーが描くと、生理行動のひとつひとつが、奇妙でグロテスクでなことなのではないかと、感じずにはいられません。この福音館文庫『ショヴォー氏とルノー君のお話集』は、全五巻刊行され、いろいろな短編が収録されていますが、とりわけ“食べる”話が多く描かれています。収録されている挿絵は、ショヴォーの筆で、その白黒の絵もまた、奇妙な世界を生み出すのに、一躍かっているのでしょう。
ちなみに、このワニの話は、『年を歴た鰐の話』(文藝春秋刊)として、また違う訳でも刊行されています。こちらもなかなか趣のある文章になっていいるので、読むくらべてみても、おもしろいかもしれません。

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2009年10月04日

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