【感想・ネタバレ】その意図は見えなくてのレビュー

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Posted by ブクログ 2022年08月31日

合っているけど、合ってなくて、そして、正解はなくて。

思春期の、未成熟で不完全な少年たちの描き方が秀逸だった。
作者の書きたいものがしっかりあって、プロットもしっかりしてて、人物も書き分けられられてる。
ユウについて、読者への余計な説明などが一切なく、最後まで清瀬に焦点を当てているところがいい。(...続きを読む説明セリフは興ざめなので…)
描きたいのは「清瀬」だから、描く必要がないと考えた部分は、思い切りよく切り捨てる潔さ。でも、清瀬の今後を予感させるのは、やはりユウの存在があるから。
一見裏回し的な役割の清瀬の心のうちがうまく表現されていて、書き手ので力を感じる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年08月21日

黙して調整役を担う人は、今、真のヒーローだと思う。
キャラが立っていることとか、個性とか、そんなものがまるでイチバン大事みたいに扱われることにはもう辟易としている。
だからこの本は、本当におもしろかった。見逃されがちな真のヒーローに光があたって、嬉しかった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年08月02日

『落としどころ探し青春学園ミステリーへようこそ』

クールだね。どことなく感情を抑えたような清瀬らの身の回りで起きた事件の、面倒なことにならないよう落としどころを探りながら真相を暴いていく5編の連作短編集。こんな青春もありかなと思わせる独特の雰囲気だな…

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Posted by ブクログ 2023年03月25日

作品紹介にあった「青春群像劇」って言う言葉がぴったり。推理もののような学園ドラマのような、恋愛なのか友情なのか、いろんな感情とか状況があちこち描かれていて、ちょっとした理不尽さや不自由さにチリチリしながら生きていた時代をちょっと思い出した。是非他の本も読んでみたい。

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Posted by ブクログ 2022年10月16日

生徒会選挙での大量白票事件。荒らされた部室。廃棄されそうになった文化祭のパンフ。

とある高校を舞台とした連作短編集。

真相を追い求めることが、必ずしも正しいわけではない。

ビターテイスト好きの方に刺さりそうな作品。

理性や想像だけで、人は救えない。

真相を暴くけれども、事態をなんら改善しな...続きを読むい、安楽椅子探偵モノへのアンチテーゼ的な側面もあって、良かったです。

主人公に佐竹先輩が居てくれて良かった。

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Posted by ブクログ 2022年10月02日

◆第三者から見ると本当に些細でくだらない動機にリアリティーを感じる。

いわゆるコージーミステーリー。
人が死んだり、法的な犯罪が起きない。普通の高校生が日常生活の些細な謎を解く。
トリックはシンプルで、本格ミステリーのようなものを期待すると当てが外れるかも知れない。
この小説の肝は犯人の動機にある...続きを読む。合理的ではないし、物理的に得るものも無い。十代の肥大した自我や狭い世界でのプライド、小さな世界のポジション争い。大人から見るとくだらない些細なことだが、狭い世界しか知らない若者にとってはそれが全てなのだ。
こんなことで…。そう思うのは自分が歳を取ってしまったからなのだろう。


●その意図は見えなくて
生徒会長選挙の開票で大量の白票が発見される。白票多数の場合は再選挙というルール。誰が何の為に?

●合っているけど、合っていない
陸上部の部室が荒らされた。学校外の人間が犯人と推測されたが盗まれた物は無い…。

●ルビコン川を渡る
合宿中の夜、男子生徒が消えた。女子の宿舎に忍び込んだと思われたが…。

●その訳を知りたい
中学の頃、クラスの女子の派閥争いに巻き込まれた後輩。仲の悪い女子の小物を女子トイレに捨てたという噂だ。時間的にその後輩にしかできないというのだが、犯人は意外な人物だった…。

●真相は闇の中
学祭のパンフレットが焼却場で発見された。焼却場に続く道は用務員室の前だ。目撃されずにパンフレットを運べた人物が犯人なのだが…。

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Posted by ブクログ 2022年09月30日

だいぶ好み!米澤穂信さんを思い出す。ユウはいい人だけど行動が突飛で危なっかしく謎。佐竹さんもまだまだ言いたいことあるだろうし続きが読みたい!

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Posted by ブクログ 2022年09月23日

優しい気持ちになれる学園ミステリー。
読み進めるにつれ
自身の心を覗くような妙な気持ちにもなりました。
おもしろかったです。

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Posted by ブクログ 2022年11月27日

『いまさら翼といわれても』を並行して読んでいるからか、投票に絡む謎ですか、との感想を持ちました。探偵役を務める人物の扱いに、より厳しいのが本作かなとも。

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Posted by ブクログ 2022年09月16日

高校を舞台に物語が
進むストーリーでした
誰も傷つかないぼやっとした
終わり方ですが、それが面白かった

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Posted by ブクログ 2022年08月31日

人の死なない学園ものミステリー。
ちょっとした事件が起きて、それを冷静な清瀬が解いていく話が多い。
この清瀬、犯人を明かすことに興味がない。むしろ、犯人なんて分からなくていいというスタンスで、探偵役が張り切っている他のミステリー小説と比べると新鮮だ。

生徒会長の選挙で不正が行われた可能性を探るとか...続きを読む、部活の合宿中に部員が自らの意思でいなくなるとか、そんなに大事になる事件ではないというのもあるが、清瀬が張り切らない理由は別にある。

一見、冷静で近寄り難いように思えるけれど、本当の清瀬を知っている人もちゃんと存在していて良かったと思う。

部員失踪事件では、見事間違った推理をさせられてしまった。しかも一度推理を思いついてしまうと、他の思考が見えてこないのが悪い癖だ。
私にはまだまだ見抜く力が足りないな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年08月13日

【収録作品】その意図は見えなくて(「見えない意図」改題)/合っているけど、合っていない(「50グラムは重いのか」改題)/ルビコン川を渡る/その訳を知りたい/真相は夕闇の中

高校生の学園ミステリ。推理して真相を見つけることよりも、真相をふまえてどう落としどころを見つけるかが大切、という連作のよう……...続きを読むなのだが。
喜々として的外れの推理を展開するダミーの探偵役が類型的なのは、デビュー作だから仕方がない(?)として、解決がほんとうに落としどころを見つけたものとは思えない。

ワトソン的立ち位置を選び、ヒーローに傷を付けないよう心を配る主人公はナイーブで、このあとヒーローに裏切られるパターンかと考えていたが、とりあえずこの作品ではそこまでではなかった。
惜しむらくは、清瀬に焦点が当たっているから、清瀬の目を通した姿しか描かれておらず、ユウの印象が薄い。
あとは、清瀬のねじれ具合や氷室ら上位カーストの自意識がイタかった。

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Posted by ブクログ 2022年07月24日

第42回小説推理新人賞を受賞した著者のデビュー作。作中の登場人物が披露する“それっぽい”推理が否定された上で真相が明らかになるロジカルなミステリーでありつつ意外に(?)人間の心情に迫るドラマ性も兼ね備えている。安楽椅子探偵に対する批評を含めて読後感がすっきり爽やかとはいかない点は好みが分かれるか。

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Posted by ブクログ 2022年07月03日

高校を舞台に、日常の謎を絡めて描く5つの連作短編。

生徒会長選挙の白票の謎、荒らされた陸上部部室の謎、合宿中にいなくなった後輩の行方、女子中学生の仲間はずれの真相、文化祭のパンフレットが遺棄された理由など、謎自体はそこそこ。

だけど幼馴染の天才スプリンター・ユウへの主人公・清瀬の複雑な思いが終始...続きを読む描かれ、そこに陸上部の先輩・佐竹優希も絡んできて、青くてヒリヒリとした青春の痛みを感じさせる青春群像劇に仕上がっている。

自己評価がすこぶる低い清瀬には次第にイライラしてくるものの、優希に諭され自分を少し肯定できるようになるラストにはちょっと感動。
米澤穂信の古典部的なシリーズものになってくれるといいな〜。

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