【感想・ネタバレ】夏鳥たちのとまり木のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

中学教師の葉奈子は中二の夏、ネットの掲示板で声をかけてきた男のもとに身を寄せた。
そこは、母親から放置されていた葉奈子が逃げ込んだ場所だった。
だが、教え子の女子生徒が抱える秘密と、15年前の夏の記憶が重なったとき、ひとつの真実が立ち上がる――。
心に傷を負ったまま生きる中年男性教師の再起を絡めて描く、希望と祈りの物語。

性格は冷めているけど余り歪んでいない葉奈子。中学の先生としてよく働くなぁ~と違うところに感心してしまった。

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2023年07月03日

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読み始めの印象より読後の方がずっと良かった。最初は『流浪の月』っぽいのかなぁと思ったが(未読だけど)着地点は全然違った。中学校教師の葉奈子は、教え子が家出したことをきっかけに自身の体験を思い出す。葉奈子は中学時代、家庭環境があまり良くなくネットで知り合った男性の家に2週間泊まっていたのだ。「世間から見れば間違いだらけのことに救われる人もいる」一理あり印象的な台詞だが、結局は自身が傷ついたり人に迷惑をかけることが多いと思う。何となく危うい感じの葉奈子が同僚教師の溝渕とともに再生する姿にホッと安堵した。

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2022年07月12日

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ネタバレ

一見良くないこと、道徳に反することに見えても、もしかしたらそれである意味では救われてる人もいるっていうことにハッとさせられた。命を続ける、命をつなぐっていうことは本当に複雑なんだ。

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2023年08月09日

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刺さる。

ネグレクトの母親を持ち、中二の夏にネットの掲示板で声を掛けて来た男の元に身を寄せた経験を持つ葉奈子は、安定を求め公立中学校の教師になる。
奇しくも教え子の女子生徒が無断外泊し、有名インスタグラマーの家に身を寄せる。

葉奈子と女子生徒、二人の行動がリンクする。

感受性豊かな時期に、誰かに心の内を話す事も出来ず、危険を察知しながらも自分の居場所「とまり木」を求める彼女達の姿が切ない。

⁡葉奈子が公園で拾ったドバトの雛の弱く脆い姿までリンクし、生きる事の大変さを思い知る。

彼女たちの明るい未来を祈りたくなる読後。

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2023年02月18日

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ハナちゃんは大丈夫だよ。世間的には間違っていることで救われた人もいる。でもその優しさの裏側には何があったのだろう?無害なフリをして弱者から搾取する気持ち悪さ。葉奈子が過去と決別し、星来を助けることが出来たのは溝渕のおかげだった。最初は嫌悪感しかなかった溝渕と徐々に距離を縮めていく(恋愛感情ではない)さまも良かったし、過去を教訓として星来を助けることが出来たのも良かった。鳥たちのとまり木のように疲れた時に身体を休める場所がみんなにあったらいいのにな。ドキドキしながら一気読み。

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2022年08月01日

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心の奥にある痛痒いところを上手に刺激してくれる一冊。
もっといろんな人に奥田亜希子さんのこと知って欲しいな。彼女の作品は本当に絶妙で巧い。
中学生という1番多感な時期のこと。前略プロフとか懐かしすぎて…やっぱり同世代だなと思っちゃったり。繊細な時期。未成年に近寄ってくる優しい大人。あの頃は怖いことなんて何もなかったと思っていた。その時頼らなければもっと辛い未来が待っていたかもしれない、私にとってあの人は味方だった…そう思いたかった…おもおうとしていた。大人になって、SNSが普及している今、昔以上に性犯罪が増えている。簡単に人と出逢える世界をどう生きるか。
たくさんの人たちに読んで欲しい。

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2022年06月22日

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ネタバレ

話のおもしろさとは別に、こういうまっとうな話を読むと、まっとうではない人はどうすればよいのだろうと考える。
環境ではなく、自分自身が、社会に適合しない人はどう生きればいいのだろうかと思う。この話のナオみたいな人。
ナオがしたことは生理的に気持ち悪いが、本人としては、せいいっぱ悩んで考えて、ウィンウィンの方法として編み出したのかもしれない。わからないが。
ただ、社会に適合しないように神様につくられてしまった人は、喜びも癒しも共感されることもあきらめて、生きるしか、社会には許されないのだとしたら、犯罪はなくならない…ような…
読み終わり裏側を知ったあとも、ナオは、イイヒトではなくても、ひでえやつ変態近寄んなとまで感じなかった。「はなちゃんは、大丈夫だよ」と言ってくれた言葉、忌まわしい言葉とは思えないでいる。

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2023年09月15日

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