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Posted by ブクログ
『純黒の執行者』から続きの完結巻。
家族をテーマとした事件が3つ起きる。1巻から一ノ瀬朱里を形作っているのは、家族とベルと刑事という職業。だからこそ、家族というテーマで纏め上げた今巻は色々考えながら読んだし、一ノ瀬朱里にとっても事件ごとに散々悩んだのではないか。だからこそ、最終的な結末までの一ノ瀬朱里という人物ができて、最後の決断に至ったのかなと考える。
3つの事件とも現実に起きてしまえば悲惨な出来事となり、ニュースで取り上げられ様々な議論が飛び交うと思う。作品では、直接的に事件の全貌が明かされているのではなく、直接的な表現を濁しているように感じた。一ノ瀬朱里が少しづつ元気になっているのは嬉しいしベルと一緒にカレー
を食べている1場面なんて涙が出てきた。でも、最後は自分の存在そのものを人々の記憶から消して犯罪の根元を断ち、ベルの望みを叶えることで終わり、願っていた終わりかたとは違うけど、綺麗な終わり方だと納得。
題材やキャラクター、文章の読みやすさなどから好きな作家さんの1人になりました。出来れば、ドラマ化してもらえると嬉しい。次の作品を楽しみにしています。