あらすじ
元官僚の日本人と2人のアメリカ人が運営するウォール街のカラ売りファンド、パンゲア&カンパニーが、新たに3つの日本企業に照準を定めた。狙われたのは、濡れ手で粟の利益を上げる仮想通貨交換業者、グレーゾーンぎりぎりの会計手法で生き残りを画策する巨大航空会社、業界にEV旋風を巻き起こす新興電気自動車メーカー。財務諸表を徹底的に読み込み、株価を下げようとするパンゲアを、追い込まれた企業がマージン・コールで締め上げる――。金融ジャングルの勝者は、果たしてどちらか!? 「仮想通貨の闇」「巨大航空会社」「電気自動車の風雲児」三編を収録。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
暗号資産、なんとも夢がある話ではないか。私も今年の春頃からCoincheckにお世話になっている。ブロックチェーン、ハードフォーク、トークン、マイニング…なかなか私の頭では理解が不十分なところはあるが、興味は尽きない。
この本、3編ともだが金額が莫大過ぎてピンとこない。でも実際この規模で動いているのなら私の投資なんぞ微塵の影響もないんだろう。金が金を生むって言葉通り、ある一定の資産を作るとビクトリーロードに乗る権利が発生する。そしてその中でも一握りの人間だけが億り人になる。
失敗例もよく聞く。いかにして人間の欲を制御できるかがキーか。あー、本のレビューじゃなくなってるな。本の方は、メインのカラ売り屋が仮想通貨交換業者や巨大航空会社、新興電気自動車メーカーとの株価の上げ下げ競争を演じる。現実とリンクしているのでイメージしやすく面白い。特に投資に興味のある人にはハマるか。
Posted by ブクログ
黒木亮の半フィクション経済小説。
株価が下がる企業に目をつけ信用取引で利益を狙うカラ売り専業ファンドを仕立てて、3つの企業事件を物語調で描く。その3つは、仮想通貨のコインチェック事件、JAL破綻、テスラの成長。
新聞でなんとなく読んでいた舞台裏には、関わる人が神経をすり減らして、時には命を賭す覚悟で動いていたことがわかる。
臨場感のあるタッチで夢中になって読み終わる。
Posted by ブクログ
読んでいた時に、仮想通貨の流出事件が報道され、おおっ。
今回も様々な企業に空売りを仕掛けるのだが、企業の体制や扱っている事物について、細かく説明や分析がされている。作者の勤勉さに頭が下がった。
Posted by ブクログ
3.5くらい
1章コインチェック
2章JAL
3章テスラ
と事実とフィクションを織り交ぜながらの物語で面白かった。
ただ、どの章も空売り屋は儲けたり、損したり最終的には儲けたりとパターンは同じ。
企業側、空売り屋、その他周りの人間達の人間模様は楽しめた。
専門用語や難しい言葉がたくさん出てくるがそこは流し読みで笑
Posted by ブクログ
大部分が実在した、実在する企業で、実際に起きていた事案なので、当時を振り返るのにはとても良かった。
私も業界の端っこにいる人間として、さまざまなマーケット用語に触れる機会があるが、キチンと理解して書いているなと思う。
ただ、どこまでが事実で、どこからがフィクションなのかの線引きがわかりにくくて、少し困ったかも??
JALにテスラ、ここまでリアルに書くと、怒られないのかなぁ??
Posted by ブクログ
空売りファンドパンゲアのメンバーが主人公の中編小説集
パンゲアは、空売りをした会社の不正などをレポートとして発表することで株価の下落を招くという手法のため、相場師として暗躍するというタイプの小説ではない。主人公等は「売ったけどなかなか下がらんねー」みたいな感じでまったりしている姿が時折出てくる程度。仮想通貨やEVなど、様々な業界の内側を描くというのが主題。そう思えば面白く読める
Posted by ブクログ
タイトル通り、空売り屋と仮想通貨について学びながらストーリーも楽しめる本でした。
どう物事を見ているのか、現代の問題も踏まえて題材にしていて学べました。
小説としての面白さという面では、上記評価ですが
学びを含めれば☆4でも良いかなと思います
Posted by ブクログ
仮想通貨の実態がほんの少しわかったし、JALが倒産したときの実態も少しわかった、またテスラの様子(だいぶ脚色されてたが)も少しわかった。
こうした面白さは、相変わらず作者は一流だ。
だけど小説の読み物としては、少し退屈だった。
Posted by ブクログ
カラ売り屋たちが標的にするのは、仮想通貨市場、日本を代表とする航空会社、そしてEVの寵児。
航空会社は少し古いトピックで斬新さには欠ける。
仮想通貨とEVについてはよく研究されている。それぞれを勉強する入門としては面白い読み物かもしれない。ただ多少の基礎知識が必要。
自分としてはEVが面白かった。イーロンマスクを日本人に仕立てあげ、製造業の様々な困難に押し潰られそうになりながら一人でリーダーシップを発揮(かなりは嫌われ者になりつつ)して株価を押し上げていく様は設定として面白い。EVも燃料エンジンから簡単に(部品点数が劇的に少ないから)切り替えられるようなイメージが一般にあるけれど、実はそんなに簡単ではないということがよくわかる。
Posted by ブクログ
3話それぞれ文庫で出版していいくらいの充実ぶりだが展開はワンパターン。空売りして少し含み益出て逆転されて最後に盛り返す。仮想通貨やEVなど業種が最先端だから新鮮味はあるけど。。
Posted by ブクログ
カラ売り専業投資ファンド、パンゲア&カンパニーが仕掛ける金融戦を描いたシリーズ作品……らしいのだが、何も知らずにタイトルのみで借りたため前作(前々作もあり?)は未読。「仮想通貨の闇」「巨大航空会社」「電気自動車の風雲児」の3篇を収録している。まあタイトルを見れば内容はだいたい想像がつくのだが、“カラ売り屋”は脇役でしかなく、期待していたエキサイティングな仕手戦ではなかったのが残念だった。
Posted by ブクログ
シリーズ2作。カラ売り屋パンゲア&カンパニーVS仮想通貨取引会社、航空会社、EV自動車会社!仮想通貨の闇、国策に振り回される航空会社、奮闘する新興EV自動車会社が綿密な取材に基づいて描かれる。専門用語が難しいが勉強になった。読み応えあり!
Posted by ブクログ
仮想通貨の所は分かる人には分かる面白さだろうか。和田さんの扱いが面白い。
ただ、航空機のところでもそうですが、細野氏の本を参考にしてる所が気になります。
空売り屋と粉飾で相性良いのはわかりますが、何かなぁ。という感じでが。。。
空売り屋シリーズが続くなら次はライザップとかだろうか。