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Posted by ブクログ
年間数万人の綿農家が自殺しています。彼らの生活は、世界中で安い服が売れる度に苦しくなっていくからです。児童労働や農薬による健康被害の問題もあります。
フェリッシモに勤める著者は、平和を願う趣旨のプロジェクトで20万枚のTシャツを売りました。しかしTシャツの原料の生産者である綿農家の厳しい実情を知ることにもなります。そしてオーガニックコットンについて学び、「コットンプロジェクト」を立ち上げます。オーガニックコットンでできた製品を基金付きで販売し、インドの綿農家が有機農法へ転換する支援をしたり、プロジェクトに参加する農家には児童労働をやめさせる条件を出して、高等教育への奨学金制度も運営。
本書では、震災やコロナなども含めて、このプロジェクトのこれまでの険しい道のりが綴られています。
持続可能性とは何なのか、支援の在り方とは。これらを考える時にいつも思うのは、その課題への正解・不正解は無くても、個人の誠実さ・不誠実さは大事な指針ではないか、ということです。少なくとも著者の姿勢やこのプロジェクトには誠実なものを感じました。
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章2019年に見たインドの風景
第2章自分の仕事で誰かを助けることができるかもしれない
第3章プロジェクトの開始をインドの現実
第4章灼熱の地で、スタート地点に立つ
第5章創業は易く守成は難し
第6章神様はさらに困難を与える
第7章一般財団法人pbp cotton
おわりに
やったことは素晴しい、その記録本。
2010以前からの取り組みであれば、同じ業界の商社で
働く自分でも何かできたのでは、と考えさせられる。
とはいえ、カーストのあるインドでの取り組みは
困難であり、自分はインドでのこうした取り組みは
あきらめた一人である。自国のことは自国で解決の
方向をしてもらいたい、というのが自分の考えで
あるから。
Posted by ブクログ
良かったね、で終わらない視点。
「あなたさえ来なければ、支援されない人は生まれなかったんですよ。あなたはわざわざ遠く離れた日本からオリッサまでやってきて、支援されない人を生んでいるのです」
企業活動を通じての社会貢献に必要な視点。
自己満足のためにならないように自戒も込めて。