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世界的な電機メーカーニシハマは体質改善が求められ、創業者一族が経営から離れ、東都大閥が支配し失敗を恐れ隠蔽体質の大企業病に陥っていた。ハーバード大を優秀な成績で卒業し創業者一族に婿入りした梶原賢太は義祖父より創業者一族による再考を託される。
その後、海外畑を歩み米国子会社の副社長を任されていた梶原の元にニシハマが手掛ける原子力発電事業のコストオーバーランと粉飾の疑いが知らされる。
ニシハマを救うべく梶原が新事業に取り組む。
実際にある企業で起こったこととの類似点があり、最後のオチが以外で面白かった。
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リストラに応じない社員を箱詰め業務に異動させたバンカー上がりの東芝社長が辞任。楡さん、ぜひ続編を。まさに事実は小説よりも奇なり。米企業在職経験あるだけにドキュメンタリー映画見てるよう!
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長編あるあるだが前半は舞台設定と状況説明メインのためなかなかページが進まないが中盤以降はグッと引き込まれる。島耕作と半沢直樹を足したようなスカッとする読後感。
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東芝の苦境の現実とフィクションを織り交ぜた小説。「ニシハマ」という名に置き換え、一族の娘と結婚したハーヴァード卒の賢太が旧い社風と闘ったり、LNGなどの資源輸出や原発から利益を生み出そうとする。
企業小説は、昔好きでよく読んでいたけれど、いつしか嫌いになってしまった。しかしこれは激しく面白かった。
東芝の事(粉飾決算、ウェスティングハウスの体たらく等)はある程度報道で知っていたので驚く事ではない。しかし利益を得るために、政財界が絡んでくる。特に元首相やその周辺が色々と出てくる辺りや中東のフィクサーが出てくる所は、そーなんやろーなー、って納得してしもうた。
企業がどうやって利益を上げるとか失うとかそういうことに興味がある人は必読。大収穫。
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東芝の粉飾決算を題材に、政官財の癒着、学閥主義、収益第一主義など大企業が抱える問題点のオンパレードを浮き彫りにした壮大な長編経済小説。
後半、引き込まれて一気読みしてしまった。
いろいろ考えさせられることの多い良書である。
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東芝をモデルにした総合電機メーカーのニシハマ。その没落した創業家の娘婿の肥後はアメリカで原発事業を手掛けていた。
2000年代から震災、粉飾決算など激動の時代を駆け抜けつつ己の出世の野望を成し遂げていく肥後はニシハマのトップに立つことができるのか?
現実と虚構をうまく織り交ぜつつ、リアリティのある話の展開になっており、読み手を飽きさせない。何よりも激動の時代に己の出世欲を満たそうとする主人公に惹きつけられる。
最後のどんでん返しもスカッとした。
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東芝がモデルなのだと思う。
また、小説なので、分かりやすく整理し、またステレオタイプの人物像なのだと思う。
それでも、読ませた。
その後を読むことができたら、さらに興味深いのだが。
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東芝をモチーフにして書かれたお話だったとは。
日本はこうやって外国からおいていかれてるのかと思うととても悲しい気持ちになったが
国民感情というか、人を信じてビジネスを行うとかやはり譲れないものもあるのではと思ったりもした。学閥や海外経験のある主人公の歯がゆさも充分過ぎるほど感じたが、立場を変えて描くと全然違った物語になりそう。ラストのどんでん返しには思わずうまく行きすぎと笑ってしまった。世の中そんなに甘くないような気がするけど。会社は立ち直ってほしいから○だね。
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面白かった。
内容が東芝の事例をモチーフにしているだけにある程度先が分かってしまうのがちょっと残念だった。
著者の著作は社会問題を批判してビジネスプランで解決すると言う手法だが今回は日本の経営体質に関する批判が主で解決するビジネスプランとしては弱かった。と言うより解決しようがないんだと思う。
著者の元米国勤務と言う海外からの日本企業に対する視点がよく出ていた。
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大企業にとって切っても切れない粉飾、癒着、学閥。熾烈な闘いを生き残るには、運や人脈、度胸に先見の明があってこそなのだと思った。権力にいつまでも縋る旧態依然の経営陣には嫌気が差した。
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楡周平さんの企業小説はいつも楽しんでいる。
今回は某大手家電メーカーを模した内容。老舗の家電メーカーの凋落を描いている。
日本企業がここまで学歴やら「失敗を恐れる」体質になっているとはあまり思えないが、しかし多くの企業がGAFAになりきれなかったのも事実。
昨今のベンチャー成功者と比してXX連合会やらXX同友会が大企業の老人を中心に運営されていることを見ると変化が必要なのは誰が見てもわかる。
そういった日本企業のアンチテーゼでもある作品。
最後は楡さんお得意のどんでん返しが面白かった。