【感想・ネタバレ】賢明なる投資家 ──割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法のレビュー

あらすじ

市場低迷の時期こそ、威力を発揮する「バリュー投資のバイブル」
日本未訳で「幻」だった古典的名著の改訂第4版がついに翻訳

ウォーレン・バフェットが師と仰ぎ、尊敬したベンジャミン・グレアムが残した「バリュー投資」の最高傑作!株式と債券の配分方法、だれも気づいていない将来伸びる「魅力のない二流企業株」や「割安株」の見つけ方を伝授する

20世紀の最も偉大な投資アドバイザー、ベンジャミン・グレアムが残した永遠のベストセラー『賢明なる投資家』は、世界中の何十万という人々に読まれ、大きな影響を与えてきた。1949年に初版が上梓されて以来、「バリュー投資」という独自の普遍的な投資原理によって、ベンジャミン・グレアムの著作は常に信頼の厚い投資手引書であり続けている。その投資原理は、投資家たちが重大なミスを犯す可能性から身を守るために一役買い、また彼らが安心して投資を続けられる長期戦略を練るための方法を指南している。

長年のうちに相場がさまざまな展開をみせるにつれ、ベンジャミン・グレアムの基本方針の正しさはますます揺るぎないものとなっている。本書では防衛的投資家、積極型投資家の双方を考慮に入れており、それぞれの投資銘柄選択原則の概略を述べ、単純なポートフォリオを構成することのメリットを力説している。数多い本書の特色の一部として、一対の株式銘柄をいくつも比較検討してそれぞれの長所と短所を明らかにしたり、ある特定の質や価格の条件を満たすポートフォリオ作りなどが挙げられる。『賢明なる投資家』は、あなたを投資の成功へと導くための、最も重要な一冊となるであろう。

序文 ウォーレン・バフェット
まえがき――本書の目的
第一章 投資と投機――賢明なる投資家が手に入れるもの
第二章 投資家とインフレーション
第三章 株式市場の歴史――一九七二年初めの株価
第四章 一般的なポートフォリオ戦略――保守的投資家
第五章 防衛的投資家のための株式選択
第六章 積極的投資家の分散投資――消極的な方針
第七章 積極的投資家の投資――積極的な方針
第八章 投資家と株式市場の変動
第九章 投資ファンドへの投資
第一〇章 投資家とそのアドバイザー
第一一章 一般投資家のための証券分析
第一二章 一株当たり利益に関して
第一三章 上場四企業の比較
第一四章 防衛的投資家の株式選択
第一五章 積極的投資家の株式銘柄選択
第一六章 転換証券とワラント
第一七章 特別な四社の例
第一八章 八組の企業比較
第一九章 株主と経営陣――配当方針
第二〇章 投資の中心的概念「安全域

著者紹介ベンジャミン・グレアム
1894/05/08ロンドン生まれ。1914年アメリカ・コロンビア大学卒。ニューバーガー・ローブ社(ニューヨークの証券会社)に入社、1923-56年グレアム・ノーマン・コーポレーション社長、1956年以来カリフォルニア大学教授、ニューヨーク金融協会理事、証券アナリストセミナー評議員を歴任。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

防衛的投資家のポートフォリオは株式と債券の割合を常に50対50に保つべき
株価が上がればそれを売って債券を買い、株価が下がれば債券を売って株式を買う

債券の選択
1.課税の有無
2.長期か短期か

防衛的投資家の普通株銘柄の選択
1.十分な過度ではない分散投資
2.財務内容の良い有名な大企業
務内容の良い:
 株主資本純資産が借入金を含めた総資産の半分以上(公益企業は30%以上)
3.長期にわたる継続的な配当支払い実績
4.上限価格
(1)過去7年間の平均企業収益の25倍
(2)過去12ヵ月の企業収益の20倍

リスク
1.現実の売却によって損失が確定する
2.投資先企業の経営状況が著しく悪化したために株価が下落した場合
3.証券の内在的価値に照らして高すぎる株価で買い付けた結果の値下がり

積極的投資家の三つの分野
1.人気の停滞している大企業
2.割安株の購入
本来の価値が価格より50%以上
優先負債をすべて差し引いた後の純運転資本以下の価格のもの
3.買収対象となる銘柄

基本的に、真の投資家にとって、株価変動の持つ重大な意味はひとつしかない。相場が急落すれば抜け目なく株を買い付け、急騰すれば売却するチャンスなのだ。それ以外の時には株式市場のことなど忘れ、受け取る配当金と企業業績に注意を注いでいた方が良い結果につながるものなのである。

投資家の最大の関心は、適切な証券を適切な価格で取得して保有することにある。

防衛的投資家のポートフォリオに含まれるべき7つの統計的基準
1.適切な規模
年間売上が10億ドル以上
公益企業では総資産500万ドル以上
2.財務状況が十分に良い
流動資産が流動負債の最低2倍以上(流動比率2対1)
長期負債が純流動資産(運転資本)を超えないこと。
公益企業では、負債が株式資本(簿価)の2倍を超えないこと。
3.最低過去20年間、継続的に配当がある
4.過去10年間、赤字決算がない
5.一株当たり利益が、10年間で最低3分の1以上伸びている
初めの三年間と最後の三年間の平均を比べる
6.株価が純資産価値の1.5倍以下
収益の15倍以内であれば、それに伴って1.5倍を超えてもよい。
株価収益率に株価純資産倍率を掛け合わせたものが22.5以上であってはいけない。
7.株価が過去3年間の平均収益の15倍以下

株価収益率の逆数が優良債券の利回りと同程度であること。

事業原則
1.自分が何をしているのかを知れ―己の事業を知れ
2.決して自分の事業を他人任せにしてはならない
3.信頼のおける計算の結果、相応の利益を得るチャンスが十分にあると考えられる場合を除いて、その事業(投資)を踏み出してはならない。
4.自分の知識や技術に勇気を持って従いなさい。事実に基づく結論を自ら下し、その判断が正しいと確信したなら、自分の判断に従って行動しなさい。

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2011年12月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

●内容
・バリュー投資の家元が、「投機」と「投資」の違い、を熱く語る
・感情のコントロールがポイント
・「投機家の関心事は、株価の変動を予測して利益を得ることであり、投資家の関心事は、適切な証券を適切な価格で取得し保有することである」

●感想
・1973年の本だけど、記述は普遍的なので現代でも使える。
・自己の能力を過信せず、感情を抑えるルールにしたがうのがよい「投資家」という指摘は、そのまま仕事一般に応用できる。

●やってみよう
・仕事への応用として、感情をコントロールするルールづくり。
具体策は別の本を参考に、例えば「あなたはなぜチェックリストを使わないのか」で「あたりまえ」をもリスト化すると良さげ。

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2011年11月29日

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