感情タグBEST3
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離れ小島で行われた劇団の合宿の中で事件は起きた。劇の主役を巡って争っていた女優2人のうち、1人は火傷を負い記憶喪失で発見され、もう1人は遺体になっており、役者が1人姿を消した…
古典ミステリ「シンデレラの罠」を先に読んでいると感動がもっと大きかったんだろうなあ、と自分の知識不足を感じた。1人8役、という「離れ業」としか表現できないオチ。
ミステリをかじった人なら、事件の場面で「あーこれは定番のあのパターンだよなあ」までは想像がつくと思うけれどその後に描かれる真相までたどり着ける人はなかなか居なかったのでは。
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殺され方からして、
ある程度の予測はしていたのですが、それにしてもそんな終わり方とは。
推理小説としては反則な気もしますが、
発想としてはおもしろいと思います。
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合宿中の小劇団が、舞台稽古のためにとある孤島へ。そんな最中、惨劇が襲う。
一人は殺され、一人は失踪、一人は重症。
作中作に古典的な王道ミステリ手法を施すが...
ストーカーという言葉が当たり前のように使われているが、本作が書かれたのが2002年なので、割と早くに題材に取り入れたようだ。
LGBTなんて言葉が今ではだいぶ、市民権を得たが当時は性同一性障害ってのは中々に許容されづらかった。そんな社会ネタも盛り込みながら、それに対する現代人の漠然とした不安をよく入れ込んでいる。
が、鯨氏は長篇の方が好みだな。
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文中に、古巣の劇団の名前が出てきて、妙にドギマギした。
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物語の設定が、小劇団なんですね。
小劇団なんですが、すごいです。
脚本家、演出家が別々にいて、マネージャーがいて、役者は5人で、美男美女だらけ。
そして、美女がふたり、主役の座を狙って相手を貶めようとして……。
うらやましい!
いやいやいやいや、いやいやいやいや。
といっても、そこじゃなくてね。
うらやましい! のはどこかというと。
もう一人、本業は医者だけど道楽の芝居に有り余る金を出資する男性、つまり劇団のパトロンが出てくるのだけど、これがうらやましい。
有り余る金を、道楽で芝居につぎ込む?
つぎ込みなさいつぎ込みなさい、さあ、僕の芝居につぎ込みなさい。
湯水のごとくに使いまくって、楽しませてあげますから。
しかも、劇団の方針、作品内容、配役には一切ケチを付けないとか、どんな神様だ。
神様だ! ネ申だ!
いいなあ。(本音)
金さえあればなあ。(ぼやき)
金くれよ。(脅迫)
面白い芝居、作りますよ。(約束)
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本編の謎は、さすが鯨統一郎氏一流の、人を食った解決。
一人八役。こういうことだったとは!
お見事としか言いようがありません。
お楽しみあれ。
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証人・犯人・犠牲者・探偵役・ワトソン役・記録者・容疑者・共犯者の一人八役に挑戦。話は面白くて、ぐいぐい読み進むことができましたが、オチがなんだかすっきりしない感じ。でも、よく頑張ったと思います。
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中学の時に読んだ「シンデレラの罠」のリメイク?プロットも何もかも違うのだから、リメイクとは言わないか。友人の井田由美が実名で登場したのには、思わずビックリ。
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犯人であり、犠牲者であり、共犯者であり、探偵であり、記述者であり、ワトソン役であり、証人であり、容疑者でもある。
というひとり8役に挑戦したミステリ。
ひとり4役の古典名作「シンデレラの罠」のオマージュ。
同様の演劇シナリオが作中に入っていて、これもまた奇妙な演劇になっていた。
ワトソン役と記録者が分かれてる?と思ったが、ワトソン役=間違った推理を披露する役との事。
結末をすっきりと納得するかしないかは、意見が分かれるかと思うが、8役という重なりを収めた点が面白かった。
会話主体でストーリーが構成されているので、すぐに読める。
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同じような感じだというのに、女優として
メジャーデビューが決まった1人と、そのままの1人。
主役と抜擢されたいがための駆け引き。
そして起こった奇妙な事件。
劇団員同士の人間関係…かと思いきや、欲望や嫉妬が入り混じり
それが奇妙な事件へと発展していく話でした。
『主役』のなくなってしまった記憶。
自分は一体誰なのか。
自分は本当に彼女なのか。
あれやこれやと考えましたが、あの終わり方にはびっくりです。
先入観というか…まずそこは考えなかったです。
もう少し、頭が柔らかくならないと駄目でしょうか?
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わたしはこの事件の証人です。
同時に,犯人です。
そして,犠牲者でもあります。
それどころか,探偵役でもあります。
加えて,ワトソン役も努めます。
もちろん,記録者でもあります。
さらに,濡れ衣を着せられる容疑者でもあります。
最後に,共犯者でもあるのです。
今まで言ったことに,嘘偽りはありません。もちろん,私は複数の人間などではなく,たった一人の人間です。いったいどうしたらこのような事が可能になるのでしょう。
(本文p.5)
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読んだことはありませんが、ミステリで古典的に有名なセバスチャン・ジャブリゾの「シンデレラの罠」(62)というのがあって、そこでは一人四役をやっているそうな。そのおおむこうを狙って、本書では、一人八役(証人、犯人、犠牲者、探偵、ワトソン役、記録者、容疑者、共犯者)という、言わば読者への挑戦状から始まって、最後にきちんとつじつまあわせしてくれて、さすが鯨さん!とうならせる作品でした。
ただ作中劇「ふたりのシンデレラ」の荒唐無稽(SFと言ったほうがよいかもしれませんが。。。)な脚本が並行して進行するが、あれは一体何なのか?本編とのかかわりにおいて、今ひとつピンとくるものがありませんでした。(斜め読みで、しっかり読んでない所為かもしれませんが)2005/10/12