【感想・ネタバレ】脳は眠りで大進化するのレビュー

あらすじ

日本が世界をリードする――睡眠と覚醒の謎に迫る!

人間のリズムを解明する概日時計の研究、睡眠の研究で世界的に注目を集め、『情熱大陸』(2009)、NHK『プロフェッショナル仕事の流儀』(2010)など20代の若さで研究チームを率いる”天才”としてメディアにも取り上げられた上田泰己さんだが、「生命の謎の解明に1秒でも時間を投入したい」と日夜研究に励む道を選んだという。

それから十数年――。
ひとはなぜ眠り、覚醒するのか? 睡眠中に脳内では何が起きているのか?
生命の根幹でもある睡眠覚醒のメカニズムを解明する数々のブレイクスルーが、著者が率いる研究チームによってもたらされている。生命科学の研究手法の刷新とともに、「今なら科学的なボキャブラリーによって、その謎を語ることができる」。

・ヒトは睡眠で、日々「新しい自分」に生まれ変わっている
・睡眠は覚醒よりもアクティブである
・覚醒の意義は「探索」にこそある
・睡眠と覚醒の機構はメモ帳と鉛筆で説明できる
・私たちの体の中には眠気を数える機構がある
・「脳は第二の心臓」かもしれない
・睡眠の解明は知性の解明にもつながる

「生命を作って理解する」システム生物学の時代を牽引する著者が、
睡眠研究の全貌と解の道筋を明らかにする。睡眠と覚醒の新事実!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

睡眠を多角的に学べた。花時計のたとえが印象的でした。睡眠の内外の視点や、カルシウムの重要性、他の生物との違いにも触れ、睡眠の本質に迫る内容となっています。睡眠の理解を深めたい。

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2024年09月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 難しい本でした。新書という体裁で、こういう難しい本が出るというのは、いいことだと思います(最近は、文字数としても、内容としても、編集の質としても、スカの新書を買ってしまうことがあります)。
 この本は、専門用語が多いのですが、細かいところは気にせず読み進みました(著者に対してちょっと失礼ですが)。起きている時に脳神経が行なっていることと、寝ている時に行なっていることが、互いに補っている関係にあることは理解できました。著者やそのグループ、あるいはこの分野の世界の研究者が、夢って何なのかを明らかにするかも知れないと、読者として感じました。
 「おわりに」は、理解できました。難問にぶつかったら、少し引いて(パンして)難問をみなおしたりすることが有効だと理解しました。

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2024年10月15日

Posted by ブクログ

東京大学医学部卒の先生が書かれた本。さぞ難しいことが書かれていると思いきや、いざ読んでみると興味深く読み進めることができる。ところどころ専門性の高い記載もあるが、そこはさらり読みすすめる。また、随所に絵画に関する挿話があったりして著者の専門分野以外の知的レベルの高さが伺える。
結局、睡眠とは「人間の成長、特に脳の神経細胞の成長に必要不可欠な、極めて大切な時間である」ということにいき着く。自分は今年還暦を迎える初老の読書人であるが、人間の成長ときくともう自分には関係ないと思ってしまうが、「年老いても日々、進化的な成長を続けている。すべての人にとって睡眠は健康のために、何より人間の知的活動のために、極めて重要な時間」との記載に救われる。
この結論を導くために様々な実験結果が紹介されている。いづれも興味深い。
睡眠と体内時計(時間遺伝子)の関係
臓器の透明化
レム睡眠とノンレム睡眠
覚醒物質としてのカルシウム
脳は眠って覚え、起きてわすれる? 脳は眠って覚え、起きて「探す」?
「人間の頭の中では毎晩、脳の回路を構成するシナプスが大きく生まれ変わって脳が大進化しているとすると、これはヒトの知性にきわめて重要な働きをしている可能性があります。ヒトだけがなぜ、長らく続いた野生の状態から、家を作り、社会を作り、集団を作り、安全に眠れるよになったのかを考えていくと、そこにはやはり睡眠中のシナプスの進化が大きな意味を持って作用しているのかもしれない、と私は考えます」
「おわりに」に著者の研究者としての心構えが書かれている。感銘を受けたので抜粋を記載する。
「自分のあたまで考えることが大事であることは言うまでもありません。しかし、研究は独りよがりになってもいけない。そこで文献に当たって、歴史の中に自分の発見したことが位置づけられるように大きな文脈の中で捉え直すこともまた、科学においてとても大事な作業なのです。」

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2024年08月24日

Posted by ブクログ

中盤やや難しかったかな。
実験の様子が描かれているんだけど、物質の専門用語がチラチラ出てきてそれが覚えられなくて、えぇとこれは何とかの時に出てくる〇〇で、、こっちは、えぇっと何だっけ??みたいな感じに迷子になるシーンもちらほらあったよ。小説とかでも中々登場人物覚えられない私には少し歯ごたえあったよw

序盤と終盤は凄く読みやすいです

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2024年11月18日

Posted by ブクログ

一般向けの医療本かと思って読み始めたが、ずいぶんと違っていた。研究のフロンティアをできるだけ平明な言葉で伝えようとしている姿勢は感じるのだが、いかんせん、こちらの知識と想像力が足りず、消化不良となってしまった。

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2024年08月10日

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