【感想・ネタバレ】蠟燭は燃えているかのレビュー

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Posted by ブクログ

「星くずの殺人」の続編というか周ちゃんが主人公。3作目で本格ミステリーから一歩引いた加害者家族・被害者家族の底なし沼のような心情を著者出身地の京都を舞台に描く。今回書きたかったことからするとミステリー要素は薄めで、そこが逆に非常に良かった。テーマからすると軽薄とも思える装丁は本当に良くない。そこだけ減点。

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2024年06月12日

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ネタバレ

 『星くずの殺人』の続編である今回は炎上している動画のコメント欄に「まずは京都を燃やす」という投稿が見つかり、実際に金閣寺が放火され、その後も銀閣寺や天龍寺などの京都の伝統文化財が放火され、死傷者がでてしまうという連続殺人事件を周と芽衣が真相を探るために奔走していくというストーリーだった。衝撃的な一節から始まる話の展開が面白かったが、被害者遺族と加害者遺族の境界線やネットやSNSの誹謗中傷が本作の根幹にあり、重たいテーマだった。ラストで明かされる衝撃の真相と犯人の最期は「こうするしかなかったのか?」という程胸が痛くなるものだった。また本作で「『人の不幸は蜜の味』というより『人の不幸は麻薬』といった方がしっくり来る。」という感想も浮かんだ。前回の『星くずの殺人』がハウダニットとフーダニットの面白さを象徴しているとすれば、今回はホワイダニットの面白さ(であってるかは分からないけど)を象徴しているという風にも感じた。

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2024年05月04日

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「星くずの殺人」続編。宇宙からの配信により、炎上してしまった真田周。迷惑系配信者が押し寄せる等の事態が起こり、彼女の日常は侵食される。そしてその騒動は、京都全体を巻き込む連続放火事件へと発展していった。金閣、銀閣を始めとした有名な観光名所が焼き払われ、そこに姿を見せるのは行方不明となった周の友人。この事件の影には何があるのか。
前作で魅力的だった周が活躍するのが嬉しいです。まさしくステレオタイプな「京都人」としてふるまう周の姿が実に痛快でした。本当はとてつもなく悩み傷ついている彼女なのだけれど、無理にでも見せようとする強さはやはりカッコいいとしか言いようがありません。とはいえその痛みは尋常じゃなくつらいものがあるのですが。
これほどまでに大掛かりな事件を起こす犯人の意図があまりにも哀しいといえば哀しいのですが。そう思わせてしまう世間の風潮が元凶としか言えません。被害者だとか加害者だとか、客観的に明らかな場合はともかくとして、無関係な人が勝手に決めるべきじゃないよね。特に当事者でもない人物にその責任を押し付けるのは間違っているのだけれど。いつになってもこの風潮は直らないものなのでしょうか。

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2024年05月23日

Posted by ブクログ

前作「星くずの殺人」が面白かったので、単行本を購入。まず個人的に文体が好み。いつも評価の50%くらいが文体や言葉選びに置いてます。

まず、前作を読んでおいた方が良いと思います。
ダメじゃないけど細かなニュアンスがわからないかと。また前作はミステリー要素も強かったですが、今作はサスペンスの要素が大きいです。

前作は主人公は別で、ヒロインだった周が今作は主人公になります。
女子がたくさん活躍するさまが、どこかアニメぽいというか、社会派シリアスアニメを見ているようだった。良い意味で。

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2024年05月16日

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「星くずの殺人」の続編。
でも主人公は別で女子高生の周さん。
前回はミステリーでしたが、今回はサスペンス。
前回の方が好みでした。
宗教や、人種差別、そしてSNSによる無関係の人たちからの断罪。
恐ろしい世の中です。

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2024年06月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前作『星くずの殺人』で気になっていた周の友人の行方について書かれているのと、新たな事件が起こる。
相変わらず、人が死んでも特に何の感傷も湧かない軽い文体。

歴史的建造物が(ネット上ではなく現実の)炎上するという結構衝撃的な出来事と、周がSNS上で叩かれ身の危険に迫られる展開が良い。

犯罪加害者の家族を守るため、家族を加害者から被害者に変えてしまえば良いという犯人の考え方は乱暴だが、実は理にかなっているのかもしれない。犯罪加害者の家族には現状、身を守る方法がないのだから。
加害者を被害者に変えようとするのに、さらに被害者が出てしまうので、負のスパイラルは止まらない。犯人はもっともらしいことを言っているけれど、自分の周りの人だけが幸せなら良いという傲慢な考え方が好きになれない。

犯人が最期は自死しようと計画した上での犯行は、私はあまり好きではない。それだったら狡猾に自分勝手に殺人計画を繰り広げる犯人の方が(物語としては)好きだ。

いろいろと好きになれない部分もあったが、よく知らない人のことをSNS上で悪く言う、嫌がらせをする等の行為は実際あるだろうし、犯人に対してなんだ?そんな動機で?とは思わなかった。

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2024年06月05日

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