【感想・ネタバレ】カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩 地下の秘密篇のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

面白い! 地下鉄の話題でずっと引っ張って欲しかった!

 都心の地下を走る地下鉄線の断面図が載っていて、地中の高低差が見て取れるのが本書の白眉。
 その高低差図を見ながら、開設された歴史的背景、東京都の地形としての制約、そしてそれだけでは説明のつかない謎の存在などが小気味よく紹介される。
 丸の内線や銀座線の古い路線の逸話などはたびたび耳にするが、近年新しく延線された路線の話も面白い。電車は駅を出てまず下り、次の駅に向かって登っていくジェットコースター式(すり鉢状のアップダウン)になっている。理由は電気代節約のため。年間15億円の節電効果があるのだから、この手間のかかる施策も侮れない!
 本書を片手に地下鉄を乗り回してみたくなる。

 本書はシリーズもののようだ。同じタイトルで、地形編、都市の謎編などが出ている。本書は「地価の秘密編」ということで、地下鉄のウンチクの他、地下壕、怨霊、団地の秘密と章が続くが、地下壕以外は必ずしも”地下”に直接関連はない。
 関連なくても、明治維新の折、崇徳上皇の怨霊を鎮めるため王政復古の大号令の前に鎮魂の催事が、近代の世にまことしやかに行われたというのは面白い。
 団地の話も高度経済成長のあの頃、昭和を懐かしむ意味では興味深い(団地の語源、団地の三種の神器のひとつが内風呂”バランス釜”だった等の話)だが、本書にまとめてしまうのはいかがなものか。これはこれでもっと深堀りの出来るテーマだと思うし、ちょっと惜しい後半の(やや)蛇足部分。

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2017年02月12日

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