【感想・ネタバレ】母子月 ~神の音に翔ぶ~のレビュー

あらすじ

歌舞伎役者が命を懸けて守りたかったもの。

公演中に毒殺された歌舞伎の女形――驚愕の事情と意外な下手人!

女形の歌舞伎役者・二代目瀬川路京は人気低迷に足掻いていた。
天に授けられた舞の拍子「神の音」が聞こえなくなっていたのだ。
路京は座元と帳元の強い勧めもあり、現状打破のため、因縁の演目を打つことに。
師匠の初代路京が舞台上で殺され、さらに瀬川家が散り散りになったきっかけの「母子月」だ。
子役として自分も出演した因縁の公演を前にして、初代殺しを疑われた者たちが集まってくる。
真の下手人は誰なのか?
初代はなぜ殺されてしまったのか?
終幕に明かされる真相に涙を流さずにはいられない、感動の時代小説。

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Posted by ブクログ

歌舞伎ものの時代小説。すごく面白い。歌舞伎が題材の小説の中でも近年稀にみる傑作だ。
 名女形の父親が名を継がせると決めたのは実の息子か、それとも才能に惚れこんだ養子か、という設定が骨子となる小説。二人の友情物語も泣かせるし、親子愛、師弟愛の話でも泣かせる。そこに犯人捜しのミステリー要素も加わるから、唸るしかない。

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2024年08月22日

Posted by ブクログ

随所に出てくる言葉の表現がとても素晴らしい!母子月と言う狂言の世界での二人の子役のライバル意識や葛藤それに伴う事件と登場人物の心の表現等、又見物人の応援と感動は素晴らしい!心に残った一文は"何かを選ぶということは何かを捨てるということだ"特に芸の世界では特にそういうものかも知れない。

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

歌舞伎の女形・瀬川路京は『大川秋野待夜月』-『母子月』の
公演中、毒が入れられた水盃を飲み亡くなった。

与一坊と呼ばれていた二代目路京は名女形に登り詰める。
だが、今は人気も落ち芝居小屋はがらがらの状態。
物語は、与一の成長と歌舞伎に取り憑かれた者たちからなる。

P223
〈魂と魂のぶつかり合い
そこから人々を惹きつける芝居が生まれる。
「しゃらしゃらしゃらしゃら、ちんとんしゃん」と
三味線の音が鳴れば、芝居のはじまり、はじまり。

親子(母と子)の物語でもあるのですね。

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2024年04月01日

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