【感想・ネタバレ】JFK暗殺60年 - 機密文書と映像・映画で解く真相 -のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

ネタバレ

2024年2月読了。

著者は「映画評論家」として以前から知っていたが、《JFK問題の専門家》と云う顔をお持ちだと云うのは、本書が刊行されるまで全く存じ上げなかった。

いわゆる「ネタバレ」もしたくないし、著者個人を〝非難する意図なども全く無い事〟を先に強調した上で、個人的な読後の感想を書かせていただく。
            
先ず、本書はタイトルからも分かる通り「JFK暗殺事件から60年が経過し、様々な資料が徐々に明らかにされる中、決定打とも云うべき資料・証言等が明るみに出て、それ等に基づいて書かれた真相」を記した本の〝筈〟である。
ところが、一番核心の《今まで取り沙汰されてきた、数々の謎》については、「元CIA職員だった者が証言した『ヒストリー.チャンネル』と云うペイチャンネル番組で全て明らかに成り、今迄の謎は全て解けた」と、いきなり序盤で言い切ってしまう。
それも、諸々の権利関係が有るとは言え、具体的な証拠や説明は全て「読者もその番組を見ていただければ全ての謎は解ける」と繰り返し書かれるだけで、一体〝何の謎が具体的に立証されたのかが全く分からない〟のである。

そこから先は、1940年代のFDR時代のアメリカ政府が、いかにソ連のスパイやエージェント等に侵食されていたかと云う事、その後の朝鮮戦争で「共産主義の恐ろしさ」を思い知った政府が、180度態度を変えて「冷戦」へと繋がったこと等が、その当時の映画と共に語られていく。

しかし、この本の読者は〝JFK暗殺の謎の核心〟が知りたくて購入なり借りるなりして読んでいるのだ。「『ヒストリー.チャンネル』を観てもらえば全部分かる」のなら、本書の刊行の意味は一体奈辺に有ると云うのか。

名のある映画評論家である著者が、個人的理由で今までに出会った「関連する映画」や、近年の世界的危機に関して共産主義は《ソ連・キューバ⇒ロシア・中国》に変わっただけで依然として〝世界的脅威である〟話を、映画等と絡めてお話ししているのを拝聴するのに、この対価及び内容では全く釣り合っているとは思えない。

なまじ自分と基本思想が似ている為に「そんな事ぁわざわざ言われなくても知ってるよ。それより肝心の〝謎の話〟を聞かせておくれよ」と言うのが、読後の率直な感想である。
ちなみに本書を読んで「わざわざ『ヒストリー.チャンネル』に加入して見てみよう」とは金輪際思わなかった事だけ、最後に附言する。

#切ない #ダーク #じれったい

0
2024年02月02日

「ノンフィクション」ランキング