あらすじ
話題の生成AI、どこまでなにができる?
AIって結局、どんなしくみで動いているの?
最新テクノロジーで私たちの仕事は奪われる?
AIで働き方や生活がどう変わるのか知りたい…
ChatGPT、Bing、Claude、Midjourney、Stable Diffusion、Adobe Firefly、Google Bard…今世紀最大ともいえる変革を全世界にもたらした、生成AI。
この時代を生きるわたしたちにとって、人工知能をはじめとする最新テクノロジー、そしてそれに伴う技術革新は、ビジネス、社会生活、娯楽など、多様な側面で個々人の人生に影響を及ぼす存在となっています。
ただでさえ変化スピードが速く、情報のキャッチアップに苦戦するテクノロジー領域。数か月後には今の状況ががらりと変わってる可能性が非常に高い…そのような状況下で、今私たちは生きています。
ホットな話題でいえば、「クリエイターはみなAIに取って代わられるのでは?」「人間にしかできない価値創造ってなに?」など、これまで当たり前だと信じて疑わなかった「労働」「お金」「日常生活」などのパラダイムシフトが起こっています。
そんな今、まさにみなさんに手に取っていただきたいのがこの1冊です。
この時代を生きる多くの方が抱いているであろう不安や疑問、そして未来への興味関心に、本書はお応えします。
本書では、AI研究の第一人者である東京大学教授・内閣府AI戦略会議座長を務める松尾豊氏の研究室所属の今井翔太氏が、生成AIで激変する世界を大予測!
激動の時代を生きるすべての人にとって、これから到来する未来を生き抜くヒントと正しい技術的知識を提供します。
※カバー画像が異なる場合があります。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
生成AIは、世界を変えるのか。答えはイエスです
著者が言うように、読み終えた現在、AIの利用により新しい世界になった事を実感しました。
AIのイメージとして、文章を作ってくれたり、欲しい絵を描いてくれる。動画も作れるし、人が作った物と見分けがつかなくなっている。最近の印象としては、そんなイメージでした。
AI研究の専門家による様々な解説により、何となく知っていた知識を補完され、そして活用法についても考えさせられました。しかし、それも今時点の話であり、少し先の未来でも変わっているのかも。
AIによって、今後起こるであろう未来の事は、現在の人間では、想像できない。きっと私達では、少しも発想しない事や、不可能な事、様々な無理が解消されていく未来に期待したい。
Posted by ブクログ
AI関連ベストセラー書籍との触れ込み。そしてなんと、著者が同郷出身。これは読むしかない。
生成AIの仕組みは基礎中の基礎を一般向けに理解できる範囲でまとめてくれている。(仕組みを専門知識も交えて学びたい人は、「CatGPTの頭の中」をお勧めする。私は歯が立たない内容ではあったが)
なので本書の読みどころは、著者が考える生成AIが及ぼす人間・社会への影響を示唆してくれている点である。一昔前は事務作業などの専門知識が不要な職がAIに代替されるんだという認識だったが、現在は一部の超専門職(弁護士やら医者)を除く、専門職(プログラマや税理士など)がその標的になっている。生成AIの発展恐るべし。
しかも、人間の専売特許だと思っていた「暗黙知」や「創造力」である非定型作業も実は過去の知識や経験の新しい組み合わせからの表出であるので、生成AIがまさに得意とする分野であるとな。
スーパーインテリジェンスも現実味を帯び始める昨今、もう数年後には全く異なる時代の到来を予感させる。そんな時代を生きる人間は、まさに生きるとは何か?を根本的な問いとし今までの人文知とは異なる角度から挑む必要に迫られるという著者の予測。繰り返し言及される「予測できない」未来に不安と期待を抱く。
定期的に生成AI動向のチェックと、実際に生成AIを生活の中で活用してみよう。
Posted by ブクログ
面白かった。今まで魔法のように感じていた生成AI、chat GPTの仕組みが分かって、少し正体が掴めたような感覚。特に仕組みの部分は興味深かった。
また、生成AIの誕生で、自分が想像していた以上の変化が生まれつつある(現在進行形)、またそれは創造の世界にも足を忍ばせており、少し抵抗感を持つという意見も分かる気がする。結局は、筆者が言っている通り、技術は人ができることを拡大するものとして、まずは生成AIを理解し、利用できるところは利用するというのが良いのかなと思った。
Posted by ブクログ
今は2024年ですが2年前の2022年が「生成A I元年」のようですね、ChatGPTを使って論文を書いた人や作品を作った人も周りにいて、インターネットが世に出てきた時以上の「動き」を感じます。今、新しい事業に取り組んでいる人は、10年後にはビックネームになっていると期待しています。
さて私ですが恥ずかしながら「生成AI」についてよくわからず、何か勉強しようと思って本屋さんの新刊コーナーを回っていてこの本を見つけました。何かの本で読んで思わず納得したのは「AIが人の仕事を奪うのではない、AIを使いこなす人が使いこなせない人の仕事をやる(奪う)」というフレーズです。この本を皮切りに今後も「生成AI」を勉強して自分の手足になるようにしたいと思っています。
以下は気になったポイントです。
・私たちは、ほんの少し前までとは全く別の世界に生きています、とある技術(生成AI)の革命をめぐって、信じられないほど多くのことが起こっています、人間の歴史の転換点だとまで言っている(p3)そのため本書では、今後普遍的に重要だと考えられる生成AIの技術的基礎と、確実に起こるであろう社会的影響の話題に集中して取り上げることにした(p6)
・生成AIとは、新たに文章や画像、音声などを作り出すことができる人工知能技術の一種である、現在の生成AIは、ディープラーニング(深層学習)によって実現されている、深層学習とは、機械学習という人工知能の要素技術の中でも特に人間の脳に近い模倣した深いニュートラルネットワークを学習する手法を指している(p18)
・生成AIはその影響があまりにも大きく、これまでの汎用技術とは比較にならない速度で変化が起きている、2022年前半の私(筆者)を2023年の現在に連れてきたら、ネットや記事、SNS、新聞の見出しを見てどれだけびっくりするか想像もつかない(p27)
・AI研究者の究極目標は、汎用人工知能(AGI:Artificial General Intelligence)の実現である、人間の知能は、言語の使用・視覚処理・運動・ゲームプレイなど、さまざまなことを行える、まさに「汎用的」である(p31)
・ChatGPTは、穴埋め問題の学習、教師ありファインチューニング、人間からのフィードバックに基づく強化学習、を大規模に行うことによって実現された(p66)
・人間が自分の知識だけでは答えられない状況に遭遇した時何をすべきでしょうか、きっと検索エンジンを使って必要な情報を手に入れようとするはずです、言語生成AIも同じです。このように言語生成AIに対して、外部の知識を参照させて回答させる技術をRAG(Retriveval Augmented Generation=検索によって強化した生成)と言う、端的に言えば、人間でなくAIが使う検索エンジンの技術である、Bingチャット、Google BardではこのRAGが実装されている(p95)
・AIの影響を受けにくいとされる職業は、ほとんどが手足を動かす肉体労働を行うもの、いわゆるブルーカラーと呼ばれる職種である、一方影響を受けやすいとされる職業は、エンジニアや研究者、デザイナーなど、高度な判断力や創造的な思考が必要とされているもの、いわゆるホワイトカラーと呼ばれる職種である、最終的な結論として、全職種の8割が何らかの影響を受け、さらにその中の2割ほどは労働の半分がAIに完全に置き換わるレベルの影響を受けるとしている(p104)
・必要とされる訓練が短い、または学位の要求が低く賃金が低い職業であるほどAIの影響を受けにくく、逆に訓練期間が長く、学位が必要で賃金が高い職業ほどAIの影響を受けやすい、ただし本当に習得に時間がかかる高度なスキルが必要とされる職業に関してはその限りではない、(p105)
・現時点である程度説得力のある説を述べると、人間の創造的な作業とされてきたものの大半は、実は「過去の経験の中から、価値のある新しい組み合わせを見つけること」であり、生成AIは、膨大なデータ学習からこれを見つけられるようになった(p111)
・カスタマーサービスとソフトウェア開発の2分野においては、生成AIブーム以前に、生成AIの導入が進んでいたという特徴がある。カスタマーサービスにおける生成AIの強みは、サービスの質を落とさず、場合によっては高い顧客満足度と高速化を達成しつつ、顧客とのやり取りを半自動化できることにある。またこの分野では、新入社員では生産性が低く、トレーニングコストが大きいにもかかわらず、離職率が高いという背景があり、企業が生成AIを導入する強い動機となっている(p122)
・ボーデンという研究者が提唱した創造性とは、1)組み合わせ的創造性(=既存のアイデア・知識の組み合わせ(引き算含む)による、2)探索的創造性(=既存のアイデアや知識を何らかのルールや手続きに従って探索することによる)、3)革新的創造性がある(p157)これらのうち、1)と2)は生成AIで可能、3)は難しいが、これは人間でも同じ(p158)
・創造性を発揮して何かを生み出すとき、単に物事を組み合わせるというだけでなく、個人的な感情や思想、個人の持つ「ストーリー」が映し出される、この個人的な感情、思想、ストーリーが反映された創造的行為こそが「創作」と呼ぶに値すると考えている(p162)
・本来は人間が行なっていた作業がなくなるわけなので、人間は別の活動に時間を割けるようになる、そしてそれは人間にしかできない活動になる、業務であれば、ルーチン的な事務的作業や資料作成ではなく、根本的な事業改革のアイデアを生み出すことや、社会や人間の未来に対してどう貢献するべきかを考え直すことである(p199)
・生活レベルで言えば、人付き合いに割く時間や、個人が「楽しめる」時間を増やすことである、ゲームでも動画鑑賞でも読書でもいいはず、AIは人間の代わりに仕事をやってくれるが、人間の代わりに楽しむことはできません、自由な時間は人間が創造性や独創性を発揮させ、新たな発見や発明、芸術的な表現を創出する源泉となる(p200)
・今後は、簡単なことではないが、行動することを厭わず、できるだけ動いた方がいいし、新しいものを見たり試したりした方がいい、高次な視点から言うと「自分自身のメタ認知をもう少し上げた方がいい=自分の行動や思考の癖を俯瞰して観察して、これができるといいのではないか」(p233)
・必要なのは、AIに対してうまく指示ができるスキル、プロンプトエンジニアリング、つまりAIから望ましい出力を得るために、指示や命令を最適化するスキルが必要である(p234)社会の変化に対してどう対処していくか、世の中の人たちの行動は二極化していく、変換していくのは当たり前と自分もどんどん対応しようとする人、一方で、何かをやりたい、やらねばと思いつつ、結局買われない人もいる。両者の違いは、今後ますますはっきりしていくのではないか(p235)
2024年9月19日読破
2024年9月20日作成
Posted by ブクログ
一度で理解するのには、ややボリューミーだった。多岐にわたる分野の話題、話の深さでただ圧倒される。
生成AIは拒否することができないほど、生活に入り込んでいること。
今後指数関数的に想像の及ばない程のスピードで発展していくこと。
人間ができること、人間がすることの必要性や意味を再定義する必要が出てくることなどが頭に残った。
AI初心者として基礎知識をつけたいと本書を読み始めたが、AIの知識は求めれば求めるほど奥深く、手に入らないものな気がした。
Posted by ブクログ
ちょっと難しかった。生成AIの現状と問題点を率直に書かれている。世にAIを否定的にな考えに対しての筆者の見解も書かれてためになります。
いずれにしろAIは今後も不可欠なツールとして人間は使っていく。5年先どんなAIしゃかいになるか予測つかない。
巻末で筆者の所属する東大松尾研究室の松尾先生の国の指示で、他人の指示で動くのではなく、本人が主体性を持ってAIにAI社会に立ち向かわなければいけないと話されているのが感銘を受けた。
しばらくはこの本をひっくり返し、本棚からたびたび引っ張り出してくる時を過ごすような気がする。
Posted by ブクログ
生成AI、技術の進歩は止まらない。だからこそ、自分が活躍するには何ができるのか、そして自分はどんな人間か、メタ思考で自分を捉えておく必要があるのだと感じた。哲学を学びたい気持ちになった
Posted by ブクログ
生成AIについて良くまとまった本。少し情報が古く執筆時点では、2023年の情報が主であり、ChatGPTについてもゆ古い情報となっている。
しかし、筆者もきれているが、生成AIの成長の早さはこれまでと比べ物にならないくらい早く、この本に書かれていることがすぐに古くなることがよいことだとも言われていました。
その視点でもこの本は書かれており、人と同等以上の知的存在として生成AIを考えるという視点でも書かれている。
どのようにして、現在の生成AIが生まれたのか、そして今後どのようになっていくのか、AIは人と同等になれるのかなど筆者の視点でいろいろ書かれている。
AI初心者から、ある程度理解している人まで幅広く楽しめる本。
5年後くらいに再度読み返してみると、AIがどの程度成長しているのか楽しみ。
Posted by ブクログ
生成AIについてよくまとまっており、知るべきことがコンパクトに整理されているため、まずはこの本から始めれば良いといっても過言ではない。
日進月歩する技術の中で、本質的な部分と、明日になれば変わってしまう部分との見極めをしながら技術のキャッチアップに努めたい。
巻末の対談は普段はあまりちゃんと読まないが、松尾先生と著者の共通の趣味がゲームで、ゲームに勝つためには極端な行動をする必要がある、という実生活にも通用するような金言が心に残った。
Posted by ブクログ
生成AIは汎用技術となり、これからの未来社会を変えていくことは間違いない。
今現在も、日々新しい機能が追加されて、世間を賑わせているが、これがいつか普通になり、生活の一部に当たり前のように組み込まれていくはずである。
我々はそんな過渡期に生きているのだと、自覚しなければならない。
AIに何が出来て、何が出来ないのか。
人間に何が出来て、何が出来ないのか。
そんな議論も闊達に行われているが、人間とは案外忘れっぽいもので、日常生活に組み込まれた段階で、普通に何もなかったようにAIを使いこなし、共存していくような気がする。
それは過去の歴史を紐解けば、ある程度は理解できる話だ。
今や電気なんて、使えるのが当たり前だし、インターネットだって日本で言えばほとんどの人が普通に使いこなしていると言っていいだろう。
(一部の高齢者は、今でも難しいかもしれないが、裏側システムのほとんどはインターネットの仕組みで動いていたりもする)
だからこそ、AI進化中の過渡期である現在が、混迷しているのも事実である。
先が分からない未来に対して、「こう変わる」という答えを求めたい気持ちもよく分かる。
私自身も様々な書籍を読みながら、未来世界を夢想して、自分をどうやってその未来に対応させていくかを考えているからだ。
自分を追い込んでいく、というよりも、むしろ未来がどうなるのかワクワクしながら想像している方が合っている。
子供の頃に夢見た未来世界が、ほんの数年後に訪れるのだと思うと、本当に感慨深い。
2022年に突然登場したChat-GPTは鮮烈だった。
生成AIが「言語」を獲得したということが、本当にすごいことだと思う。
人類も言語を獲得したことで「認知革命」に繋がったというのは、「サピエンス全史」で語られていたことだ。
言葉を操る生物は他にも確認されているが、人間の言語は他の生物とは大きく違う。
それは「概念」についても伝えられるようになったことだという。
これは確かに大きい。
AIが今後「概念」を理解していくかは分からないが、現状の生成AIの回答文章を読んでみると、大きな違和感を感じられない。
これらAIの進化を追いかけてみると、技術的には「ディープラーニング」が一つのブレイクスルーだったと言われている。
ディープラーニングの技術については割愛するが、それによってAIが得られたものは、生物でいう「目」だと例えられている。
目の獲得によって、大量のデータから様々なことが分析できるようになった事が、具体的な大きな変化だ。
画像診断などが代表例だが、人間が自分の目で見るよりも、AIの目を使った方が、より正確に物事を観察できる。
リアルタイムで高解像度のカメラを使うことに限らず、撮影済みの画像や動画を後から読み込むことも、AI側の技術的処理としては同じようなものだ。
少なくとも、カメラ撮影した画像を認識して、何らかの回答を出せるということであれば、それは目を獲得したと言ってよいだろうと思う。
そしてディープラーニングの技術をさらに進化させたものが「生成AI」だとすれば、それは「言語の獲得」と例えられるとのこと。
これも納得だが、人類が言語を獲得して、認知革命に繋がったのは前述の通り。
つまり、「AIに認知革命が起きたことと同等」という論に、さらに納得してしまった。
これは、時代の転換点を考えると、非常に意味深い話だと思う。
賢い蟻も、愚かな蟻も、人間から見たらほとんど同じ。
「賢さ・愚かさ」に多少の差があったとしても、それは人間からすればほとんど関係がない話だ。
これと同じことが、これからAIが進化した先にある「超知能AI」にも当てはまることとなる。
賢い人間も、愚かな人間も、超知能AIから見たらほとんど同じ。
人間にとっては大きな差かもしれないが、その頃の超知能AIにとっては、関係ないレベルということになる。
生成AIが超知能AIに進化し、人間の思考をはるかに超えた存在になっていく。
現代の天才たちですら、AIが進化して、未来がどう変化していくのか、想像がつかないと言っているのに、そんな未来世界で、本当に人間は何をすべきだろうかと考えてしまう。
過渡期の現在だが、むしろこの流れをきちんと把握しておかないと、後からキャッチアップしようとしても、これは相当に大変になってしまう。
そういうつもりで、今の段階から少しずつでも追いかけていくしかない。
2025年の現時点でも「分からないことがあれば、AIに聞けば何でも解決してくれる」という状態だ。
生成AIの活用方法を、それこそ生成AIに聞いてみればいい。
人間がAIともっと会話して、人間自体がAIの思考法を知ることが必要な気もしている。
今後、人間が生成AIに問うことで、大量の回答が生成され続ける。
これら回答の一つひとつが情報であり、コンテンツとなり、他の人々の生活に影響を与えていくのは間違いない。
生成AI以前は、メディア企業が発信する情報に価値があったし、爆発的なUGC(User Generated Content=ユーザー生成コンテンツ)によって、個人がいとも簡単に情報発信できる時代になった。
今後、「情報の価値」はどう変化していくのだろうか。
生成AIが無尽蔵に情報を生成できる中で、人間自身が発信する情報は価値を生み出せるのか?
人間が敢えて創作する価値(意味)とは何なのだろうか。
やはり様々なことを考えてしまう。
今すぐには自分の中で答えが出せないが、問い続けること、模索し続けることが大事なのだろうと思っている。
時代は大きく変化している。
生成AIと上手く共存して、生き残っていければと思う。
(2025/5/24土)
Posted by ブクログ
生成AIの技術的な基礎と社会的影響を解説。わかりやすく書いてくれているとは思うが、それでも技術の部分はあまり理解できす。途中、著者らが見出した段階的に出力を引き出すプロンプトは実際、使ってみてとても有効であることを確認した。
Posted by ブクログ
書かれてほぼ2年後に読んだがすでに内容が古くなっている部分があり。テクノロジーの進化が早すぎる。一個人ができることは嘆き無為に抗うのではなく、その波を受け入れて乗りこなすのみ
Posted by ブクログ
本書を手に取った2025年と、本書が執筆された2023年を比較することで、技術進化の速さと予見の鋭さを実感できる。
特に印象的なのは、AIが人間を凌駕しても人間の価値が失われるわけではなく、むしろ評価され直すという視点だ。さらに、AI時代には主体的に活用する人と依存する人との二極化が進み、その差は行動力や学び続ける姿勢によって広がるという指摘は、未来を生き抜くための警鐘として響く。
長期的には、人間の精神構造さえモデル化されるかもしれない。そのとき社会は、生命や感情の意味を問い直すことになるだろう。恐れと期待が入り混じるが、この変化を体験できる世代として、この進化に主体的に関わり続けたいと思った。
Posted by ブクログ
時代に取り残されないための一冊。素人には難しい技術面の解説もありますが、全体的に読みやすく書かれています(技術面は飛ば読みしても大丈夫)。生成AIがどういったもので、今後どのような使われ方をするか、起こりうる問題点、日常生活にどんな変化をもたらすかなど。読むと生成AIが身近に感じられ、ちょっと試しに使ってみるかと思える内容です。
Posted by ブクログ
簡潔に生成AIの仕組み、例えば、ChatGPTなどの自然言語の生成は、次のワードを確率的に決定しており、学習は報酬系を用いていること、画像生成では、ノイズを取り除いていくことにより、理想の画像に近づけていくGAN(敵対的生成ネットワーク)が使用されていることなど、基本的なことが簡潔にまとまっており、大変読み易い読み物であった。
生成AIの仕組みとは別に、今後AIにより仕事が奪われるのか、のような統計も載せられており、読み物としては面白いと思ったが、刻一刻とAIは進歩していくので、この本のデータだけをソースとせず、ニュースなどを見ることで自分の中のAI像もしっかりアップデートし続けることが大事であると思った。
また、この本の真髄はなんといっても最後の松尾先生と著者の対談であろう。この対談では、日本のAI研究の最先端で活躍されている松尾先生の価値観を知ることができる。AIの発展により、行動するものとしないものの差が極端になる、という言葉は大変重い。動けないときはこの言葉を思い出して、少しずつ前に進もうと思う。
Posted by ブクログ
生成AIは、ディープラーニング(深層学習)と呼ばれる、たくさんのデータからAI自身がデータの背後にある構造や表現を学習し、自身が学習したデータと似たデータを生成できる能力を持つ人工知能の一種だそうです。生成AIのしくみが、難しいながらも私なりにざっくり理解が出来たことが一番の収穫でした。
もう少し詳しく説明しておくと。
・AIは、学習に使ったデータ自体をデータベースのような形で保持しているわけではなく、あくまで条件の重みの調整に使われるだけ。
・なにかデータや文章を作る際は、完全な文章の一部を空白にして、前後の文脈から空白を予測している。(リンゴは行く→×、りんごは黄色い→〇)どの回答が正しそうか、確率論に置き換えて計算し、結果を出している。リンゴは赤が多いが黄色もある事、りんごに動詞は結びつかないこと、などはインターネット上のすべてのデータから学習の参考にしている。
・ただし、このままネット情報ををパターン化して利用すると正しい回答が好ましい回答とは限らない。(上司との関係を相談した回答がぶん殴りましょう→×、話し合いましょう→〇)これを解決するために、何度か回答させたあと、好ましさの度合いにより人間がスコア(フィードバック)をつける。スコアの高い好ましい回答、これで報酬モデルを学習する。報酬モデルが完成すれば、あとは自動学習機能で高い報酬を得られるよう学習し続けるので、人にとって好ましい回答が出力されやすくなる。
・生成AIから出力を得るために人間が入力する指示文(プロンプト)は、工夫次第で精度が向上する。例えば、指示文に例を入れるとより回答が求めているものに近づく。(大学教授のように、など)
他にもノイズを除去して画像を生成するしくみの解説等もあったけど、そっちは人に説明できるほど理解できなかった・・
あとは、AIによって消える仕事のこととか、暮らしに与える影響、芸術に与える影響等多岐にわたって書かれていて、進化のスピードや未来のことなどが少しだけ見えてきました。
この本をきっかけに私自身もChatGPTを使うようになり、めちゃ頼りになるので怖いくらいです。。
生成AIの入門書
技術的なところがかなり分かりやすく書かれていたため入門書として分かりやすい一冊であった。
雇用の項目があったが、今後必要だと断言できるスキルの予測は難しく、それだけ技術変化の激しい世の中である。
松尾先生の対談でも述べられていたように「変化に対応し必要だとスキルをキャッチアップし続ける」このスキルが重要だと感じた。
自分の人生、変化を楽しみ生きていきます。
Posted by ブクログ
本が出た当初に読めば、なるほどと思えることは多数あったのだと思うけど1年経った今では特に目新しいことはないという印象。
生成AIに行き着くまでの話は面白かったです。
生成AI絡みの話は日進月歩すぎて、本にすることの意義はまだあまりないのかもしれない。
Posted by ブクログ
生成AIをざっと理解できた。
松尾教授と著者の対談が特によかった。
この本もすぐに陳腐化するのではないか?
生成AIの革新はそれだけ早いのだと思う。
Posted by ブクログ
仕事ではCopilotを使うことが多いが、いつか仕事を乗っ取られるのではないかと、うっすら脅威を感じていた。でも、本書を読んで、意外と自分達を助ける存在なのかも知れないと思えた。
Posted by ブクログ
生成AIの仕組み、今までのAIと何が違うか、それによって世界はどのようになると考えられるかなどを優しく説明してくれている。
AIによって置き換わるであろう仕事がブルーカラーよりもホワイトカラーということが印象に残った。
今の自分はChatGPTに質問をする程度しか使えていないが、もっと活用できるようにならないとと危機感を感じた。
また、作者が1994年生の年下だったことにも衝撃だった。
Posted by ブクログ
生成AI革命、の歴史の転換期、背後にある技術、社会から消えるしごと、残るしごと、創造の価値と、松尾先生との対談の5章から
わかりにくいことを噛み砕いて書いてくれているものの、わかったよーな??活用できるほどの理解はできてないかと…
Chat GPT
GPT = General Purpose Technology 汎用技術
だはなく言語生成AIはこちらとみなす、OpenAI社のGPTs are GPTs という論文より
GPT = Generative Pre-trained Transformer
AI 研究者の究極の目的は、汎用人工知能AGI Artificial General Intelligence の実現
人工知能AIという言葉は1956年アメリカのダートマス会議にてコンピュータ科学者のジョン マッカーシーが使用したのが初、「計算機に知能を持たせることができるのでは?」
AIには難しいだろうとされていた能力2つ、
想像的知能/ 作曲や化学研究、新しく価値あるアイデアを思い付く能力
社会的知能/交渉や説得、人間の感情を重視した対人コミュ能力
生成AIにはできる、頭を使わない簡単作業が難しい
生成AIは労働補完型か置換型か?
松尾先生曰く、
人間とはこういう存在だとAI技術の発展で相対的に理解され、社会はどうあるべきか?と高次の問いとの対峙することに
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この本が発刊されてから、1年半。この間でも多くの新しい技術が生まれている。ある時点での記録として本書は価値のあるものになるのでは。1年後、2年後にまた内容を振り返ると、予想の当たり具合、ハズレ具合含めて色々楽しめそう。
Posted by ブクログ
生成AIがどのような研究が進んで今に至るのか、が順を追って説明されている1冊。
新しい技術が発明された際、「必ず世の中が便利になる方向性に向かう」と僕は考えているが、そうだとしても考えるべき内容がいくつか紹介されていて、納得感がすごくあった。
例えば、生成AIは大量に学習することで高性能のアウトプットを出せるようになったが、その元となる膨大なデータの著作権はあるのか?というようなことが書かれていた。
厳密に言えばあるが、それを言い出してしまうと、Google検索にだって膨大なデータを活用している。あまりに規制をかけてしまうと技術が死ぬ。かといって、著作権の問題をないがしろにしてしまうと、クリエイターが傷む。生成AIを提供する側がクリエイターに対して、還元する仕組みを作れるといいとあったが、本当にその通りだと思う。
各個の技術的な議論は本誌に書かれているが、携わる多くの研究者の思考錯誤の中で技術的な課題を乗り越えてAIの進化が止まらなくなっている。どんな技術的課題がある(あった)のか詳しく書かれている。現時点を知るには、すごくまとまった内容だった。
実際はAIが作った画像に人間が作った、という偽の情報を加えたところ、人間が作った画像の方が高く評価される傾向があるという主旨の記載があった。まだまだ人間は人間によって作られたものを好むようだ。
2025年7月現在、僕自身も仕事で生成AIを使う機会も増えた。参考になる。でも、よく間違っている。AIにできることはまだ、確率と数式だと僕は考えているが、使えるツールになっている。考えてもらう作業を外注している感覚。
「こう考えているんだが、そのストーリーは合っていると言えるか?合っているならその根拠を、間違っているならばその反論をお願いします。すべて信頼できるデータを伴いながらあくまでもロジカルに述べてください」とお願いしている。
大量な定型業務はAIに思いっきり任せて、生まれた時間で、人間らしさとなる大事な部分として気持ちを込めて仕事をやっていきたい。AIに使われるではなく、AIを使う方法を学んでいこうと思った。
Posted by ブクログ
平易な言葉で解説されているので、初心者でもわかりやすい。生成AIはほぼ使っていないに等しいが、上手く使いこなせるようになるためにも、どんどん使って学んでいかなければ。AIの進化によって、人間にしかできないことに時間を割けるようになればいいが、生活に余裕ができて楽しむ時間が増えるとはどうしても思えない。まずは日常生活から生成AIを活用して余剰時間を産み出せるように活用していきたい。
Posted by ブクログ
生成AIでの世の中の変化を語る本。これからのAIを使いこなすのが当然となる時代が来るのは必然なのか。時代の変化に対応するためにも積極的に知識を得たい
Posted by ブクログ
本書は、生成AIについての基本的な仕組みや概念を、専門知識のない一般読者にも理解できるように丁寧に解説している。技術書というより、むしろ「生成AI入門の教科書」として、初めてこの分野に触れる人にとっても読みやすい構成となっており、学びの入り口としてふさわしい一冊である。
近年、生成AIを「すべての正解を教えてくれる万能な存在」と誤解している人が散見される。「生成AIがこう言っているから間違いない」といった具合に、その出力を無批判に信じ込む人も少なくない。現時点ではごく一部にとどまっているが、今後この誤解が加速度的に広がっていくことが懸念される。
生成AIはあくまで“使うべきツール”であり、“使われるべき存在”ではない。判断を放棄してAIの出力に依存するようになれば、それは技術の利便性を超えて、極めて危うい領域に踏み込むことになる。特に情報操作や心理戦の文脈において、生成AIが重大なセキュリティリスクとなる可能性も否定できない。
そうした意味でも、本書のような教科書的な一冊は、生成AIを利用しようとするすべての人が一読すべきであると感じる。ツールとしての本質を理解せずに使うことの危うさを、あらかじめ認識しておくことが今後ますます重要になるだろう。
一方で、タイトルにある「生成AIで世界はこう変わる」という未来志向の視点については、やや物足りなさを感じた。筆者自身、これからの社会がどのように変化するかをあえて断定していないようにも思えるが、本書の主眼はむしろ「すでに変わりつつある現実」に向けられている。そうした意味で、実際の内容を端的に表すなら、「生成AIで世界はこう変わっている」という現在進行形の方が、より的を射ていると感じた。
というこの感想文も、原案をChatGPTに校正してもらった。
その完成度には、もはや戦慄すら覚える。