あらすじ
1970年代から原発問題に取り組み、関連著書に『原発列島を行く』(集英社)、『六ヶ所村の記録』(岩波書店 毎日出版文化賞)などがある鎌田慧氏。福島原発事故後の東電や国の対応についての情報分析はもちろんのこと、この本のもう1つの見どころは、事故が起こる37年前、1976年の福島原発ルポである。原発の風下に植えられたムラサキツユクサの突然変異率の高さ、周辺地の松葉から検出される高濃度の放射性物質、奇形児出産の噂、白血病の多発……。どれもこれも、原発との因果関係を立証する術はない。ただ著者は、行って、見て、聞いて、そして書いていた。福島ばかりの問題ではない。すぐとなりに潜む恐怖を、あなたは感じ取ることができるだろうか。
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Posted by ブクログ
ずっと原発反対を訴えてきた著者が、今回の福島原発だけでなく、過去の原発事故をもとりあげて、原発がいかに危険なものなのか、また、電力会社の隠蔽体質、自分達の利益のためなら、人の命は簡単に切り捨てるそんな体質が何十年もずっと変わっていないことがよく分かります。
今回の原発事故が起こるべくして起こったのです。電力会社は犯罪企業です。でも、ほとんど誰も罪に問われない。罪に問われたとしても、軽い量刑で片付く。だから、全然彼らにはこたえない。
「利益さえあがれば、世界中を核汚染させてもいいとする企業姿勢は、いずれ世界から見放されることになる。」
Posted by ブクログ
原発暴走列島 単行本(ソフトカバー) – 2011/4/27
エネルギー政策までは踏み込んでない
2011年11月27日記述
自動車絶望工場などの著作がある鎌田慧さんの本。
今回の震災を受けての原発事故についても述べているけれどもこの本の多くはかつて著者が発表したものを再編集した本。
反原発の立場からの取材が中心。
当たり前だが電力会社、それを進めた自民党政権、への批判は厳しい。
マスコミについても広告費関連のためかベタ記事で済ませてきた過去が分かる。
物足りない点は基本的にこれまでについて語っており、これから(未来)どうするべきかが脱原発のみでエネルギー政策をどうするかまで踏み込んでいない点。
風力や太陽光ではやはり限界があるのも事実なのだ。
また、編集が甘いという指摘が他のレビューにあった。それ以外に漢字の変換が奇妙に思う点があるのもいただけない。例(そのご)
漢字をなるだけ使わないという方針ならそれはそれで良い。
しかし読んでいてひっかかりを覚えるようなひらがな変換はやめて欲しい。
ニュース、新聞などの使い方に合わせて欲しい。