【感想・ネタバレ】拳の漂流 「神様」と呼ばれた男ベビー・ゴステロの生涯のレビュー

あらすじ

無敵の28連勝、傷害で逮捕、永久追放、失明、孤独死……。ピストン堀口より強かった天才ボクサーの波瀾万丈!――大阪ミナミにいまも生き続ける「ベビー伝説」。昭和20年代に「最強のボクサー」といわれたフィリピン人の遺骨を胸に、著者はベビーの故郷イロイロへ向かった……。

「ベビーさん、冬、今年の冬にイロイロへ行ってくるわ」
「冬…。フィリピン、冬ないよ…」
「そう、だから、僕が、イロイロへ行ってくるわ」
「イロイロ…イロイロなあ…」
故郷の名前を何度も口にしたあとでベビーは
「泊まる…とこ、あるんか」。確かにそう言った。――――「第7章 冬のない故郷」より

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Posted by ブクログ

再読本。
無敵のボクサー、ベビー・ゴステロについて。
知らなかったボクサーだが、読み進めていくとこの男のファイトに非常に興味が持ててくる。
「辰吉も強いけど、そらベビーさんと比べたらかわいそうや。全然ものが違うわ」
左手をだらりと垂らした状態からのファイト(ハメドの先駆けか)で無敵、「ピストン10日、笹崎7日」”拳聖”ピストン堀口は10日の練習、”槍の笹崎”は7日の練習で倒せるという桁違いの強さに、読んでていて興奮した。
しかしながら、不遇の晩年を送り彼の遺骨を持ってフィリピンまで向かうこの元産経記者の行動とルポとしての完成度も立派なものがある。
もっともっと評価されてよい一冊だと思う。

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2012年07月18日

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