【感想・ネタバレ】厳冬之棺のレビュー

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孫沁文の長編デビュー作。日本には同人誌に一度短編の掲載があったのみ。漫画家探偵の安縝シリーズ第一弾。

湖一帯の土地を持つ名家、陸家で通路が水没した地下から他殺体が発見される。地下室と死体は全く濡れておらず、死亡推定時刻より前に、地下までの道は水没したことがわかっている。振り回される警察を嘲笑うかのように、第二の密室殺人が発生し。。。

中国ミステリは久しく読んでいなかったが、雰囲気、トリック共に良かった。名家と古い一族を舞台とした密室殺人、横溝正史+ディクスン・カー的な。密室の実現性が低いというか、所謂、バカミスに紙一重なトリックもあるが、トリックだけに終わらず、軽いどんでん返しも用意されている。

サラッと読める厚さだが、非常に面白く、翻訳が続いてほしいシリーズの一つになった。

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2023年11月03日

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華文ミステリ界で「密室の王」と呼ばれる作家さんの長編デビュー作とか。稚気溢れるというか、何のてらいもない感じで、ミステリファンが好きそうなネタ(人里離れた不気味な館に住む、おぞましき伝承に彩られた、奇矯な富豪一族を襲う、呪いとしか思えない連続不可能殺人! に挑む天才探偵)がてんこ盛りである。メインはやっぱり三つの見立て密室殺人。そのどれもが長編を一本支えられそうな重量級のトリックで、作者さんの力の入れようが分かる。トリックの実現可能性とか、そもそもの密室にしなければならない必然性が弱いとか、いろいろ突っ込みどころはありますが、読んでるとまあいいかって気がしてくる。こういう作に対してしかめっ面で、ケチ付けて回るようなミステリファンにはなりたくねーなって感じでしょうか。

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2023年09月24日

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中国の「密室の王」と呼ばれる作者の作品。
舞台設定や人物もまずまず面白く、若干怪奇的な部分もあり、漫画家が探偵で、第二の密室の謎をあっさり見破るところぐらいまではテンポもよく、面白かったが、、、。
第一、三の密室は大掛かりだし実現可能かどうか理解が追い付かない。また犯人の行動も実現可能かかなりあやしいし唐突な印象。次作に期待。

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2024年02月19日

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湖のほとりに建つ陸家の半地下室で、当主陸仁(ルー・レン)の遺体が発見された。地下室の入り口は大雨により数日間水没していたが、内部の床は乾いており、完全な「水密室」状態だった。そして殺害現場には、なぜか嬰児のへその緒が。梁良(リャン・リャン)刑事は捜査を開始するが、陸家ではこれ以降も新たな密室殺人が起こる。どうやらこれには陸家にまつわる謎が関連しているようで…。
怒涛の連続密室殺人、そこに現れるの天才漫画家探偵の安縝(アン・ジェン)。「密室の王」と異名をとる著者の初めての長編作品。

初めて華文ミステリーに手を出したが、意外と読みやすかった。もう少し名前で苦戦するかと思っていた。オカルトめいた見立て連続殺人に加えて、探偵が有名漫画家というエンタメ感てんこ盛りなミステリ作品。密室のトリックは物理的にはできなくもないか?と思うものだったので、少々肩透かしを食らいました。現実的に再現できそうなのは二つ目の密室殺人。ドミノ倒しの原理は「この方法があったか!」と納得した。犯人当てはメイド2人が犯人だと思ってました。つまり、すっかり炎色反応のことも忘れて、真犯人ともども安縝先生に騙されたと言うこと。だけど、何だかなぁ。あまりこの人犯人!って言われても釈然としない感じ。伏線は色々撒いて回収しているのだが何だろう撒き方と拾い方が雑なような…(ブルーシート云々等)。このままメイド2人が犯人って言われた方が納得できたし、「犯人当てれたルンルン!」で終われたのに…(所詮負け犬の遠吠えです、忘れてください)。

女児が生まれない家系、嬰児の呪い、癖の強い住人。このような女児を意図的に排除する風潮は、前時代的だが「実は日本でもあり得そう」なシチュエーションだなと思う。その他の海外ミステリーでは「呪い」と組み合わされた作品を見かけないので、東アジア圏特有なのかしらん。

ただ、続編への導入や残された謎もあるので、シリーズものとしてはとても気になる終わり方だった。「死のクロッキー画家」が安縝先生の身近な人物だったのか。もし続編が出るのであれば、読みたいなぁと思う作品。期待を込めて☆3。

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2024年01月29日

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