【感想・ネタバレ】世界の国1位と最下位――国際情勢の基礎を知ろう――のレビュー

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眞淳平(しん じゅんぺい、1962年- )は、ライター・編集者。
東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修士課程、法政大学大学院社会科学研究科修士課程修了。集英社勤務を経て(有)エコ・パブリッシング代表。環境問題、社会問題、国際関係等が専門


10年前の本だから最新ではないんだけど、イデオロギー抜きにしたデータの集積の本で面白かった。数字を意識しないといかに思い込みとらわれるかということがわかる。日本は地図的に小国だとなんとなく思い込んでたけど、国土面積は上位30%だし、海入れたら世界6位だし。日本の軍事予算はGDPの0.98%でG7に比べて低いらしい。



大国・・・ロシア、アメリカ、中国
小国・・・バチカン、モナコ、サンマリノ、リヒテンシュタイン、マルタ、アンドラ、ナウル、パラオ、トンガ、キリバス

日本の国土面積・・・世界60位。上位30%でやや大きい島国、海を入れたら世界6位

日本人口1億人・・・世界10位

老人人口20%以上・・・超高齢化社会。日本は世界一の高齢者大国。2位イタリア3位ドイツ

人口最小・・・バチカン、ツバル、ナウル


政府予算が大きい国(税金が高い国)・・・アフリカのレソト、フランス、ハンガリー

国民負担が小さい国(税金が安い国)・・・産油国、アラブ、ドバイ

軍事予算が高い国・・・アメリカ50兆円で世界の40%

日本の軍事予算・・・4兆円。

軍事力が世界一小さい国・・・この非武装国家の例としては、中米のコスタリカ、パナマ、ヨーロッパのアイスラン ドやリヒテンシュタインなどがあります。バチカンもそのひとつであることは前述したこれらの国では、さまざまな理由によって、軍隊を持つことをやめています。


さらに中国との間には、「尖閣列島」という島嶼地域の帰属をめぐる問題もありま す。また、日本最南端の島である「沖ノ鳥島」を、中国は「島」ではなく「岩」だと主 張しています。もしこの主張が認められてしまえば、日本の排他的経済水域の面積はそ の分小さくなってしまいますから、日本政府もこの問題には敏感になっています。


そこから反転して、中国の急速な成長がはじまるきっかけとなったのは、最高指導者 の部小平が、一九七八年にはじめた「改革開放路線」です。 彼はこの時期、政治面では社会主義と共産党が指導する体制を維持する一方で、経済 面では資本主義の要素も取り入れた柔軟な政策を開始します。 たとえば、ある特定の地域に「経済特区」をもうけ、そこに外国の資本を積極的に誘 致するなど、これまで見られなかった取り組みを実施しました。また農村では、効率の 悪かった「人民公社」が解体され、家族単位での農業もおこなわれるようになりまし そうした政策は、働けばそれだけ多くの収入が得られる、という意識を人々にもたら しました。これによって、中国の経済規模を示すGDPは、飛躍的に成長をはじめたの です。その勢いは、一九九一年以降、経済成長率が毎年一〇%前後を記録しているとい うほどです。 このままの傾向が続くと、二〇五〇年までには中国のGDPがアメリカを追い越し て、世界一になるという予測もあります。現在の中国経済には、そうなってもおかしく はないほどの勢いが感じられることもたしかです。

近年、日本近海で、中国海軍の活動が目立つようになってきています。 たとえば二〇一〇年四月には、駆逐艦や潜水艦を含む中国海軍の艦隊が、東シナ海で 訓練をしたり、沖縄本島と宮古島の間の海域を通り抜けたり、といった事態が目撃され ました。これまで中国は、日本に警戒心をいだかせるこうした活動をほとんどおこなっ てきませんでした。そのためこれは、中国が東アジアの海域における存在感を高めよう とする活動の一環ではないか、と日本の多くのメディアが伝えたのです。

その一方で、日本の軍事予算の規模を見たときに、気づくことがあります。経済( DP)とくらべた場合の割合が、比較的低いことです。日本では、軍事予算がGDPに 占める割合は、二〇〇七年の数字で〇・九三%。一%を下回っているのです。 これに対して、アメリカは三・九九%、イギリスは二・二八%、フランスは二・三七 %、中国は一・四二%、ドイツでも一・二七%という水準です。このうち、中国の軍事 予算は実際にはさらに大きい可能性がありますから、この数字も本当はさらに大きなも のだと考えられます。ほかの主要先進国を見ても、日本よりこの割合が小さい国は、デ ンマーク(〇・九%)とルクセンブルク(〇・五七%)、そしてあとで紹介するアイスラ ンドくらいです。 日本の軍事力は、金額で見れば世界でも有数の大きさですが、経済とくらべればかな り小さい規模に抑えられている、ということができそうです。

この非武装国家の例としては、中米のコスタリカ、パナマ、ヨーロッパのアイスラン ドやリヒテンシュタインなどがあります。バチカンもそのひとつであることは前述し した。これらの国では、さまざまな理由によって、軍隊を持つことをやめています。

たとえば、データのある世界175の国・地域の中で、穀物自給率が100%以上の国は、たった2割弱の33%しかありません。 その一方で、穀物自給率が20%を下回っている国・地域の数は全部で40。50% を下回っている国・地域の数は69。80%を下回っている国・地域になると、全体の65%近くの112もあります。こうした国や地域では、程度の差こそあれ、消費する 穀物のうち、かなりの部分を輸入に頼らざるを得ないのです。

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2023年07月07日

Posted by ブクログ

キューバは進学率が高い、先進国で日本は意外と高等教育への進学率が低い、など意外なことが多かった。最近の政治情勢からみても、ロシアは元々キエフという街を中心にして建てた国家だったことや、その後の分裂など面白かった。国政情勢面白い~

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2022年04月01日

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ネタバレ

面積・人口・GDP・税金・軍事力・石油・天然ガスの生産、輸出・
貧困率・食料自給率・進学率

これらの世界の一位と最下位を指標を提示して比較
日本の順位も書かれています

中高生向け、良書だと思います
ただし2010年発行なのですでに情報が
現実と異なっている部分もあります

最後に著者は若い人の海外への留学の減少や
海外に対する関心が薄れていっている
ことに言及しています

「外の世界に目を向けないものは、同様の歴史を繰り返す可能性があります。自己満足や自己憐憫にひたっている間に、外からの変化の波が押し寄せ、その波に押し流されてしまうのです。外に目を向け、自ら外の世界に出て行ってこそ、その変化を予測し、立ち向かうことができます。」

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2015年09月11日

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岩波ジュニアなので、中高生向けですが、社会科を大雑把におさらいしたい、世界情勢に疎くてニュースについていけない、と考えている大人にもいいと思います。実際私も、この本を読む前より後のほうが、ネットニュースの経済欄などを実感を持って読むことができました。
歴史、地理、経済、政治、と多岐に渡る内容をコンパクトにまとめてあります。これを基軸にして、更に気になる分野の知識を、細分化された本で詳細に読むのも良さそうです。

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2013年06月27日

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世界各国や日本の状況、問題がわかりやすく書かれており、読みやすい。
色々な場面で、国土・資源・人口が重要になる。
日本のとっている政策の基となったものがわかったり、各国がどのような政策をとっているかもわかり、勉強になった。
一般的な知識を少し深くしたい人、世界情勢や、経済の下敷きとして読むと良いかもしれない。

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2011年08月20日

Posted by ブクログ

さまざまな角度から国家を見ることで、世界情勢を知ることができる。中でも、軍事力が大きな力を持つ。自国の発展を考え、国際交渉をしていくということは、複雑な要因を理解した上で行わないと、気づかないところで不利益になってしまう。自身に関する利益だけに注目することは、国全体として考えるとリスクである。

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2020年06月06日

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世界の国々の中から、「面積」「税金」「進学率」など9つの項目それぞれの第1位と最下位の国を紹介した本。
第1位はともかく、最下位の国についても書かれているのがありそうでなかった視点で、岩波ジュニア新書なのでよみやすい。また単に国名が書かれているだけでなく、その背景にある問題やそうした状況が生まれた経緯を知ることもできる。
高等教育「進学率」1位がキューバというのは驚いた。
また「貧困率」がアフリカ諸国で高いことは予想はされたがその理由の1つにゆがんだ経済構造があることについては考えさせられた。

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2017年03月23日

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面積・人口・GDP・税金・軍事力・石油・貧困率・食糧自給率・進学率の世界1位と最下位を紹介。合わせて日本の事情も説明。それぞれの解決策は示されていないが、最後に、結婚率を高めること、技術力を生かすことが日本の解決策であることと若い世代には外に向かって動くことを述べられていた。

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2017年01月23日

Posted by ブクログ

数年前、息子が中学生だったときにこの本で夏休みの読書感想文を書いていたのを思い出し、そう言えば、面積や人口等世界の上位の国は知っていても、最下位の国のことは知らないなあ、自分も目を通しておこうかな…と思っていてそのままだったことも思い出して、息子の本棚から引っ張り出してきた。
数年前の版なのでデータや国際情勢に変化がある内容もあるが、でも面積や人口について最下位の国や南アフリカ諸国の貧困率等、意識して情報をとりにいかなければ、普段知らないままでいてしまうような内容を押さえられるのは、大人にとっても良い本であると思う。「ジュニア新書」なので、分かりやすく、比較的中立的に問題提起している点も、大人が読んでも自分のすでに持っている情報と照らし合わせ、確認しながら読めてよかった。これからもっと掘り下げていきたい。

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2017年08月08日

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財政についてとか遺伝子組み換えの話とかはちょっと心配なところもあるけど、総じてこの著者の該博な知識に基づいた話は面白い。

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2015年09月05日

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まず、世界を知ろう。

高校生以上だったら大体は知っていることが多いのではないか。だから、特に、中学生~高校生くらいの若い世代に知っておいてもらいたいと思うことが多かった。世界に目を向けよう。あと、この数値は何をどう測っているのか、という統計のカラクリにも。

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2012年08月19日

Posted by ブクログ

世界で最も人口が少ない国はどこ?最も食料自給率が高い国はどこだろう?……。面積、軍事力、貧困率、進学率など様々な分野における世界の上位と下位の国々を紹介。日本の状況を交えながら、その歴史的背景や社会情勢、課題をわかりやすく解説します。世界の大国と小国とを対比させながら学ぶ、ユニークな国際政治・経済入門。

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2011年12月18日

Posted by ブクログ

 様々な統計データから、世界の国の1位と最下位を見ることで国際情勢を考える本。確かに、データを見て見ると、世界の国々にはやはり特徴と差があるわけで、あえて最も差のある部分に注目してその問題を考えることで、面白く勉強するきっかけとなると思った。
 面白い指標が「GNH」。Gross National Happiness、国民総幸福という概念で、ブータンの首相が唱えたもの。国民が自分が幸せだと感じるかどうかを指標とするというものだ。今の中国を見て見ても、GNPが高いわりに、人々の生活はあまり良くなっていない。ものもあるが、高いものはある一定の人しか買えない。多くが自分が不幸だと思っている。社会福祉関連費が予算のどのくらいを占めるかでいくと、さすがスウェーデンが1位。1人当たりGDPが最も低いのはアフリカのブルンジ。少子高齢化では日本はトップ。
 なるほどいろいろ考えながら読むと、意外なものや、思った通りのものもある。世界に興味を持って、単純な事象を眺めて見ればきっと違う世界があるに違いない。

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2011年07月01日

Posted by ブクログ

世界の国の様々な分野においてのデータを知ることができる。最後の章で、留学に行く気持ちがさらに強くなった。

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2010年11月25日

Posted by ブクログ

タイトルまんまの本だが、面白い。世界の国を様々なデータで紹介している地理本なのだが、自分に地理の常識が不足しているせいか、意外な国が一位になっているデータもけっこうあった。例えば石油産出量一位は中東かと思っていたらロシアだったり(考えればもっともかも)、高等教育への進学率一位がキューバだったり・・・。そういうデータの中で日本が位置付けられ、日本の課題が何であるのかも明確にしてくれる。

全体として、「一位と最下位」という「切り口」で成功している本だと思う。子どもだけでなく、大人にもお薦め。この著者は「人類が生まれるための12の偶然」(岩波ジュニア新書)も書いていて、こういう「切り口」を見つけ出すのがうまいのかも。

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2010年09月20日

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