あらすじ
「これは私の歴史的義務」!――ルネサンス期の医師・錬金術「哲学者」パラケルススは精神医学的医療の先駆者でもあった。ここに「無意識の心理学」の萌芽があるとみたユングが情熱を尽くして語る!!
●人間の本性のなかにある光
●医学から哲学までを大改革
●錬金術の心理学的意義
●魂の暗部を把握する
●人間の自然性と霊性の再統一
●アニマがあらわれる瞬間
●「永遠の少年」の出現
●瞑想による浄化法
●新生命が生まれる
●無意識の心理学の誕生
< この私の話が、パラケルススの秘儀的哲学に対するわれわれの認識を深めるための一助となれば幸いである。
私の目的は、彼の哲学の根源にあるもの、彼の哲学の心的背景というべきものへの道をさし示したいということに尽きる。多面的な存在であったとはいえ、パラケルススは、もっとも深いところで何よりも錬金術「哲学者」であった。
彼が「長寿論」で打ちだした先駆的諸観念の解明に、私なりに寄与することが、ほとんど歴史的義務であると思われたのである。>
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
心理学というのが一般的にオカルトと呼ばれていた領域とどのように密接に関係しているかを知ることができます。
難解で、マイナーな単語も多分に登場しますが、読み進めていく内に面白くなって行きます。
Posted by ブクログ
ユングがパラケルススについて考察した論文。
真理の探究者たるユングが真理の探究者パラケルススについて語るってんだからオモロイに決まってます。
んがっ「西洋オカルト系文化基礎知識」と「客観的=科学的分析力」が無いと読みにくいです。(辞書を片手に読んでも意味不明です、ユングが作った錬金術用語辞典でもありゃマシかも)
パラケルススは、当時にしてはカナリ高次な"世界を解釈する為の屁理屈(=論理?"辿り着いていたけど、やはり宗教(=それ自体が社会の中核であり、真理とされているモノ)が真理探究の枷になってしもうたんかな…と思った。
また時を置いて読み直すつもりです、も少し深く理解できるかもしれない。