あらすじ
世界NO.1を目前に、快進撃を続けるトヨタ。その強さを支えるトヨタ生産方式と改善の手法は、「ジャスト・イン・タイム」「自働化」「ムダ取り」などの用語とともに広く知れ渡っている。本書はそうした「トヨタ式改善」と「トヨタ生産方式」を、新書ならではのわかりやすい語り口で紹介するとともに、実は最も難しい「それをどう組織に浸透させていくか」までを語る。多くの業種・業態の現場にトヨタ式改善を指導してきた著者だけに、導入の過程で起こりうる様々な問題をふまえつつ、「リアルな」トヨタ式改善の手法を説く。まさに、「トヨタ式の教科書」の決定版的な一冊。
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Posted by ブクログ
・「改善」から「カイゼン」「KAIZEN」(16)
・トヨタ式カイゼンを実行するには、まず「トヨタ生産方式」を知ることが不可欠
・トヨタ生産方式
①人間の知恵の上に
②自「働」化と
③ジャスト・イン・タイムの2本の柱が立っている
・カイゼンは、豊田英二氏の発案(20)
-昭和20年代半ばに英二氏がアメリカに留学、フォード社で3ヵ月にわたって研修を受けた際、工場で目にした「サゼスチョン・システム」からヒントを得た
-英二氏はそれを日本に持ち帰り、「トヨタにはお金がないから、お金をかけずに知恵を使ってできることをやろう」と「創意くふう制度」を創設、以来50年以上にわたって続いている。
・「改善」と「改良」の違い-トヨタ式の解釈(24)
-改良はお金を使ってよくすること
-改善は知恵を使ってよくすること
・トヨタ式のPDCAサイクル(140)
-Plan, Do, Check, Action, Follow,Standardization(標準化), Value(評価), Plan...
-これらすべてに「think」知恵をつけることが求められる
・トップの役割(144)
-「トップのやり抜く意思」と「管理監督者が十分な役割を果たす」
-トップの姿勢は見られている、本気かどうかすぐに見抜かれる
・大量生産方式=つくり手の論理で成り立つ、トヨタ生産方式=買い手、お客様を通信に考えるつくり方(145)
・改善研修会(160)
-「あれがムダだ」「あそこが問題だ」という「診断士」ではなく、「こうすれば解決できる」と実践できる「治療士」であることが大切
・改善の基本=「答えは自分で考える」(164)
・トヨタ生産方式が目指すもの(188)
-「ムダを省いたモノづくり」だが
-あくまでそれを支えるのは、現場の「知恵を出して働く人」「改善力のある人」でなければならない
-ライン、工場に現場の知恵がついているからこそ、競争力は高まる
-このもっとも大切なことを忘れ、一気に理想のラインを持ってきても、それ以上の発展は望めない。発展できなければ、本当の意味で強いラインと呼ぶことはできない。
・ヨコテン(横展開)(193-4)
-ある部署でよい事例ができると、そのノウハウを他部署にも同じように広げ、トヨタおよびトヨタグループ全体の果実としようという考え方
-注意すべきは、それぞれの現場で働いているのは違う人であり、ある部署の成功例も、そのままコピーのように持って行くと、うまくいかない場合が多い。
-「モデルラインよりももっとよくしよう」というくらいの気持ちで現場の知恵を引き出すと、スムースにいきやすい
Posted by ブクログ
無駄を省く「トヨタ式」といわれる考え方や手法(かんばんやアンドン)の紹介と、それを導入して成功・失敗する例などをあげた紹介本。
車を組み立てるという工場・製造の話がベースなので、手法を求めての一読だと残念なことになるだろう。「これは使えそう」とか「うちには意味ないな」とか。
大事なのは「改善」を行うのにトップの理解や管理、なにより熱意が必要であり、また具体的なアイデアや手法はボトムから引き出すということで、「トヨタ式」の中身や枠をいただくのではなく、「トヨタ式」を「○○式」に変えることだと感じた。
そしてつきつめるところコスト削減とか品質向上は帰結する当然の結果であって、いかに気持ちの良い人付き合いをし、楽しい仕事をするかという土壌を育むという根底を育てることに重きが必要ではないかと考えさせられた。