【感想・ネタバレ】最強の現場をつくり上げる! トヨタ式「改善」の進め方のレビュー

あらすじ

世界NO.1を目前に、快進撃を続けるトヨタ。その強さを支えるトヨタ生産方式と改善の手法は、「ジャスト・イン・タイム」「自働化」「ムダ取り」などの用語とともに広く知れ渡っている。本書はそうした「トヨタ式改善」と「トヨタ生産方式」を、新書ならではのわかりやすい語り口で紹介するとともに、実は最も難しい「それをどう組織に浸透させていくか」までを語る。多くの業種・業態の現場にトヨタ式改善を指導してきた著者だけに、導入の過程で起こりうる様々な問題をふまえつつ、「リアルな」トヨタ式改善の手法を説く。まさに、「トヨタ式の教科書」の決定版的な一冊。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

トヨタ式「改善」の進め方
PHPビジネス新書 032
著:若松 義人
出版社:PHP研究所

トヨタのカイゼンのダイジェスト版
教科書的なものが目につくが、継続的に改善をするというのがいい
内容もよく知られたものを、まとめてあると思います

改善はなんのためか、お客様のためである
日々改善、日々実践

トヨタ生産方式とはなにか
「人間の知恵の上に、自働化と、ジャストインタイムのニ本の柱が立っている」もの

ジャストインタイムの特徴、ムラ・ムリ・ムダがなくなる
ジャストインタイムの3つの特徴
 ①後工程引き取り
 ②必要数でタクトタイムを決める(タクトタイム:1つの製品を作り上げるための時間)
 ③工程の流れ化

増える注文に対して、少ない人員で対応する、しかも労働強化はしない、智恵を絞り、さまざまな創意工夫を重ねることで乗り切る、これがトヨタ改善の原点だ

トヨタの8つのムダ
 ①不良・手直しのムダ
 ②つくりすぎのムダ
 ③加工そのもののムダ
 ④運搬のムダ
 ⑤在庫のムダ
 ⑥動作のムダ
 ⑦手待ちのムダ
 ⑧産業廃棄物のムダ

改善7つの手順
 検討手順
 ①改善すべき点を発見する
 ②現状の方法を分析する
 ③アイデアを得る
 ④改善策を作成する
 実施手順
 ⑤改善案を実施する
 ⑥実施したあとを確認する
 ⑦成果を全員で味わう

モノをさがすのは、仕事ではなく、ただのムダ、探さなくてすむ、職場をつくること

5S
 ①整理
 ②整頓
 ③清掃
 ④清潔
 ⑤しつけ

いらないものを捨てるのが、整理
いるものをいつでもとりだせるようにするのが、整頓

なぜ5 なぜを5回くりかえして、真の原因をさぐりだす

セールスポイントとは、QCD
 Q:品質
 C:コスト
 D:納期

不良を見つけるのではなく、不良をつくらない
そのためには、品質は、工程で作り込む

やさしい仕事 身体に優しい、そして、誰にでもできるように、仕事を易しく

在庫は、罪悪
在庫をもたないようにするには、生産、商品、開発、3つのリードタイムを短縮する

製造業の理想 お客様の顔をみて、売れるモノだけをつくる
必要なモノを、必要なとき、必要なだけ作るのがジャストインタイム

そのためには、生産効率を上げるのがポイント
 ①後工程引き取り
 ②必要数でタクトタイムを決める(タクトタイム:1つの製品を作り上げるための時間)
 ③工程の流れ化
 に加えて
 ④小ロット生産 を行う

価格の考え方 売値ー原価=利益
売値はお客様がきめるものであり、原価があがったとしても、簡単に売値には反映できない
つまり、原価は、計算するためのものではなく、下げるためのものである

2つの改善
 ムダ取り こつこつと改善する
 問題解決 はるかな高い目標をもって発想の転換を行う

削減の2つのタブー
 安全と環境のためのコスト
 品質のためのコスト

直接部門だけではなく、間接部門からも、ムダを排除する

改善は、作業改善、設備改善、工程改善の順で

前工程は神様、後工程はお客様

無理せず、粘り強く

目次

はじめに
序章 トヨタ式改善とはどんな成功ツールか―改善とトヨタ生産方式
1章 「その手があったか!」を見つけてムダをなくす―ムダの認識と5S
2章 競争力を「まったく別の水準」に高める―品質・納期・コストの改善
3章 いい「トップダウン」を機能させる―管理者とトップの役割
4章 成長の踊り場と天井を突き抜ける―間接部門の改善
5章 「育てる」「育つ」最強サイクルの完成―人を育てる改善
おわりに

ISBN:9784569691893
出版社:PHP研究所
判型:新書
ページ数:224ページ
定価:800円(本体)
2007年06月04日第1版第1刷発行
2010年09月28日第1版第5刷発行

0
2025年09月06日

Posted by ブクログ

素晴らしい!!
今後も社会人、サラリーマンとしてのバイブルになると思います。

この本はトヨタ式「改善」を第三者が書いているのではなく、著者自身がそれを推進してきた経験で書かれているので、説得力が違います。
また、著者はそのノウハウをトヨタ以外でも実践し、さらに他の経営者からの相談等から陥りがちな失敗例を豊富に紹介しているので、「なるほど」と納得させられることが多いです。

モノづくりの分野だけでなく、どんな業種にも置き換えられるように書かれているので、一読することをオススメします。

0
2016年03月14日

Posted by ブクログ

製造実習で製造現場にたつにあたって、この本を読んでみた。参考にできるところが多々あり、抽象的な「改善」というものに対して、わかりやすく、要素化して列挙している。誰が読んでも参考になると思われる。名著。

0
2010年06月05日

Posted by ブクログ

元トヨタ社員で、社外にトヨタ式の導入を進めてきた若松さんによるトヨタ生産方式の解説本。 トヨタ生産方式といえば、「ジャスト・イン・タイム」「自働化」「5S」「カンバン」などといったキーワードが出てくる。これらのツールを取り入れればカイゼンできるのか、といえば必ずしもそうではない。 トヨタ生産方式の根底に流れているものは、お客様のためにカイゼンを続け、カイゼンのための知恵を自ら生み出し続ける現場力である。この現場力をどうやって作るかがカギとなる。 リーンにつながる考え方として、トヨタ生産方式は抑えておかないといけない。 社外に導入してきた実例を交えて、陥りやすいダメなポイントをあげているのでわかりやすい。

0
2018年10月07日

Posted by ブクログ

KAIZENを世界に通用する言葉にした、トヨタ。
そのトヨタ式改善・生産方式の実際と、どのようにして組織風土にまでできたのかを教わった。

世界のトヨタも、戦後の資金難の際には、倒産寸前にまでなったらしい。
その後、朝鮮戦争の特需が起こるのだが、同業他社が設備投資と、
人員増をすすめる中、トヨタは乏しい設備のままで、人の知恵で難局を乗り切ったという。
これが「改善」のスタートだった。

有名な改善の手法である、「ジャストインタイム」や「5S」「かんばん」「ヨコテン」などの具体的な紹介も参考になった。
しかし、「改善」を成功させ、現在のトヨタを作り上げた本質は、「ひとづくり」に力を注いだ成果である。
全員参加で「改善」をすすめ、チームワークと人を育てること、これがトヨタの企業文化だ。

本気で改善をすすめるために、トップ自らコミットメントし、専任担当も置く。
一人ひとりが改善を考え抜けるように、まわりは答えを教えず、サポートに徹する。
そのようにして鍛えられた人が、機械に知恵を加えて、マニュアル以上に生産的な使い方を編み出す。

単なる「ムダ取り型改善』ではなく、「課題解決型改善」を続けることが人材育成につながり、
利益を生み、顧客満足を実現する組織力が育まれていることがよくわかった。

0
2010年12月15日

Posted by ブクログ

有名なトヨタ式について、初めて読んだ本。

読みやすい文章で、わかりやすかったです。


改善も大切ですが、過労死は嫌ですね。


2009.08.21

0
2009年12月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・「改善」から「カイゼン」「KAIZEN」(16)
・トヨタ式カイゼンを実行するには、まず「トヨタ生産方式」を知ることが不可欠
・トヨタ生産方式
 ①人間の知恵の上に
 ②自「働」化と
 ③ジャスト・イン・タイムの2本の柱が立っている
・カイゼンは、豊田英二氏の発案(20)
 -昭和20年代半ばに英二氏がアメリカに留学、フォード社で3ヵ月にわたって研修を受けた際、工場で目にした「サゼスチョン・システム」からヒントを得た
 -英二氏はそれを日本に持ち帰り、「トヨタにはお金がないから、お金をかけずに知恵を使ってできることをやろう」と「創意くふう制度」を創設、以来50年以上にわたって続いている。
・「改善」と「改良」の違い-トヨタ式の解釈(24)
 -改良はお金を使ってよくすること
 -改善は知恵を使ってよくすること
・トヨタ式のPDCAサイクル(140)
 -Plan, Do, Check, Action, Follow,Standardization(標準化), Value(評価), Plan...
 -これらすべてに「think」知恵をつけることが求められる
・トップの役割(144)
 -「トップのやり抜く意思」と「管理監督者が十分な役割を果たす」
 -トップの姿勢は見られている、本気かどうかすぐに見抜かれる
・大量生産方式=つくり手の論理で成り立つ、トヨタ生産方式=買い手、お客様を通信に考えるつくり方(145)
・改善研修会(160)
 -「あれがムダだ」「あそこが問題だ」という「診断士」ではなく、「こうすれば解決できる」と実践できる「治療士」であることが大切
・改善の基本=「答えは自分で考える」(164)
・トヨタ生産方式が目指すもの(188)
 -「ムダを省いたモノづくり」だが
 -あくまでそれを支えるのは、現場の「知恵を出して働く人」「改善力のある人」でなければならない
 -ライン、工場に現場の知恵がついているからこそ、競争力は高まる
 -このもっとも大切なことを忘れ、一気に理想のラインを持ってきても、それ以上の発展は望めない。発展できなければ、本当の意味で強いラインと呼ぶことはできない。
・ヨコテン(横展開)(193-4)
 -ある部署でよい事例ができると、そのノウハウを他部署にも同じように広げ、トヨタおよびトヨタグループ全体の果実としようという考え方
 -注意すべきは、それぞれの現場で働いているのは違う人であり、ある部署の成功例も、そのままコピーのように持って行くと、うまくいかない場合が多い。
 -「モデルラインよりももっとよくしよう」というくらいの気持ちで現場の知恵を引き出すと、スムースにいきやすい

0
2021年03月11日

Posted by ブクログ

トヨタ式(自働化、JIT、視える化、カイゼン)の仕組み、推進組織について簡潔にまとまっており短時間で学ぶことができる

0
2020年01月23日

Posted by ブクログ

改善を浸透させる上で、トップの本気を示す意味での「トップダウン」と、現場の1人1人が考える意味での「ボトムアップ」の双方を実現させることが難しい部分だろうと感じた。
トップダウンだけで進めれば現場は思考停止してしまい、ボトムアップだけに任そうとしても現場のモチベーションは上がらない。

事例を見ていると、まずは「トップのやり抜く意思」「現場管理者が十分な役割を果たすこと」という2点からトップダウン中心に粘り強く理解を求めて推進し、少しずつ人作りを通じて現場力を高め、ボトムアップにつなげていく流れになりそうだ。
しかし、まずはそれを行えるトップ、現場管理者がいないことには始まらない。
企業の競争力は「人」に帰着するということを改めて感じた。

0
2014年05月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

無駄を省く「トヨタ式」といわれる考え方や手法(かんばんやアンドン)の紹介と、それを導入して成功・失敗する例などをあげた紹介本。
車を組み立てるという工場・製造の話がベースなので、手法を求めての一読だと残念なことになるだろう。「これは使えそう」とか「うちには意味ないな」とか。
大事なのは「改善」を行うのにトップの理解や管理、なにより熱意が必要であり、また具体的なアイデアや手法はボトムから引き出すということで、「トヨタ式」の中身や枠をいただくのではなく、「トヨタ式」を「○○式」に変えることだと感じた。
そしてつきつめるところコスト削減とか品質向上は帰結する当然の結果であって、いかに気持ちの良い人付き合いをし、楽しい仕事をするかという土壌を育むという根底を育てることに重きが必要ではないかと考えさせられた。

0
2011年02月17日

Posted by ブクログ

090105-0109
【感想】カイゼン、トヨタ生産方式は、生産現場だけと思いがちだが、ホワイトカラーのオフィスでも十分通用しそうな考え方である。

【目的】:カイゼンという言葉を理解するための入門書として読みたいと思います。

0
2009年10月04日

「ビジネス・経済」ランキング