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Posted by ブクログ
ざっくり言うとグローバル社会の中で日本はどうあるべきか?ということを書いた書です。
池上さんの本はやはり読みやすいなーと感じました。すらすら読めました。
まず経済面。
政治が介在して自国産業をガードするのは止めましょう、過保護はダメです、という主張が繰り返されています。
その材料として以下が挙げられています。
・IMF危機で生まれ変わった韓国
・過保護が原因で国際競争力を失った日本の米、米国の鉄鋼・自動車
次に外交面。
・外交にはしたたかさが必要。レアアースを外交カードに使う中国などは見習うべき
・中国との付き合いは難しい。まずは中国の歴史を知ることから
次に制度面。
・スタート平等、結果不平等が理想
・落ちこぼれた人のセーフネット整備も大切
・小泉、竹中政権は前者を志向したものの後者はあまり出来ていなかった
あと印象に残った話。
・こんにゃく芋だけ関税がやたら高い(1700%)のは主要生産地が首相を多く輩出している群馬だから
・レアアースが中国でほとんど(9割)取れるのは、低コスト(環境を無視して処理をしない)であるから。昔はほとんど米国で取れていた
・政治はいまいち、ただしその人を選んだのは国民。国民も悪いが、情報提供を怠ってきたマスコミにも責任がある。マスコミは政局を話すばかりで、制度面の詳しい話をしない。理解していないから
Posted by ブクログ
先送りできない日本 “第二の焼け跡”からの再出発 (角川oneテーマ21) 2011/8/10
主に貿易自由化について多く書かれている
2011年6月2日記述
池上彰氏による著作。
本書では主にTPPや農業、またそれに絡む政治問題などについて解説している。
分かりやすい解説に定評があった池上氏の本なのでニュースの話題に疎い人であっても
日本の問題点について把握できるだろう。
本書を読んで感じるのは今日本国内で閉塞感が覆っている要因のひとつが貿易自由化の問題である。
特に韓国にいたっては日本以上にアメリカとの自由貿易化を進めており日本もTPP参加をしない場合、
国際競争に打ち勝っていけるのだろうか?
また同時に日本国内の農業も10年も経てば担い手の高齢化がますます進み立ちゆかなくなる可能性が極めて高い。
農地の集約化も進めていく必要もあるが
戸別所得補償制度によって(兼業農家が専業農家に貸していた土地の返還を求めるようになったため)
それも上手く進んでいない。
あちらを立てればこちらが立たずと言った状態で動けない内に先送りできない状況に日本が追い込まれている事がよく分かります。
Posted by ブクログ
アメリカ政府が車産業を保護した為、GMは企業努力をせずに衰退した。
日本の農業も政府に圧力をかけて、守られている現状。
しかし、一部の産業を保護しすぎてしまうと、工夫や改善がされなくなり
結局淘汰されてしまう。政府も反発を押し切って政策を進める力が必要となる。もう先送りできない
Posted by ブクログ
この本が出版されたのは約一年前。
それなのに、日本が抱えている問題のほとんどはそのままのような気がします。このままでは本当に立ち行かなくなるかもしれません。
あと、現代史の本を読んでみようと思いました。
特に中国。
嫌いだけれど、それですむ問題ではないのも確かです。
Posted by ブクログ
「いまここ」でおきている問題を、意見を交えて解説している。ものすごく読みやすい。わかりやすい。
同時に、この国の未来に対する大きな「憂い」、そして「決意」を感じた。
経済、貿易、農業、ものづくり、財政、日本に山積する多くの問題。それが、震災をきっかけに、いよいよ先送りは許されなくなった。
その現実に、とにかく、この国を動かすのは、政治家でも、国でもない。私たち1人1人なのだ。池上氏は、そういうことを、伝えたかったと感じる。
この本を通して、「いま日本がすべきこと」「いま日本国民が考えるべきこと」「私たちはいま何を考え、何を解決していくべきか。」そのきっかけを与えてくれる。
ただし、このような類の本は、きっかけである。本の内容を鵜呑みにせず、ここを軸に、自ら学び、考える姿勢が必要である。
わかりやすいからといって、それが正解とは限らない。
震災からの復興、同時にこの国の復興。国民みんなの知恵を絞って、いまこの日本を生まれ変わらせよう。再出発の時である。
Posted by ブクログ
111126 この本のタイトルは「先送りできない日本」ですが、読み進めて行くと「世界が先送りできなくなりつつある」と感じます。地球の恵みをむさぼってきた人類は、私たちの地球の存続させるために、立ち止まって考えなければならない時が迫っていることに気が付かなければならないのです。
それぞれの国の政権は、自らを守るために短期的な政策を講じています。
しかしながらそれは、どうしても「誰かが獲得して誰かが失う(win-lose)」の攻撃的な政策になりがちです。
地球の環境が悪化し、資源が枯渇することが明白になった今こそ、先進国も、発展途上国も「両方とも得られる(win-win)」の政策を目指して、世界が手を結ばなければならないのではいでしょうか?
日本がこれから目指すべきは、開発した新技術を使うことで実現するシステムを丸ごと売るという発想でしょう。例えば、日産リーフが家の電池も担えるように、個々のモノが別々に存在しているのではなく、大きなシステムの一部としてモノが存在するという考え方。モノづくりには哲学が必要です。どんなタイプの商品であっても、考え抜かれた哲学によって生産されたモノは、世界から受け入れられるのです。新しい知識は、いままで曇っていた視界を少し明るくしてくれます。私たちは、正解のない答えを自分なりに考えて見つけていく時代に入っています。