あらすじ
19XX年、日本は急速に右傾化の方向を辿り始めた。武器輸出解禁、秘密警察によるスパイ狩、徴兵制の準備等、声なき声は圧殺され、軍国主義一色となった。さらに時の総理滝の肝入りで、国を愛するうら若き乙女の軍団が組織され、庶民に対する弾圧粛清は厳しいものとなった。戒厳令下、反対勢力は、体内に爆弾を埋めた3人の女性テロリストを滝首相の許へ派遣するが……。来るべき時代の恐怖を描く、近未来サスペンス小説の傑作。
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Posted by ブクログ
おもしろかった!
序盤はなんとなくハマらなかったが、だんだん止まらなくなった。最後の最後にもぞくっとした。
志半ばで命を落とすテロリスト、テロリスト殺害の流れ弾的に死亡する一般人など、人はどんどん殺される。
滝首相はともかく、プロメテウスの乙女たちは、確固たる理想があったわけでもなさそうな子まで立場のせいで暴走していく。
科学的な進歩はあれど第二次世界大戦の頃の日本にも近く、現実に起こるのだって十分にありえる。
こんな国の右傾化は、きっかけさえあればどんどん進んでしまうと思うと恐ろしい。
Posted by ブクログ
20歳以下の女性だけの私設護衛隊、それがプロメテウスの乙女。
武装して、政治体制の規律を取り締まる。
政商の娘が首相から直々に勧誘され、入会する。
爆発物を使った暗殺計画が進行していて、
実はその一味でもある。
赤川次郎作品は、突拍子もないところが、
社会派小説として暗くなりすぎないところかもしれない。