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この本が書かれたのは今から20年近くも前だが、現在に至るまでも京セラフィロソフィーが熱狂的な人気となっている。成功や美談などでもてはやされていて、某ビジネス番組でも紹介されている。しかし、良い面も有れば悪い面もあるのが普通のことであり、この本ではその悪い面を理解する上でとても参考になる。
私の感...続きを読む想になるが、他のフィロソフィー本を読んで思ったことは、稲盛和夫さんは大人のガキ大将という印象を持っていた。ワンマンで自分に都合が良く、でも不思議とカリスマ性がある、そのカリスマに惹かれてみんなが頑張ったのだと何となく思っていた。
しかしこの本はそのカリスマの仕組みの一部を内部から伺うことが出来る。フィロソフィーは基本的に社員をいかにうまく(会社の都合の良い様に)制御するかをまとめたノウハウ本であり、そのノウハウとは、どういうものかを作者の目線で書かれている。
正直内容を読んでブラック企業のようだと思った。やっている内容や勤務体系などは法的にはアウトで有るし、京セラという会社の仕組みもそれを助長するように書かれている。もしかしたら採算性の悪い部署だけがそうであり利益の良い部署はそこまでではないのかもしれないが....目標を高く持つことは大切であるが、京セラはイケイケの体育会系脳で裏付け等を無視した考え方をするようである。
なんにせよ京セラフィロソフィーに感銘を受けた経営者の方々はこのような暴露本にも少しは目を向けた方が良いと思う。ここに書かれていることは個人の一感想やごく一部の様子ではあるだろうが、同じ結果を生むことにもなりかねない。
まあ、私は経営者ではないのでこの様な感想を持ったが、おそらく経営者の考え方では、こんな素晴らしい手法もあるのかと逆説的に捉えてしまいそうではあるが。
最後に……実名でこの様な暴露本を書かれた作者の勇気に敬意を払いたい。