あらすじ
インターン先は、一風変わった葬儀会社!?
大学2年生の智也は、ふとしたきっかけで「模擬葬儀」を行う「ハピネスエンディング株式会社」でインターンとして働くことになる。顧客は模擬葬儀を通じて、実親との関係を絶ちたいと考えているらしいが、穏和な家庭で育った智也には理解しがたかった。しかし、いざ実際の模擬葬儀に立ち会い、顧客たちが激白する様々な過去、親からの過干渉、体罰、性的虐待、レイプ……に戦慄する。智也は、事業に熱い想いを抱く社長の美香、ベテラン社員の山岸とともに客の要望を満たすサービスを提供するうち、一見物騒に思えたこの葬儀に、人の心を解放する効能があることを知る。
Twitter7万フォロワーの著者が描く、毒親からのサバイバル術!
(底本 2023年4月発売作品)
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Posted by ブクログ
普通の家庭(あえて普通という表現)で育った主人公目線で物語が進められていくので読みやすかったし、理解しやすかった。
私自身は、主人公と同じような家庭で育っているため模擬葬儀を依頼する人たちの辛さを本当の意味でわかることはない。ただ、そういう人がいて少しでも前に進める手助けをする。
それも絶対的なものではなく、皆全ての人を助けれるわけではない。そういう現実味のあるところが読者に考える余白を与えてくれているようで良かった。
実際最後の依頼者は、その後どうなるのかと想像しただけでぞっとする。
でも、模擬葬儀を依頼するような家庭があることを知らないまま一生を終える人や、知っていても何も出来ない私のような人間がいる中で、この物語の主人公はインターンにこの会社を選んだことで考えが変わり、救えるかわからないが今後もこの活動に挑戦していくさまがわかる最後で救いがあり良かった。
辛い過去がない人間にとって、辛い過去を背負ってる人を助けようとすることは烏滸がましい気がしていたが、この主人公のような形で行動することも出来るんだなと新たな考え方を教えてもらえたように思う。
Posted by ブクログ
人を育てるという一大事業にもかかわらず
親になるには資格がいらない
子を愛せなくたって、自分のことしか考えられない人だって
もっと言えば、暴力や暴言が日常化してる人だって
親になろうと思えばなれてしまう。
たまたまそこに生まれてしまった子どもは
たまったもんじゃないだろう。
たとえ想像の中だけでも、一度親を殺さないことには
生きていけない人たちの、歩んで来た人生が切ない。。。