あらすじ
理系一位の東福寺珠季と文系一位の広尾流星の秀才カップルには秘密がある。成績優秀な二人が恋人だという噂が学校中に広まったせいで、本当は恋人の演技をしているだけ。
一位ゆえのプライドから今さら嘘だとは言えず、「つまらん堅物の理系女子め!」「この非合理的な文系男子!」と裏で見下し合うが、実際は互いの本音が気になって仕方ない!?
だが本当のカップルになるため、先に告るのはプライドが許さない! あの手この手で好きだと言わせようとするうちにさらにお互いを意識してしまい……?
「「そっちから告るなら本当に付き合ってあげないこともない(わ)!」」
※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
感情タグBEST3
脚本から始まる偽装カップル
文系と理系の思考の違いをテーマにした高校生ラブコメですが、この違いによる男女間の対立というより"脚本通りに偽装カップルを演じる事"が物語の軸になります。この作品の主人公(広尾流星,東福寺珠季)はともに演劇部で、文系クラスと理系クラスの学年1位として互いを認め合いライバル視する関係ですが、偽装ながらもカップルを演じる事で互いを意識し始めていく様を楽しみながら読みましたね。校内では脚本通りに演じる事で騙せる二人の関係も演劇部の下級生(有崎紫燕)と流星の幼馴染(南山瑠璃)には見破られてしまい、特に紫燕は嘘と知っていながらもこの二人が親密になるよう画策していて目端が利く脇役でした。表面は大人びていても実際はウブというのがこの手のラブコメの定番で、作中終盤、二人が枝に結んだリボンに同じ趣旨の事が書かれていた(素直になりたい)のは大変微笑ましかったです。この巻で纏まっていますが続刊があるようならこの二人の関係の進展を見たいですね。