あらすじ
遺伝子検査とはどういうもので、何がわかって何がわからないのか。
具体的な問いで社会的・倫理的な問題として考えてみよう。
臨床遺伝専門医がやさしく導く。
医療者を介さずネットでも簡単に注文でき、安価になった遺伝子検査。
遺伝性がん遺伝子検査、出生前検査、体質検査等の遺伝子検査が一般に急速に普及しているが、受ける人のリテラシーは不十分である場合も多く、混乱したり、結果を受け止めきれないケースも多い。一般の人がいだきやすい疑問点や具体的なケースを想定しながら当事者となった場合の考える力をつける本。話題は、ゲノム編集、クローン人間、デザイナーベイビーまで!
【目次】
抜粋
1章 出生前診断、受けますか?
2章 発症前診断、受けますか?
3章 どこでも買える遺伝学的検査
4章 多因子疾患
5章 がんゲノム医療
6章 エピジェネティックス
7章 ゲノム薬理学とHLA検査
8章 全ゲノム検査と常染色体優性遺伝疾患未発症者診断
9章 全ゲノム検査と保因者(キャリア)診断、出生前診断、着床前診断に関して
10章 より深くなる遺伝の光と闇:優生思想、ゲノム編集、クローン、デザイナーベビー
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Posted by ブクログ
タイトルと表紙からは難しそうなカタい本という印象をうけるが、とてもわかりやすく読みやすい本
医師と遺伝カウンセラーよる共著である。
遺伝、遺伝子というものに少しでも関心あるいは知識がある人であれば、読むと得るものがあるだろう。
市販の遺伝子検査(DTC)や医療的な遺伝学的検査について、その実際とメリットデメリット、限界が、冷静で偏りのない視点で記載されている。
また三毛猫とエピゲノム、フェロー諸島の94%の住民は1人の牧師の血族、などの話題から、ゲノム編集、クローン、デザイナーベイビー、優性思想など倫理的な話題も扱っている。
医療現場で行われる遺伝学的検査である発症前診断、出生前診断の実際とそれを受ける人の注意点も丁寧に記載されている。
関わる方はここだけでもぜひ読んで頂きたい。診断だけでなくその前後の受ける方の側、医療者側、双方の大変さを感じる。
個人的には、お一人様(キーパーソン不在)には発症前診断ができないという現状には驚いた。
本文中で参考、紹介されている情報•文献がQRコードつきで提示されているのも嬉しい。