【感想・ネタバレ】なぜ女性は仕事を辞めるのか 5155人の軌跡から読み解くのレビュー

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Posted by ブクログ

なぜ女性は仕事を辞めるのか: 5155人の軌跡から読み解く。岩田正美先生と大沢真知子先生の著書。女性が仕事を辞める理由はもちろん人それぞれであるとは思うけれど、女性が簡単に仕事を辞めてしまうような組織はそれだけ女性にとって魅力がなくて、働く価値がないと思われているという危機感を持たなくてはならないと思います。

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2019年01月13日

Posted by ブクログ

日本女子大学現代女性キャリア研究所が2011.11に実施した、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に在住の25歳から49歳までの、短大、高等専門学校卒以上の女性5155人のアンケート調査「女性とキャリアに関する調査」をもとに、キャリア形成や就業意識について分析したもの。キャリア形成に大学がどう支援できるかがテーマ。また就職氷河期1993-2005に就職した女性の調査が多くないこともこの調査を実施した理由。生年で言うと1962年から1986年生まれの人の調査。

日本では国際的に見て高学歴女性の労働参加率が低く、就業率ではM字型を描くが、欧米諸国ではこのような傾向は見られない。この部分にメスを入れた。

主な離職理由は「ほかの仕事がやりたかった」「仕事に希望が持てなかった」が多く、M字型就労の理由を探るには結婚出産時の意識ではなく、初職時の仕事内容を見る必要がある。

この調査対象では大手企業に勤める割合は多いが、初職を継続しているのは15%、多くは転職をしその先は中小企業となる。また調査時25歳の者は35%が初職から非正規。学卒時に就業意識の高いものほど離職している。これは企業が女性は「結婚出産」でやめるだろうと考え、男性と同じやりがいの感じられる仕事を女性に与えていたいからだと考えられる(離職理由から) さらに、初職を辞めた女性はその後うまくキャリアを形成していない。

若い女性の専業主婦願望が高いと言われるが、この調査では、結婚後は家庭に入り仕事をしないと考える女性は少ない。いったん退職して労働市場に戻ることを考えているが、現実には再就職の仕組みができていないため再就職できないでいる実態が分かった。

第1章 M字型就労はなぜ形成されるのか
 育児休業制度は大企業では充実し、制度利用者の100%が復職する。問題はその女性たちの能力を十分に活用できていないこと、と企業の担当者は言う。また育児休業制度は企業に依存しており体力の無い中小企業では制度活用が難しい。全体では制度活用者は17%である。一方中小企業ほど女性管理職割合は高いが、労働時間も長くワークライフバランスはとりにくい。→独身者割合が高い。欧米諸国はかつてM字だったが女性の就労についての環境整備を行った結果台形型になった。

第2章 初職継続の隘路
 正規で就業継続し結婚出産する女性は調査対象者の3%就労継続者は未婚率、子供無し率が高い。就業支援策はごく一部の人しか享受していない。

第3章 就労意欲と断続するキャリア 初職離職と転職再就職行動
 女性の職業中断は、「第1子の妊娠出産」より「前」に存在する。「就労への意欲」があるがゆえにキャリアが積み重なってゆかない「逆説」がある。・・理想ばかり追いすぎ? そうそうおもしろい仕事ばかりがあるわけじゃあないが・・

第4章 非正規女性たちのキャリアのゆくえ 
 非正規から正規へシフトできた層は専門技術を持っている、または身に付けた層が多い。企業でも非正規への訓練の機会はあるが、それで賃金がアップするわけでもない実態もある。

第5章 専業主婦の再就職
 離職した専業主婦の80%は再就職を希望しているが、再就職に向け準備をしている人はごくわずか。再就職活動は孤独。再就職できた人は考えるよりまず行動し、意外な「縁」によって再就職できていた。

第6章 小さい子供をもつ女性とキャリア
 女性の就業率の分岐点とされる末子年齢に着目。就業者は育児支援者がいる。

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2015年08月16日

Posted by ブクログ

主に高学歴の女性が対象のアンケートを基に、キャリア形成に関する様々な考察をしている。基本的に順番通りに読み進める前提のもので、前の章の内容も時折登場する。

まず、高学歴女性が初職を辞めた理由は、「仕事上の理由」が上位に挙がっているというのが意外な結果だった。女性の退職理由として結婚や出産が大半と考えていたからだ。配偶者や周りの環境の影響よりは自分の意思で選んでいるようだ。

また、初職を辞めた女性はその後上手くキャリアを形成できていないことから、初職でうまいこと安定して理想的な職場に就職出来ることが重要なようだ。

※一部読んでない箇所があるため齟齬がある可能性あり



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2020年10月09日

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