【感想・ネタバレ】ケアする惑星のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年07月30日

ケアが蔑ろにされている今の新自由主義の世の中で、ケアを見つめなおし、少しでも生きづらい人へのケアのヒントになることを著者の英文学作品を読み解く中でケアの重要性を再発見する書。アンネの日記をギリガンが読み解いていたり、ウルフの帝国主義に対する姿勢や働く女性に対しての考え方や、ネガティブ・ケイパビリティ...続きを読む、ピア・グループ、ケア倫理など具体化が分かりにくいものを英文学より紐解き、現場に役立つものが多かったが、原書を読んでいないので理解は半分くらいとなった。あげられたものや参考文献を読み進めていきたい。

0

Posted by ブクログ 2023年03月26日

この数十年、国が推し進めてきた新自由主義的な競争社会に疲弊している国民は多い。世の中がどんどん便利になってきた一方で、「生きづらさ」が増していた。しかし、ここにきて、コロナ禍を経て、変化の兆しは見え始めている。福祉やケアへの注目が俄かに高まっているのだ。

本書は前作『ケアの倫理とエンパワメント』が...続きを読む注目された小川公代さんの待望の新刊である。文学を通してケアの精神を学ぶという趣旨は前作と同じだが、主に小川さんのメインフィールドである英文学から題材が採られ、前作以上に深く作品の読み込みがなされる。特にヴァージニア・ウルフ作品については、本書を読んだ後に読み直すと、まるで違う味わい方ができるだろう。

ケアの倫理を唱えたのはキャロル・ギリガンだが、当然ギリガン以前にもケアはあった。正義の倫理、ケアの倫理、どちらも大切だが、長らくケアの倫理は不当に貶められてきた。しかし、見えていない、気がついていないだけで、本来この惑星はケアに満ちているのだ。一冊の本が世の中の見え方を変えることはある。本書はそうした一冊になり得ると思う。

0

「雑学・エンタメ」ランキング