【感想・ネタバレ】戦国日本の生態系 庶民の生存戦略を復元するのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年10月14日

越前国極西部に視軸を置き、動植物が織りなす生態系とそこに生きる人々の社会を一つの系として捉え、庶民の立場から戦国時代を描き出そうとする内容。海・山の資源利用、窯業の展開、それらを結ぶ物流の詳細な実態がとても面白い。

0

Posted by ブクログ 2023年05月10日

『生存戦略』本作の最重要キーワード。決してピングドラムでは無い♪
さて本書の語る、天然資源の利用と再生を巡る、庶民の生業と戦国大名政府と領主層の、相剋と依存と均衡を頭に入れて歴史小説(戦国に限らず)を読むと、お馴染みの英雄史観と少し違う世界が広がります。
とにかく庶民がしぶとい。
納税と労役を人質に...続きを読むとり、地元の領主や大名政府とハードなネゴを押し引きして、支援を引き出したり権威を利用したり、必要ならネゴならぬコネを駆使して、己の既得権益守り他人の権利を侵しと、もう庶民やりたい放題。
騙されイビられ、場合によっては棄てられかねないご領主さまが可哀想になるほど。
小氷期のもたらす天候不順が飢饉と兵乱を巻き起こす乱世に、喰えるものは総て食い、使える物なら武士も坊主も使い倒し、農業や漁業に拘らず製塩焼物細工貿易等々と何でもやる多角経営に八面六臂の大活躍な漁民農民……庶民?
とにもかくにも生き残り、明日のお天道様を拝むのだって感じに奮闘する戦国一般ピープルの逞しい生の躍動を、少ない資料から情報を拾い集め、データにまとめて鮮やかに炙りだす事に成功した良書です。
あれだな、なろう系で領主モノ書こうとしてる人とか、参考にとても良いかもね。
知多半島民としては越前焼の考察の章で常滑焼が繰り返し引き合いに出されて、当たり前にある地元の伝統工芸の偉大を知った感じね♪

0

Posted by ブクログ 2023年05月16日

戦国の庶民は、ただ、英雄たちに支配され、かつ自給自足であったと言う、旧来の見方はちゃうんちゃうと言うことを、納税記録などから読み解く。
領主とは結構ギブアンドテイクだし、生産品を販売、流通させてんだよと、むっちゃ当たり前にしか思えない結果。
確かに歴史の授業とかだと庶民の生活なんか殆ど見えないが、逆...続きを読むに、聞いてみれば当たり前なんだが、研究者の中では当たり前でなかったことが驚き。

納税品から見えてくるところは、研究としては面白いんだろうが、結果としては、そうなのとしか思わんかったなあ。

研究者として興味のある人には面白のではないか。

0

「学術・語学」ランキング